行動を起こすことで、思いがけないトラブルに巻き込まれたり、反対に予期せぬ幸運に巡り合ったりすることがあります。このような行動に伴う不測の結果を表すのが、「犬も歩けば棒に当たる」(いぬもあるけばぼうにあたる)です。
意味
犬も歩けば棒に当たるは、何か行動を起こせば、思いがけない災難に遭う、または予期せぬ幸運に出会うという意味です。
出しゃばった真似をして被害を受けるという「戒め」と、じっとしていないで動けばチャンスを掴めるという「励まし」の、相反する二つのニュアンスを持っています。
語源・由来
江戸時代、町中にあふれていた野良犬がうろついていると、人間に疎まれて棒で叩かれることが多かったという当時の日常的な光景が由来とされています。不用意に出歩くと思いがけない災難に遭うという事実に基づき生まれた言葉です。
使い方・例文
「犬も歩けば棒に当たる」は、自分から進んで行動した結果、予想外の出来事が起きたという場面で使われます。
- 散歩中に旧友と再会し、まさに犬も歩けば棒に当たるだ。
- 余計な口出しで厄介事に巻き込まれ、犬も歩けば棒に当たるを経験する。
- 立ち寄った店で掘り出し物を見つけ、犬も歩けば棒に当たると喜ぶ。
類義語・関連語
「犬も歩けば棒に当たる」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 歩く足には泥がつく(あるくあしにはどろがつく):
行動を起こせば、必ず何かしらの災難や不利益を被ることのたとえ。 - 怪我の功名(けがのこうみょう):
失敗や何気なくした行動が、偶然にも良い結果をもたらす事象。 - 瓢箪から駒(ひょうたんからこま):
冗談で言ったことや、思いもよらないところから意外な事実が出現する様子。
対義語
「犬も歩けば棒に当たる」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 待てば海路の日和あり(まてばかいろのひよりあり):
今は状況が悪くとも、焦らずにじっと待っていれば必ず良い機会が巡ってくるという教え。 - 果報は寝て待て(かほうはねてまて):
幸運は人間の力でどうにかなるものではないため、焦らず静かに時期を待つべきだという考え。 - 触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし):
余計な手出しや関わりを持たなければ、災難を招くこともないという教訓。
英語表現
Even a blind squirrel finds a nut once in a while
意味:行動を続けていれば偶然の幸運に巡り合うことがあるというたとえ
- 例文:
I didn’t expect to win the raffle, but even a blind squirrel finds a nut once in a while.
福引きに当たるとは思わなかったけれど、犬も歩けば棒に当たるですね。
Nothing ventured, nothing gained
直訳:何も危険を冒さなければ、何も得られない
意味:行動を起こさなければ良い結果も得られないという真理
- 例文:
I wasn’t sure about attending the event, but nothing ventured, nothing gained.
イベントに参加するか迷っていましたが、犬も歩けば棒に当たると思い切りました。
「当たる」の意味が、ことわざを変えた
江戸時代の当初、この言葉は「出しゃばると災難に遭う」という戒めでした。
ところが時代が下るにつれ、「棒に当たる」の「当たる」が富くじの「当たり」と結びつくようになります。
同じ一語が、災難とも幸運とも読めてしまう。
そのあいまいさが解釈の扉を開き、「動けば思わぬ幸運に巡り合う」という意味が自然に育っていきました。現代では、むしろこちらの意味で使われる場面の方が多くなっています。







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