四字熟語 故事成語

厚顔無恥

(こうがんむち)

極めて図々しく自分の言動を少しも恥じないこと。

異形:無恥厚顔

6文字の言葉 / 「こ・ご」から始まる言葉
厚顔無恥 ことば
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意味

「厚顔無恥(こうがんむち)」とは、恥ずかしさをまるで感じることなく、平然と図々しくふるまう様子という意味です。

  • 厚顔:面の皮が厚いこと。転じて、図々しいこと。
  • 無恥:恥を知らないこと。

語源・由来

「厚顔無恥」は、「厚顔(こうがん)」と「無恥(むち)」という、いずれも中国の古典に見られる言葉が組み合わさってできた四字熟語です。

どちらの語も『詩経』などに例があり、古くから他者を顧みない厚かましい人物を非難する文脈で使われてきました。

使い方・例文

「厚顔無恥」は、常識外れな行動や発言をし、周囲に迷惑をかけても全く反省しない人物を非難する場面で使われます。

  • 大きな失敗をしたのに反省しないとは、厚顔無恥も甚だしい。
  • 自分のミスを他人のせいにする、彼の厚顔無恥な態度に呆れる。
  • 順番を無視して割り込む、厚顔無恥な振る舞いは許されない。
  • 嘘がばれても平然としている厚顔無恥な人物には関わらない。

誤用と漢字の注意点

「厚顔無恥」の「無恥」を、知識がないことを意味する「無知」と書くのは誤りです。

この四字熟語は「恥を知らないこと」を表すため、必ず「無恥」と表記します。
パソコンやスマートフォンでの変換ミスによる誤記が多いため、注意が必要です。

類義語・関連語

「厚顔無恥」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 鉄面皮(てつめんぴ):
    鉄のように厚い面の皮にたとえて、恥知らずで図々しいことを言います。
  • 破廉恥(はれんち):
    道徳を重んじず、恥を恥とも思わないことを表します。
  • 傍若無人(ぼうじゃくぶじん):
    他人の迷惑を顧みず、自分勝手に振る舞うことを指します。

対義語

「厚顔無恥」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 小心翼翼(しょうしんよくよく):
    気が小さく、常にびくびくして慎重な様子を表します。
  • 遠慮会釈(えんりょえしゃく):
    他人の気持ちを思いやり、控えめに振る舞うという意味です。

英語表現

shameless

「恥知らずな」「厚かましい」という意味の、一般的な表現です。

His shameless behavior shocked everyone in the room.
(彼の厚顔無恥な振る舞いは、部屋にいる全員を驚かせた。)

brazen

「厚かましい」「ずうずうしい」という意味の表現です。

She told a brazen lie without any hesitation.
(彼女は一切ためらうことなく、厚顔無恥な嘘をついた。)

『文選』の「厚顔」「無恥」は、人ではなく香草が主語

「厚顔」と「無恥」の二語は、南朝斉の文人・孔稚珪こうちけいが書いた「北山移文ほくざんいぶん」(= 北山の名で出した布告文)の一文に、並んで登場します。
この文章は『文選もんぜん』(= 南朝梁の時代に編まれた詩文集)に収められています。
山で隠者として暮らしていた周顒しゅうぎょうが県の長官となって山を下り、のちにまた山へ立ち寄ろうとしたのを、山の側が断るという体裁の文章です。

問題の一文は「豈可使芳杜厚顔、薜荔無恥」で、「厚顔」「無恥」の主語は人ではなく、芳杜ほうと・薜荔へいれいという山の香草です。
唐代に付けられた『文選もんぜん』の注は、この箇所を、香草に恥じ入る思いを抱かせたまま彼と顔を合わせさせるわけにはいかない、という意味に解しています。
後の『古文観止こぶんかんし』などでは「無恥」の部分が「蒙恥」(= 恥をこうむる)となっています。
唐代の注の読みに従えば、ここでの二語は、今の「恥知らず」とは違い、恥をかかされる側の様子を表していたことになります。

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