意味
「けじめを付ける(けじめをつける)」とは、守るべきルールや道徳に従って、行いや態度をはっきりさせるという意味です。
もう一つ、物事に決着をつけて終わらせるという意味でも使います。
「けじめをつける」とかなで書くこともあります。
語源・由来
この言葉の「けじめ」は、古くは「けぢめ」と書き、物と物との違いや区別を表す語です。
「差別」「区別」の字を当てて書くこともあります。
ほかに、物事の移り変わりや、へだて・しきりの意味もありました。
『源氏物語』の若菜下の巻には、部屋を几帳(= 布を垂らした仕切りの道具)だけで分ける場面に、この語が出てきます。
今では、道徳や決まりに沿って態度に示す区別もいい、「けじめを付ける」はその区別をはっきり示すことです。
使い方・例文
- 仕事と遊びのけじめを付けるため、平日の夜は早く寝ている。
- 不正が見つかった以上、社長は自ら辞めてけじめを付けるべきだ。
- 何年も続いた土地の争いに、ようやくけじめをつけることができた。
類義語・関連語
物事を終わらせる、という二つ目の意味に近い言い方です。
- けりをつける:
物事の結末をつけ、終わりにすること。
『伊勢物語』の「けぢめ見せぬ」男
『伊勢物語』には、「けぢめ」が人への接し方の区別を表す場面があります。
三人の息子を持つ年老いた女性が、情け深い男として知られる在五中将(= 在原業平のこと)に会いたいと願い、三男がその願いをかなえます。
男は一夜をともにしたあと足が遠のきますが、恋しい人に会えないと嘆く女の歌を聞き、その夜もともに過ごしました。
話は、次の一文で結ばれています。
世中のれいとして、思ひおもはぬ人有を、この人はそのけぢめ見せぬこゝろなんありける
(世の中の常として、思いを寄せる人とそうでない人がいるものなのに、この人はその分け隔てを見せない心を持っていた)

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