動物(哺乳類)に関係する有名なことわざ・慣用句の一覧
古くから人々と共に生きてきた犬や猫、そして様々な動物たち。
その姿や習性は、多くのことわざ、慣用句、故事成語、四字熟語となり、私たちの言葉を豊かに彩ってきました。
本記事では、そんな動物たちにまつわる言葉を、動物の種類別に分類し、意味とともにご紹介します。
猫のことば
「猫」に関することわざ
- 窮鼠猫を噛む(きゅうそねこをかむ):
追い詰められた弱い者も、必死になれば強い者に反撃することがある。 - 猫を追うより魚をのけよ(ねこをおうよりさかなをのけよ):
問題の根本原因を取り除くことが大切であるというたとえ。
「猫」に関する慣用句
- 猫に小判(ねこにこばん):
価値の分からない人に貴重なものを与えても無駄なこと。 - 猫の手も借りたい(ねこのてもかりたい):
非常に忙しく、どんな助けでもほしい状況のこと。 - 猫も杓子も(ねこもしゃくしも):
誰も彼もみんな。区別なく誰もが。 - 猫の目のように変わる(ねこのめのようにかわる):
状況や考えなどが目まぐるしく変わりやすいこと。 - 鰹節を猫に預ける(かつおぶしをねこにあずける):
危険な状況を自ら作ること。油断ならない相手に任せること。「猫に魚の番」類。 - 猫に魚の番(ねこにさかなのばん):
油断できない状況や、危険な人に物事を任せること。 - 猫の額(ねこのひたい):
土地や場所が非常に狭いことのたとえ。 - 猫を被る(ねこをかぶる):
本性を隠し、おとなしそうに、または知らないふりをすること。 - 猫可愛がり(ねこかわいがり):
むやみに甘やかすこと。特に子供や孫などを盲愛するさま。 - 猫なで声(ねこなでごえ):
人の機嫌を取ろうとするような、甘えた優しい声。 - 猫舌(ねこじた):
熱い食べ物や飲み物が苦手なこと。また、その人。
犬のことば
「犬」に関することわざ
- 犬も歩けば棒に当たる:
何か行動すれば、思いがけない幸運(または災難)に出会うこと。 - 飼い犬に手を噛まれる:
日頃から信頼していた人に裏切られたり、害を受けたりすること。 - 犬に論語:
道理の分からない人に何を教えても無駄であること。「馬の耳に念仏」類。 - 犬骨折って鷹の餌食(いぬほねおって たかのえじき):
苦労して得たものを、他人に横取りされてしまうこと。 - 蜀犬日に吠ゆ(しょくけんひにほゆ):
見識の狭い人が、自分には理解できない優れた人物や言行を非難すること。(蜀の国では太陽が珍しく、犬が日に吠えた故事から)
「犬」に関する慣用句
- 犬猿の仲:
非常に仲が悪い関係のこと。 - 犬馬の労(けんばのろう):
主君や目上の人のために力を尽くして働くこと。自分の労力をへりくだって言う語。 - 犬死に:
何の名誉や価値もなく、むなしく死ぬこと。
「犬」に関する故事成語
- 犬兎の争い(けんとのあらそい):
当事者同士が無益な争いをし、第三者に利益を奪われること。「漁夫の利」類。
猿のことば
「猿」に関することわざ
- 猿も木から落ちる:
その道の達人でも時には失敗することがあるというたとえ。「弘法にも筆の誤り」。 - 見ざる聞かざる言わざる(みざるきかざるいわざる):
自分に都合の悪いことや余計なことは、見たり聞いたり言ったりしない方が良いという処世術。(日光東照宮の三猿が有名)
「猿」に関する慣用句
- 犬猿の仲:
非常に仲が悪い関係のこと。 - 猿芝居:
見え透いた、浅はかなたくらみやごまかしのこと。 - 猿真似:
深く考えずに、ただ表面だけ人の真似をすること。 - 猿知恵:
浅はかで、その場しのぎの知恵のこと。
豚のことば
「豚」に関することわざ
- 豚に真珠:
価値の分からない人に貴重なものを与えても無意味であること。「猫に小判」類。 - 豚もおだてりゃ木に登る:
おだてられると、能力以上のことでもやろうとする気になることのたとえ。
馬のことば
「馬」に関することわざ
- 馬の耳に念仏:
いくら意見や忠告をしても、全く聞き入れようとしないこと。「犬に論語」類。 - 馬には乗ってみよ人には添うてみよ(うまにはのってみよひとにはそうてみよ):
何事も自分で直接経験してみなければ、本当のことは分からないというたとえ。 - 馬子にも衣装(まごにもいしょう):
誰でも身なりを整えれば立派に見えるということ。 - 千里の馬(せんりのうま):
一日に千里も走る優れた馬。転じて、非常に優れた才能を持つ人物。 - 老馬の知(ろうばのち):
経験を積んだ者の知識や知恵は貴重で、尊重すべきであること。(道に迷った斉軍を老いた馬が導いた故事から)
「馬」に関する慣用句
- 馬脚を露わす(ばきゃくをあらわす):
隠していた本性や悪事がばれること。「化けの皮がはがれる」。 - 生き馬の目を抜く:
非常にすばしこく、油断も隙もない様子。また、そのような人が多い世の中。 - 天馬空を行く(てんまそらをゆく):
才能や発想が、常識にとらわれず自由奔放であるさま。 - 馬が合う:
相手と気心がよく合うこと。意気投合すること。
牛のことば
「牛」に関することわざ
- 牛に引かれて善光寺参り(うしにひかれてぜんこうじまいり):
思わぬことがきっかけで、良い方向に導かれることのたとえ。 - 牛の歩み(うしのあゆみ):
進み方が非常に遅いことのたとえ。牛歩。
「牛」に関する慣用句
- 牛耳る(ぎゅうじる):
団体や組織の中心となって、全体を支配し、思い通りに動かすこと。(古代中国の同盟の儀式から)
「牛」に関する故事成語
- 九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう):
多くの牛の中の一本の毛のように、非常に多くのものの中の、きわめてわずかな部分。取るに足らないこと。 - 汗牛充棟(かんぎゅうじゅうとう):
引かせた牛が汗をかくほど重く、家に積めば棟木まで届くほど、蔵書が非常に多いこと。
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