十二支の中で唯一、実在しない伝説上の生き物である「龍」。
水を司る神聖な存在や、天高く昇る権力のシンボルとして、古来より「最強の運気」や「圧倒的な権威」を象徴してきました。
立身出世を願う言葉から、触れてはならない危険を表す戒めまで、「龍(辰)」にまつわる多彩な表現を一覧で紹介します。
もくじ
成功や勢いを表す言葉
- 登竜門(とうりゅうもん):
中国の黄河にある急流「竜門」を上りきった魚は竜になるという言い伝えになぞらえ、立身出世への関門突破を表す故事成語。 - 画竜点睛(がりょうてんせい):
壁画の竜に瞳を描き足した途端、竜が天へ飛び去ったという中国の故事に由来し、物事を完成させる最後の仕上げを表す四字熟語。 - 竜に翼(りゅうにつばさ):
ただでさえ強大な竜に翼が加わる情景から生まれた言葉で、もともと強い者へさらに力が加わる様子を表す、「鬼に金棒」と同じ発想の表現。 - 飛竜乗雲(ひりゅうじょううん):
『韓非子』に由来する言葉で、竜が雲に乗って空を翔けるように、英雄が時流という後ろ盾を得て才能を発揮し出世する様子を表す。
権威や危険を表す言葉
- 逆鱗に触れる(げきりんにふれる):
竜の喉元に一枚だけ逆さに生えた鱗「逆鱗」に触れると激怒するという『韓非子』の故事に由来し、目上の人を激しく怒らせる様子を指す。 - 竜の髭を撫でる(りゅうのひげをなでる):
本来は「竜の髭を撫で虎の尾を踏む」の略で、恐ろしい竜や虎を刺激する例えから生まれた、強大な相手をあえて挑発する無謀な行為。 - 雲は竜に従い、風は虎に従う(くもはりゅうにしたがいかぜはとらにしたがう):
竜が雲を得て、虎が風を得て勢いを増すように、優れた主君のもとには自然と立派な家臣が集まるという『易経』由来の言葉。
失敗や隠れた才能を表す言葉
- 竜頭蛇尾(りゅうとうだび):
竜のように立派な頭を持ちながら蛇のように細い尾で終わる様子を表し、禅の公案に由来する、勢いが続かない尻すぼみな例え。 - 画竜点睛を欠く(がりょうてんせいをかく):
全体はよく仕上がっていても、竜の瞳にあたる最も肝心な最後の一手が抜け落ちているため、真に完全とは言えない状態を指す言い回し。 - 伏竜鳳雛(ふくりゅうほうすう):
三国志で諸葛亮と龐統をそれぞれ「隠れた竜」「鳳凰の雛」と評した故事に由来し、まだ世に知られていない有望な人材のたとえ。
龍にまつわる四字熟語
- 亢竜有悔(こうりょうゆうかい):
『易経』の乾卦に由来する戒めで、天に昇りつめた竜はあとは下るしかないように、栄達を極めた者はやがて衰えることを説いている。 - 竜跳虎臥(りゅうちょうこが):
竜が天に躍り上がり虎が地に伏せる姿になぞらえた、中国の書道評論に由来する言葉で、自在で力強い筆運びをたたえる表現。 - 竜虎相打つ(りゅうこあいうつ):
力量が拮抗した強者同士の戦いを、強さの双璧とされる竜と虎が真正面からぶつかり合う情景になぞらえた言葉で、互いに一歩も譲らない様子を表す。
英語圏におけるドラゴンの表現
- Sow dragon’s teeth:
将来の激しい争いや災いの原因となる「争いの種」を自らまくこと。 - Here be dragons:
古地図の表記に由来する、まだ誰も足を踏み入れていない未知の危険地帯のこと。 - Chase the dragon:
薬物を使用して幻覚を追うという意味の、非常に危険な隠語(スラング)。
十二支で唯一「架空の生き物」が選ばれた理由
十二支の中で龍だけが架空の生物であることに疑問を抱くかもしれません。
しかし、暦が生まれた古代中国において、龍はおとぎ話の怪物ではなく「実在する神聖な生き物」として固く信じられていました。
地中から発掘された大型動物や恐竜の化石が「龍の骨」として扱われていたことも知られており、当時の人々にとって龍は、牛や馬と同じように日常と地続きのリアルな存在だったのです。
過去・未来の辰年年表
| 西暦 | 和暦 | 干支(十干十二支) |
|---|---|---|
| 1952年 | 昭和27年 | 壬辰(みずのえたつ) |
| 1964年 | 昭和39年 | 甲辰(きのえたつ) |
| 1976年 | 昭和51年 | 丙辰(ひのえたつ) |
| 1988年 | 昭和63年 | 戊辰(つちのえたつ) |
| 2000年 | 平成12年 | 庚辰(かのえたつ) |
| 2012年 | 平成24年 | 壬辰(みずのえたつ) |
| 2024年 | 令和6年 | 甲辰(きのえたつ) |
| 2036年 | 令和18年(予定) | 丙辰(ひのえたつ) |
| 2048年 | 令和30年(予定) | 戊辰(つちのえたつ) |
| 2060年 | 令和42年(予定) | 庚辰(かのえたつ) |
| 2072年 | 令和54年(予定) | 壬辰(みずのえたつ) |
| 2084年 | 令和66年(予定) | 甲辰(きのえたつ) |
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