【特集】「料理」に関する ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語
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食材を調理し、食べ物を作り上げる「料理」。
料理は日々の生活に欠かせない営みであると同時に、技術や心を表現する手段でもあります。
日本語には、料理の技術や食材、調理中の様子、さらには料理から転じた比喩表現まで、数多くの言葉が存在します。
今回は、「料理」というテーマに関連する、主なことわざ、慣用句、四字熟語、故事成語などを紹介します。

「料理」に関連する言葉 一覧

ことわざ

  • 秋茄子は嫁に食わすな(あきなすはよめにくわすな):
    秋の茄子は美味しいので(あるいは、体を冷やすので)嫁に食べさせるな、ということ。食材と食にまつわる言葉。
  • 同じ釜の飯を食う(おなじかまのめしをくう):
    (同じ釜で炊いた飯を食べること)同じ場所で生活を共にすること。
  • 絵に描いた餅(えにかいたもち):
    (「画餅(がべい)」とも)餅の絵は美味しそうでも食べられないことから。計画が立派でも、実行できなければ役に立たないことのたとえ。
  • 腐っても鯛(くさってもたい):
    (高級魚の鯛は、腐っても価値があるということから)優れたものは、たとえ状態が悪くなっても本来の価値を失わないことのたとえ。
  • 腹が減っては戦ができぬ(はらがへってはいくさはできぬ):
    空腹のままでは、力を発揮できず、大事なことはできない。何事もまずは腹ごしらえ(食事)が先だということ。
  • 餅は餅屋(もちはもちや):
    (餅つきは専門の餅屋が一番であることから)物事は、それぞれの専門家に任せるのが一番良いというたとえ。

慣用句

  • 味を占める(あじをしめる):
    一度うまくいった経験から、次もそれを期待すること。
  • 脂が乗る(あぶらがのる):
    (魚などに脂が乗って美味しくなることから)仕事や物事が順調に進み、調子が出ているさま。
  • 腕を振るう(うでをふるう):
    持っている技術や能力を存分に発揮すること。特に「料理の腕を振るう」とよく使われる。
  • おあずけ
    (犬などに食べ物を待たせることから)許可が出るまで、行動や食事を待たせること。
  • お茶を濁す(おちゃをにごす):
    (抹茶の点て方が下手だと濁ることから)いい加減なことや、その場しのぎの嘘を言ってごまかすこと。
  • お手の物(おてのもの):
    (「お手のもの料理」のように)得意とすること。
  • 胡麻をする(ごまをする):
    (すり鉢で胡麻をすると、あちこちに飛びつく様子から)相手に気に入られようと、お世辞を言ったりすること。
  • さじ加減(さじかげん):
    (薬や調味料をさじで量ることから)物事の処理の仕方や、手加減の程度。
  • 塩梅(あんばい):
    (「塩(しお)」と「梅酢(うめず)」という調味料から)料理の味加減。転じて、物事の様子や具合。
  • 舌鼓を打つ(したつづみをうつ):
    (美味しいものを食べた時に)舌を鳴らすこと。非常に美味しく、満足しているさま。
  • 茶々を入れる(ちゃちゃをいれる):
    (茶の湯を妨げることから)冷やかしたり、邪魔をしたりすること。
  • 煮え湯を飲ます(にえゆをのます):
    (煮えた熱湯を飲ませることから)信頼していた者から、ひどい裏切りや仕打ちを受けること。
  • 煮詰まる(につまる):
    (煮えて水分がなくなることから)議論や考えが出尽くして、結論を出す段階になること。
  • 喉が鳴る(のどがなる):
    (空腹や美味しそうな匂いで)食べたくてたまらないさま。
  • まな板の上の鯉(まないたのうえのこい):
    (料理されるのを待つ鯉のようすから)相手のなすがままになるしかない、絶体絶命の状態。
  • 味噌をつける(みそをつける):
    失敗して面目を失うこと。

四字熟語

  • 医食同源(いしょくどうげん):
    病気を治す薬も、日々の食事も、ともに生命を養い健康を保つためには欠かせないもので、源は同じだということ。
  • 一汁一菜(いちじゅういっさい):
    (「一汁三菜」が基本とされるのに対し)汁物一品と、おかず(菜)一品だけの質素な食事。
  • 滋味栄養(じみえいよう):
    味が良く、栄養があること。
  • 酒池肉林(しゅちにくりん):
    酒の池と肉の林。非常に贅沢な宴会(料理)のこと。
  • 珍味佳肴(ちんみかこう):
    (「肴」は料理のこと)珍しく、美味しい料理。
  • 美酒佳肴(びしゅかこう):
    美味しい酒と、美味しい料理。
  • 羊頭狗肉(ようとうくにく):
    (羊の頭を看板に出しながら、実際は犬の肉を売ることから)見かけは立派だが、中身が伴わないこと。
  • 粗食粗餐(そしょくそさん):
    (「粗餐」は客に出す料理をへりくだって言う言葉)質素な食事のこと。

故事成語

  • 羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく):
    熱い吸い物(羹)でやけどしたのに懲りて、冷たいなます(膾)まで吹いて冷まそうとすること。
    (中国の『楚辞』より)
  • 漁夫の利(ぎょふのり):
    鳥と貝が(食べようと)争っている隙に、漁師が両方とも捕らえた故事から。第三者が利益を得ること。
    (中国の『戦国策』より)
  • 食指が動く(しょくしがうごく):
    美味しい料理が出ると人差し指が動いたという故事から。食欲がわくこと。転じて、物事への関心や欲望がわくこと。
    (中国の『春秋左氏伝』より)
  • 糟糠の妻(そうこうのつま):
    「糟糠(そうこう)」は酒粕と米糠のことで、貧しい時代の粗末な食事。そのような時から連れ添った妻のこと。
    (中国の『後漢書』より)
  • 鼎の軽重を問う(かなえのけいちょうをとう):
    「鼎(かなえ)」は古代中国の調理器具(釜)であり、王位の象徴。その重さを問うことは、王の権威を疑い、位を奪おうとすること。
    (中国の『春秋左氏伝』より)

まとめ – 料理が映し出す文化

「料理」に関連する言葉を紹介しました。
「腕を振るう」のような技術、「さじ加減」のような感覚、「腹が減っては」のような食の重要性、そして「味噌をつける」のような調理から転じた比喩まで、実に多様な表現がありました。

これらの言葉は、料理が単なる食事の準備ではなく、人間の知恵や文化、人間関係と深く結びついてきたことを示していますね。

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