2027年の干支・未年「羊(未)」のことわざ・慣用句・四字熟語一覧

2027年の干支・未年「羊(未)」のことわざ・慣用句・四字熟語一覧 特集
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羊は、穏やかな性質と群れで暮らす習性から、平和や安泰の象徴とされてきた動物です。
一方、ことわざや四字熟語では、見かけ倒しや迷い、弱さや犠牲のたとえとして使われることが多くあります。

2027年(令和9年)の干支は「丁未(ひのとひつじ)」。
「未(ひつじ)」は方角では南南西、時刻では未の刻(午後1時から3時ごろ)にあたります。
羊にまつわることわざ・慣用句・四字熟語をまとめました。

見かけと本質を表す言葉

  • 羊頭狗肉(ようとうくにく):
    羊の頭を看板に掲げながら、実際には犬の肉を売ることから、見かけや触れ込みは立派でも中身が伴わないことのたとえ。
    「羊頭を懸けて狗肉を売る」の略で、『無門関』などの禅の書物に出てくる。
  • 羊の皮を被った狼(ひつじのかわをかぶったおおかみ):
    穏やかで親切そうな顔の裏に、隙あらば襲いかかる狼のような凶悪な本性を隠す人物。
    新約聖書で、イエスが偽の預言者について、羊の皮をまとって近づくが内側は貪欲な狼だ、と警告した言葉から。
  • 羊質虎皮(ようしつこひ):
    中身は臆病な羊なのに虎の皮をまとうという意から、外見の威厳と内実の弱さの落差を突くたとえ。
    見かけ倒しを皮肉る際に使う。

迷いや教訓を表す言葉

  • 多岐亡羊(たきぼうよう):
    『列子』に出てくる、逃げた羊を追ううちに道が分かれすぎて見失った故事が由来。学問や方針が枝分かれしすぎて本質を見失う様子を表す。「亡羊の嘆」も同じ故事から生まれた言い方。
  • 読書亡羊(どくしょぼうよう):
    『荘子』の故事から。羊の番をしていた二人が、一方は読書、一方は博打に気を取られて羊を逃がした。夢中になった対象は違っても、本業をおろそかにした点では同じだという教え。
  • 亡羊補牢(ぼうようほろう):
    『戦国策』に由来し、羊が逃げた後でも囲いを直せば、これ以上の被害を防げるという教え。
    失敗した直後の対処なら遅すぎないという前向きな戒め。
  • 羝羊触藩(ていようしょくはん):
    『易経』にある、雄羊が角を垣根に引っ掛けて動けなくなる場面が由来。
    無理に突き進んだ末に身動きが取れなくなる苦境のたとえ。

弱さや犠牲を表す言葉

  • 迷える子羊(まよえるこひつじ):
    新約聖書に記されたイエスのたとえ話に由来する表現。
    群れからはぐれた1匹の羊のように、導き手を失い不安の中で行く先を探す人を指す。
  • 羊の歩み(ひつじのあゆみ):
    仏教経典『涅槃経』に由来する言葉。屠殺場へと引かれていく羊の足取りになぞらえ、死や破局の瞬間が刻一刻と迫る心細さを表す表現。現在では、食肉処理の仕事に携わる人への偏見につながるため、比喩として使うと差別的な表現になるとされる。
  • 屠所の羊(としょのひつじ):
    「羊の歩み」と同じく仏典『涅槃経』に由来。屠殺場へ連れていかれる羊のように、逃れられない不幸を前に気力を失う様子を表す。比喩として使うと差別的な表現になるとされる点も「羊の歩み」と同じ。
  • 群羊を駆って猛虎を攻む(ぐんようをかってもうこをせむ):
    『史記』張儀列伝と『戦国策』楚策が出典。張儀が合従がっしょう策(= 六国が同盟して秦に対抗する策)を「群羊を駆り立てて猛虎に立ち向かわせるのと変わらない」と評した言葉。弱い者がどれだけ数を集めても、圧倒的な強者にはかなわないという戒め。
  • 羊をして狼に将たらしむ(ひつじをしておおかみにしょうたらしむ):
    力の弱い者に、強い者たちを率いさせることのたとえ。
    『史記』留侯世家から。漢の高祖が反乱の鎮圧に太子を向かわせようとしたとき、太子を守る四人の老賢者が「歴戦の将軍たちを太子に率いさせるのは、羊に狼を率いさせるのと変わらない」と説いて、出陣を止めようとした。
  • 千羊の皮は一狐の腋に如かず(せんようのかわはいっこのえきにしかず):
    平凡な者が大勢いても、すぐれた一人には及ばないことのたとえ。
    千匹分の羊の毛皮も、狐のわきの下からわずかに取れる白い毛皮には及ばないという意。『史記』趙世家で、晋の重臣・趙簡子が、遠慮なく諫めてくれた家臣の周舎を亡くしたあと、「はい、はい」としか言わない臣下たちを前に嘆いた言葉。

そのほかの言葉

  • 羚羊掛角(れいようかいかく):
    羚羊れいよう(= カモシカやアンテロープの類)が眠るとき天敵を避けて角を木の枝に掛け、足跡を残さないという伝説に由来。
    詩文などに技巧の跡が見えない完成度の高さをたとえる。
  • 羊腸小径(ようちょうしょうけい):
    羊の腸のように折れ曲がった、細く険しい山道。
    三国時代の曹操も、詩の中で、行く手を阻む曲がりくねった険しい坂道を「羊腸坂ようちょうはん」と詠んでいる。日本では「羊腸の小径」の形でも使われ、1901年の唱歌『箱根八里』にも登場する。
  • 羊很狼貪(ようこんろうどん):
    羊のようにひねくれて素直でなく、狼のように貪欲であること。
    『史記』項羽本紀で、楚の上将軍・宋義が、進軍を急かす項羽を念頭に「羊のように言うことを聞かず、狼のように貪欲で、命令に従わない者は斬る」と軍中に命じた言葉が元。四字の形は唐の韓愈の詩に出てくる。
  • 告朔餼羊(こくさくきよう):
    『論語』にある、形だけになっていた告朔(= 毎月1日を祖先の廟に告げる儀式)で供える羊を弟子が廃止しようとした際、孔子が形の維持を諭した故事に由来。
    形式の存続を重んじる考え方。
  • 十羊九牧(じゅうようきゅうぼく):
    『隋書』が出典。
    10匹の羊に9人もの羊飼いがつくというたとえから、指図する立場の者ばかり多く、現場が混乱する組織の非効率さを表す。
  • 羊を以て牛に易う(ひつじをもってうしにかう):
    小さなものを大きなものの代わりに用いること。
    『孟子』で、斉の宣王が、儀式のいけにえに引かれていく牛が震えているのを見かねて「羊に替えよ」と命じた話から。人々は王が物惜しみをしたと噂したが、孟子は、目の前の牛を哀れんだその心こそ王にふさわしいと説いた。
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英語圏における羊の表現

  • The black sheep of the family:
    一家の変わり者や、周囲に馴染めない厄介者のこと。
  • Separate the sheep from the goats:
    良いものと悪いもの、優れた人とそうでない人を見分けること。
    新約聖書で、最後の審判の日に、羊飼いが羊と山羊を分けるように人々が分けられると語られる場面から。
  • One might as well be hanged for a sheep as a lamb:
    どうせ同じ罰を受けるなら、子羊より大きな羊を盗むほうがよいという意から、やりかけたことはとことんやれということ。
    羊を盗めば子羊でも縛り首になった、かつてのイギリスの刑罰が背景にある。日本の「毒を食らわば皿まで」に近い。
  • Like a lamb to the slaughter:
    これから起こる災いに気づかず、また逆らいもせず、おとなしく連れていかれる様子。
    旧約聖書『イザヤ書』で、黙って苦しみを受ける者を、屠ほふり場に引かれていく子羊にたとえた一節から。

羊のことわざの出どころと、「羊」の字を含む言葉

一斉にコチラを見ている羊の群れ

羊のことわざは、ほとんどが外国生まれ

『日本書紀』には、599年(推古天皇7年)に百済くだらから駱駝らくだ1頭、驢ろば1頭、羊2頭、白雉しろきじ1羽が贈られたという記録があります。
ただ、その後も羊は長く日本の暮らしになじまず、羊のことわざも多くは海の向こうから入ってきました。
この記事で取り上げた19の言葉も、すべて中国の古典や聖書、仏典に由来します。

「美」「善」「義」の字には「羊」が入っている

古代中国で、羊は神への供え物にされる大切な動物でした。
後漢の字書『説文解字せつもんかいじ』は、「美」を「羊」と「大」を組み合わせた字と説明しています。
「善」「義」「祥」など、よい意味を持つ漢字にも、字の一部として羊が使われています。

羊羹ようかんはもともと羊の肉の汁物だった

羊羹ようかんはもともと中国の、羊の肉を使った羹あつもの(= 具を入れた熱い汁物)でした。
鎌倉から室町にかけて禅僧が日本へ伝えましたが、僧は戒律で肉を口にできないため、小豆や葛粉で似せて作ったものが今の菓子になっています。

中国の未年の年賀には「三羊開泰」とも書く

中国では、冬が去って春が来ることを祝う縁起のよい言葉「三陽開泰さんようかいたい」を年賀に書きます。
未年には、「陽」と「羊」の音が同じことにかけて、「三羊開泰」と記すこともあります。
日本の年賀状に書き添えやすい四字熟語は、以下の記事にまとめています。

十二支の「未」は、もともと羊と関係のない字

十二支の「未」の字には、「羊」は入っていません。
字の形は、木の枝葉が茂った様子を表すとされます。
十二支はもともと年や月日、時刻などの順番を数える記号で、それぞれに動物が当てはめられたのは後の時代のことです。

未年は何年?西暦と和暦の早見表

年干支(十干十二支)
1943年(昭和18年)癸未(みずのとひつじ)
1955年(昭和30年)乙未(きのとひつじ)
1967年(昭和42年)丁未(ひのとひつじ)
1979年(昭和54年)己未(つちのとひつじ)
1991年(平成3年)辛未(かのとひつじ)
2003年(平成15年)癸未(みずのとひつじ)
2015年(平成27年)乙未(きのとひつじ)
2027年(令和9年)丁未(ひのとひつじ)
2039年(令和21年)己未(つちのとひつじ)
2051年(令和33年)辛未(かのとひつじ)
2063年(令和45年)癸未(みずのとひつじ)
2075年(令和57年)乙未(きのとひつじ)

【特集記事】
十二支(干支)のことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語

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