【特集】「礼儀」に関することわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語
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礼儀」は、円滑な人間関係を築き、社会生活を営む上で欠かせない要素です。
日本語には、この礼儀の大切さ、そのあり方、あるいは礼儀を欠いた態度を戒める多くの言葉が存在します。

古くから伝わるこれらの表現は、現代社会においてもコミュニケーションの指針となる知恵を含んでいます。

「礼儀」に関連する言葉

「礼儀」に関連する、主なことわざ、慣用句、四字熟語、故事成語などを紹介します。

ことわざ

  • 親しき仲にも礼儀あり(したしきなかにもれいぎあり)
    どんなに親しい間柄であっても、守るべき礼儀があり、それを欠くと人間関係がうまくいかなくなるという戒め。家族や友人関係でも節度ある態度が大切。
  • 礼も過ぎれば無礼になる(れいもすぎればぶれいになる)
    礼儀も度を越して丁寧すぎると、かえって相手に対して失礼になるということ。過度な謙遜や堅苦しさは、相手を不快にさせることもある。
  • 礼に始まり礼に終わる(れいにはじまりれいにおわる)
    武道などで、動作の始めと終わりには必ず礼を行うべきであるということ。礼儀作法を最初から最後まで重んじる姿勢を表す。
  • 実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな)
    稲が実を結ぶほど穂が垂れ下がるように、人間も学識や徳が深まるほど謙虚になるものだという教え。
  • 出る杭は打たれる(でるくいはうたれる)
    目立つ者は他人から非難されたり攻撃されたりしやすいということ。礼儀として謙虚さや控えめさが求められる文化を反映する。

慣用句

  • 頭が低い(あたまがひくい)
    他人に対して謙虚で、丁寧であるさま。礼儀正しい態度の表れ。
  • 腰が低い(こしがひくい)
    謙虚で人当たりが柔らかく、相手に対して丁寧な態度で接するさま。
  • 襟を正す(えりをただす)
    服装の乱れを直すことから転じて、気持ちを引き締め、真面目で敬意のある態度をとること。
  • 折り目正しい(おりめただしい)
    態度や行動がきちんとしていて、礼儀正しいさま。礼節をわきまえている人を表す。
  • 頭を下げる(あたまをさげる)
    感謝、謝罪、依頼などの際に、敬意を表してお辞儀をすること。礼儀の基本動作。
  • 礼を尽くす(れいをつくす)
    できる限りの丁寧さで相手に接すること。心からの敬意を行動で示す。
  • 礼を失する(れいをしっする)
    礼儀を欠くこと、失礼な態度をとること。
  • 顔を立てる(かおをたてる)
    相手の名誉や体面を保つように配慮すること。相手への敬意を示す行動。
  • 礼儀知らず(れいぎしらず)
    守るべき礼儀作法をわきまえていないこと。また、その人。
  • 無礼講(ぶれいこう)
    堅苦しい礼儀作法を抜きにして、身分や地位にとらわれずに行う宴会や集まり。
  • 上から目線(うえからめせん)
    相手よりも自分の方が上だという態度で、人を見下すように振る舞うこと。礼儀に欠ける態度。
  • 笠に着る(かさにきる)
    権力や地位のある人の力を背景にして、威張ること。礼儀に反する高圧的な態度のたとえ。
  • 鼻にかける(はなにかける)
    自慢して、得意そうな態度をとること。謙虚さや礼儀に欠けるさま。

四字熟語

  • 温厚篤実(おんこうとくじつ)
    人柄が穏やかで、情に厚く誠実であるさま。礼儀正しい人格を表す。
  • 恭倹温厚(きょうけんおんこう)
    うやうやしく(恭)、つつましく(倹)、穏やかで(温)、情け深い(厚)こと。礼儀正しい人の理想像。
  • 謙遜謙譲(けんそんけんじょう)
    控えめで、自分を低くして相手に譲る態度であること。礼儀の根本にある謙虚さを表す。
  • 慇懃無礼(いんぎんぶれい)
    表面上は非常に丁寧で礼儀正しく見えるが、内心では相手を見下し、実質的には無礼であること。形だけの礼儀を戒める言葉。
  • 傲岸不遜(ごうがんふそん)
    おごり高ぶり、人を見下した態度で、全く謙虚さがないさま。礼儀に最も反する態度。
  • 厚顔無恥(こうがんむち)
    非常に厚かましく、恥ずかしいと思う心がないこと。礼儀を欠いた恥知らずな様子。
  • 傍若無人(ぼうじゃくぶじん)
    そばに人がいないかのように、他人のことを気にせず、自分勝手に振る舞うこと。礼儀知らずの典型。
  • 唯我独尊(ゆいがどくそん)
    この世で自分だけが優れていると自惚れること。本来は仏教用語だが、現代では傲慢な態度を指す。
  • 礼節廉恥(れいせつれんち)
    礼儀と節度、清廉さと恥を知る心。社会秩序を保つ四つの徳目。

故事成語

  • 衣食足りて礼節を知る(いしょくたりてれいせつをしる)
    『管子』牧民篇に由来。衣服や食べ物が十分にあって初めて、人は礼儀や節度をわきまえるようになるということ。生活の安定が礼儀の基盤であることを示す。
  • 三顧の礼(さんこのれい)
    『三国志』に由来。劉備が諸葛亮を軍師に迎えるため、三度も草庵を訪ねたという故事から、目上の人が目下の優れた人物を招くために、何度も足を運び礼を尽くすこと。人材を重んじる姿勢。
  • 克己復礼(こっきふくれい)
    『論語』顔淵篇に由来。自分の私欲やわがままに打ち勝ち、礼儀作法にかなった言動に戻ること。孔子が説いた仁の実践法。
  • 敬して遠ざく(けいしてとおざく)
    『論語』に由来。表面上は敬意を払うが、実際には親しく交わらず距離を置くこと。形式的な礼儀を保ちつつ、深入りしない態度。
  • 温良恭倹譲(おんりょうきょうけんじょう)
    温和で、素直で、うやうやしく、つつましく、へりくだる徳を備えていること。儒教における理想的な人格。

まとめ – 礼儀に関連する言葉を学ぶ

「礼儀」に関する言葉には、「親しき仲にも礼儀あり」のようにその必要性を説くもの、「慇懃無礼」のようにうわべだけの礼儀を戒めるもの、そして「傍若無人」のように礼儀を欠いた態度を非難するものなど、多様な視点が含まれています。

これらの言葉は、礼儀が単なる形式ではなく、他者を尊重する「心」と、それを表す「行動」の両方から成り立っていることを示しています。真の礼儀とは、相手への思いやりと敬意を、適切な言葉と態度で表現することなのです。

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