長い耳と跳躍力が特徴的な「兎」。
穏やかな性質から「家内安全」の象徴とされ、跳ねる姿から「飛躍」や「向上」を意味する縁起の良い動物として親しまれてきました。
一方で、ことわざの世界では、その逃げ足の速さや油断しやすい性質を描いた教訓も数多く存在します。
兎(卯)にまつわる多彩な表現を一覧で紹介します。
もくじ
飛躍やスピードを表す言葉
- 兎の登り坂(うさぎののぼりざか):
兎は後ろ足が前足より長く、坂を上るのが得意なことから。
持ち前の力を発揮できる好条件に恵まれ、物事が早く進む様子。 - 脱兎のごとく(だっとのごとく):
逃げる兎のように、動作が非常に素早いさま。
『孫子』で、初めは弱く見せて敵を油断させ、後には逃げる兎のような速さで攻めよと説いた言葉から。
戒めやリスク管理を表す言葉
- 二兎を追う者は一兎をも得ず(にとをおうものはいっとをもえず):
ヨーロッパで広く使われることわざの翻訳で、幕末に日本へ入ってきたとされる。
欲張って両方を狙うと、結局どちらも成功しないという教え。 - 狡兎三窟(こうとさんくつ):
『戦国策』で、参謀が主君の孟嘗君に、賢い兎は三つの穴を持つと説いて逃げ道を用意した故事から。
万一に備える用心深さを表す。 - 兎の昼寝(うさぎのひるね):
イソップ寓話「兎と亀」で、足の速い兎が油断して昼寝をし、亀に負けた話から。
自分の力を過信して油断し、思わぬ失敗を招くたとえ。 - 兎に祭文(うさぎにさいもん):
「祭文」は神仏に告げる祭りの言葉のこと。
兎に神仏の霊験を説いても無駄であるように、いくら意見をしても効き目がないことのたとえ。
不可能やあり得ないことを表す言葉
- 亀毛兎角(きもうとかく):
出典は仏典『首楞厳経』。
亀の甲羅に毛が生え、兎に角が生えるというあり得ないたとえから、実在しないものや空想上の存在を指す言葉。 - 兎角(とかく):
兎の角のことで、実在しないもののたとえ。
「亀毛兎角」と同じ意味で使われる。副詞の「とかく」は「と」と「かく」を合わせた語で、「兎角」の字は当て字。
兎にまつわる四字熟語
- 烏兎匆匆(うとそうそう):
太陽の中に烏が、月の中に兎がいるとした中国の言い伝えから、「烏兎」で太陽と月、転じて歳月を意味する。
月日が慌ただしく早く過ぎ去っていく様子。 - 獅子搏兎(ししはくと):
獅子は象を捕らえるのにも兎を捕らえるのにも同じように全力を尽くすというたとえから、容易なことにも全力で取り組むことを表す。 - 鳶目兎耳(えんもくとじ):
鳶のようによく見える目と、兎のようによく聞こえる耳。
それを備えた新聞記者などの報道関係者をいう。
英語圏における兎の表現
- Down the rabbit hole:
不思議な世界へ入り込むことや、抜け出せない深みにはまること。 - Pull a rabbit out of the hat:
誰も思いつかなかったような、意外な解決策や奇策を突然提示すること。 - Caught like a rabbit in the headlights:
驚きや恐怖で頭が真っ白になり、身動きが取れなくなってしまう状態。
兎を「羽」と数える有名な説に、文献の裏付けはない
兎は、鳥と同じ「羽(わ)」で数えることがあります。
仏教の影響で獣肉食が忌避されていた時代、兎の長い耳を「鳥の羽」に見立てて鳥の一種とみなすことで食用を正当化した、という説が広く知られています。
ただしこの語源については文献上の確証はなく、民間で生まれた俗説とする見方が一般的です。
真偽はともかく、その逸話とともに「羽」という数え方が今日まで使われ続けています。
卯年は何年?西暦と和暦の早見表
| 年 | 干支(十干十二支) |
|---|---|
| 1951年(昭和26年) | 辛卯(かのとう) |
| 1963年(昭和38年) | 癸卯(みずのとう) |
| 1975年(昭和50年) | 乙卯(きのとう) |
| 1987年(昭和62年) | 丁卯(ひのとう) |
| 1999年(平成11年) | 己卯(つちのとう) |
| 2011年(平成23年) | 辛卯(かのとう) |
| 2023年(令和5年) | 癸卯(みずのとう) |
| 2035年(令和17年(予定)) | 乙卯(きのとう) |
| 2047年(令和29年(予定)) | 丁卯(ひのとう) |
| 2059年(令和41年(予定)) | 己卯(つちのとう) |
| 2071年(令和53年(予定)) | 辛卯(かのとう) |
| 2083年(令和65年(予定)) | 癸卯(みずのとう) |
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