ことわざ 慣用句

一月往ぬる二月逃げる三月去る

(いちげついぬるにげつにげるさんげつさる)

1月から3月までは行事が多く、非常に早く過ぎ去ることの例え。

異形:一月は行く、二月は逃げる、三月は去る/正・二・三月は行く・逃げる・去る

19文字の言葉 / 「い」から始まる言葉
一月往ぬる二月逃げる三月去る ことば
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意味

「一月往ぬる二月逃げる三月去る(いちげついぬるにげつにげるさんげつさる)」とは、一月から三月までの三ヶ月間は、行事などが多くあっという間に過ぎ去ってしまうことの例えです。

それぞれの月の数字に、音が通じる動詞を組み合わせて構成されています。

  • 一月(いちげつ):正月行事などで慌ただしく「往ぬ(去る)」。
  • 二月(にげつ):日数が少なく、まるで「逃げる」ように過ぎる。
  • 三月(さんげつ):年度末の忙しさで、いつの間にか「去る」。

単に時間が早いと嘆くだけでなく、「この時期は油断しているとすぐに終わってしまうから、計画的に過ごしなさい」という教訓としても用いられます。

語源・由来

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」の由来は、リズム感のある言葉遊びにあります。
各月の数字の音に動きを表す動詞を重ねることで、時の流れの早さを印象的に表現したものです。

その構造は、数字の読み方に動詞を掛け合わせた「言葉遊び」に基づいています。

一月の「往ぬ(いぬ)」は「去る」「行ってしまう」を意味する古語です。
二月は他の月より日数が少ない(28日または29日)ため、物理的に早く終わることを「逃げる」という躍動感のある言葉で捉えています。
三月は、新生活への準備や年度の区切りで公私ともに忙殺されるため、気づかぬうちに「去る」と表現されました。

「一月は行く、二月は逃げる、三月は去る」という言い方もあります。

使い方・例文

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」は、時間が経つ早さを実感したときや、年度末の忙しさを自嘲気味に、あるいは相手を励ます文脈で使われます。

例文

  • もうバレンタインか。一月往ぬる二月逃げる三月去る、一月は一瞬だった。
  • 受験は目前だ。一月往ぬる二月逃げる三月去る、春まではあっという間だ。
  • 決算と新人受け入れの準備で、まさに一月往ぬる二月逃げる三月去るだ。
  • 一月往ぬる二月逃げる三月去る、三月の連休は早めに計画しよう。
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類義語・関連語

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」と似た意味を持つ言葉には、時間の不可逆性や速度を強調するものが多くあります。

  • 光陰矢の如し(こういんやのごとし):
    月日が過ぎ去るのが非常に早いことの例え。
  • 歳月人を待たず(さいげつひとをまたず):
    時間は人の都合に関係なく過ぎていくので、一刻も無駄にしてはならないということ。
  • 白駒の隙を過ぐるが如し(はっくのげきをすぐるがごとし):
    月日が過ぎるのが、白い馬が壁の隙間を走り抜けるのをチラリと見るように一瞬であること。
  • 一月は行く、二月は逃げる、三月は去る(いちがつはいく、にがつはにげる、さんがつはさる):
    本項の言葉のバリエーション。意味は全く同じ。

対義語

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」とは対照的に、時間が経つのを非常に遅く感じる様子を表す言葉です。

  • 一日千秋(いちじつせんしゅう):
    一日が千年も続くように感じられるほど、待ち遠しいこと。
  • 一日三秋(いちじつさんしゅう):
    「一日千秋」と同じく、一日会わないだけで三度の秋を過ごしたように長く感じられるほど、待ち遠しいこと。

英語表現

「一月往ぬる二月逃げる三月去る」を英語で表現する場合、時間の経過が速いことを示す言い回しが対応します。

Time flies

「光陰矢の如し」「時間は飛ぶように過ぎる」
時間の経過の早さを表す最も一般的な定型句です。

I can’t believe it’s almost spring. Time flies.
(もう春だなんて信じられない。時間は飛ぶように過ぎるものだ。)

Tempus fugit

「時は逃げ去る」
ラテン語由来の表現ですが、英語圏でも格言として非常に広く知られています。「二月逃げる」のニュアンスに非常に近い表現です。

Tempus fugit. We should prepare for the next fiscal year.
(時は逃げ去るもの。次の年度に向けて準備をすべきだ。)

一月往ぬる二月逃げる三月去る、二月だけは日数が短い

この言葉の中で最も「物理的な裏付け」があるのは二月です。
二月は他の月が30日や31日あるのに対し、28日(閏年は29日)しかありません。
他の月と比べて日数が少ないため、体感だけでなく実際にも早く終わります。

かつての農村では、一月は正月行事、二月は春の耕作準備、三月は春の訪れとともに本格的な農作業の開始と、生活のサイクルが劇的に変化する時期でした。
現代でも、学校の卒業や企業の決算など、社会的なシステムが一区切りつくタイミングがこの三ヶ月に凝縮されています。

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