意味
「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す(とらはししてかわをとどめひとはししてなをのこす)」とは、虎が死んだ後に立派な毛皮を残すように、人間も死後まで語り継がれるような立派な功名を打ち立てておきたいものであるという戒めです。
単に有名になることではなく、人として正しく生き、優れた足跡を刻むことの大切さを説いています。
- 虎は死して皮を留め:虎は死んでもその見事な皮が宝として残ること。
- 人は死して名を残す:人間も死後、その名声や徳が語り継がれるべきであること。
語源・由来
「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」の語源は、中国の歴史書『新五代史』の「王彦章伝」にあります。
五代十国時代の後梁の武将、王彦章の言葉として記されており、原文では「虎」ではなく「豹」です。
使い方・例文
自分の利益だけを追求するのではなく、社会や家族、後世のために何ができるかを考える場面で用いられます。
志の高さや、故人の立派な生涯を称える際にも適した表現です。
例文
- 祖父は地域の発展に尽くし、虎は死して皮を留め、人は死して名を残すを体現した。
- 虎は死して皮を留め、人は死して名を残すを胸に、誇れる仕事をしたい。
- 彼の教えは虎は死して皮を留め、人は死して名を残すのごとく生き続けている。
類義語・関連語
「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 名を竹帛に垂る(なをちくはくにたる):
歴史に名を永く残すこと。「竹帛」とは、紙が発明される前に文字を書いた竹や絹のこと。
対義語
「虎は死して皮を留め、人は死して名を残す」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 遺臭万載(いしゅうまんざい):
悪名がいつまでも後世に残ること。「芳名(良い名)」の反対。
虎は死して皮を留め、人は死して名を残すの原形は俚語
『新五代史』の王彦章伝は、この言葉を王彦章自身が作ったとは書いていません。
王彦章がいつも俚語として口にしていた言葉として、次のように記しています。
彥章武人不知書,常為俚語謂人曰:「豹死留皮,人死留名。」
(王彦章は武人で書物を知らず、いつも俗なことわざで人に「豹は死んで皮を残し、人は死んで名を残す」と言っていた)
俚語とは、その土地で日常的に使われる言い回しのことです。
書物を読まない将軍が、当時すでに人々の間にあったことわざを口にした場面として記録されました。
王彦章は後梁の武将で、敗れて後唐に捕らえられたのち、降伏を拒んで処刑されています。













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