ことわざ 慣用句

昨日の敵は今日の友

(きのうのてきはきょうのとも)

過去の敵と和解し、現在は親しい味方になること。

異形:昨日の敵は今日の味方

13文字の言葉 / 「き・ぎ」から始まる言葉
昨日の敵は今日の友 ことば
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意味

「昨日の敵は今日の友(きのうのてきはきょうのとも)」とは、昨日まで敵として争っていた相手が、状況の変化によって今日は信頼できる味方になるという意味です。

人間関係や社会情勢は常に移り変わり、永遠の敵も味方もいないことを説いています。
また、本気でぶつかり合った者同士だからこそ、互いの実力を認め合い、和解すれば強い絆で結ばれる、という前向きな面も持つ言葉です。

語源・由来

「昨日の敵は今日の友」と強く結びついているのが、日露戦争の旅順開城の後に乃木希典とステッセルが会見した場面を歌った唱歌「水師営の会見」です。
歌詞に「昨日の敵は今日の友」という一節があり、戦った相手を互いにたたえる場面が歌われています。

「昨日の敵は今日の友」は、事情が変われば敵も味方になるという、人の心や立場の移ろいやすさを表す言葉です。
向きを逆にした「昨日の友は今日の仇あだ」も同じ趣旨で、世の移り変わりの激しさをたとえた「昨日の淵は今日の瀬(きのうのふちはきょうのせ)」とも意味が近い言葉です。

使い方・例文

「昨日の敵は今日の友」は、ライバル関係にあった者同士が和解する場面や、共通の目的のために手を取り合う状況で使われます。

かつて競い合ったスポーツの対戦相手と同じチームになったり、対立していた者同士が何かの行事をきっかけに協力したりする際によく用いられます。

例文

  • 試合では敵同士だったが、卒業後は同じ職場だ。昨日の敵は今日の友である。
  • 意見がぶつかっていた相手が今では一番の相談相手だ。昨日の敵は今日の友だ。
  • 選挙で争った候補者同士が協力関係を築いた。まさに昨日の敵は今日の友だ。

類義語・関連語

「昨日の敵は今日の友」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 呉越同舟(ごえつどうしゅう):
    仲の悪い者同士が、同じ場所に居合わせたり、共通の困難に対して協力し合ったりすること。
  • 雨降って地固まる(あめふってじかためる):
    揉め事や争いが起こった後は、かえって以前よりも良い状態になり、基礎が固まること。
  • 昨日の淵は今日の瀬(きのうのふちはきょうのせ):
    世の中の移り変わりが非常に激しく、とどまることがないことの例え。
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対義語

「昨日の敵は今日の友」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 不倶戴天(ふぐたいてん):
    共にこの空の下に生きることはできないと思うほど、深く恨んでいること。
  • 昨日の味方は今日の敵(きのうのみかたはきょうのてき):
    昨日まで味方だった者が、今日は敵に回ってしまうこと。状況の急変や裏切りを指す。

英語表現

「昨日の敵は今日の友」を英語で表現する場合、以下のようなフレーズがあります。

Yesterday’s enemy is today’s friend

意味:昨日の敵は今日の友
日本語と全く同じ構造を持ち、状況の変化による和解を端的に表す英語のことわざです。

The outcome of the peace talks shows that yesterday’s enemy is today’s friend.
(和平交渉の結果は、昨日の敵が今日の友であることを示している。)

Today’s enemies are tomorrow’s friends

意味:今日の敵は明日の友
現在の対立も、将来的には友情に変わり得るという希望的なニュアンスを含む表現です。

Don’t be too harsh on your rivals; today’s enemies are tomorrow’s friends.
(ライバルにあまり厳しくしすぎるな。今日の敵は明日の友かもしれないのだから。)

唱歌「水師営の会見」にある「昨日の敵は今日の友」

この言い回しが広く知られるようになったきっかけの一つに、文部省唱歌の「水師営の会見」(1910年)があります。
佐佐木信綱の作詞、岡野貞一の作曲で、尋常小学読本唱歌に収められました。

日露戦争の旅順開城にあたり、1905年1月5日に乃木希典とステッセルが水師営の民家で会見した場面を歌ったものです。
その歌詞のなかに「昨日の敵は今日の友」という一節が置かれています。
戦った相手を互いに讃え合う場面と結びついて、この言葉は学校でも歌われるようになりました。

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