待てば海路の日和あり

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ことわざ
待てば海路の日和あり
(まてばかいろのひよりあり)
短縮形:待てば海路

12文字の言葉」から始まる言葉

何度も不採用通知を受け取り、自分の才能に限界を感じて机に突っ伏してしまう。
そんな出口の見えない暗闇の中にいても、窓の外では季節が巡り、やがて嵐が去って柔らかな光が差し込み始めます。
焦って無理に動こうとせず、時が満ちるのをじっと堪え忍ぶ。
そんな心の在り方を、「待てば海路の日和あり」(まてばかいろのひよりあり)と言います。

意味・教訓

「待てば海路の日和あり」とは、今は状況が悪く思うようにいかなくても、焦らずに待っていればやがて幸運や好機が巡ってくる、という教訓です。

「海路」は船の通り道(航路)を指し、「日和」は空模様、特に航海に適した穏やかな天気を意味します。
荒れ狂う海を前にしては人間の力など無力ですが、天候が変わるのを静かに待てば、必ず安全に船を出せる日が来るという自然の理を人生に重ねています。

語源・由来

「待てば海路の日和あり」の語源は、古くからの船乗りたちの経験則にあります。

かつての航海は現代よりもはるかに天候に左右され、一度海が荒れれば(時化れば)、ただ港で波が収まるのを待つしかありませんでした。
自然の驚威を熟知していた彼らは、無理に波に抗うことの危険さと、じっと待つことで必ず道が開けることを知っていたのです。

特定の文学作品が出典ではなく、人々の生活の知恵が言葉として定着しました。
なお、『江戸いろはかるた』の読み札として採用されたことで、日本全国に広く知れ渡ることとなりました。

使い方・例文

現状が停滞している時や、不運が続いている人を励ます場面でよく使われます。
また、自分自身の焦りを抑え、冷静さを取り戻そうとする際の自戒としても有効です。

例文

  • 第一志望の大学に落ちて落ち込んでいたが、「待てば海路の日和あり」と信じて浪人生活を送り、翌年さらに良い縁に恵まれた。
  • 丹精込めて育てている庭のバラがなかなか咲かないが、「待てば海路の日和あり」だ。焦らずに水やりを続けよう。
  • 「今は新商品の売れ行きが鈍いけれど、必ず追い風が吹くはずだ。待てば海路の日和ありと言うから、今は地道に販路を広げよう」と部長が活を入れた。

誤用・注意点

この言葉は、単に「何もしないでサボる」ことを肯定するものではありません。
あくまで「人事を尽くした上で、自分の力ではどうにもできない状況(天候や運気など)が変わるのを待つ」というニュアンスが含まれます。
自分の過失で状況が悪化している場合に使うと、責任転嫁のように聞こえる恐れがあるため注意が必要です。

類義語・関連語

「待てば海路の日和あり」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 果報は寝て待て(かほうはねてまて):
    幸運は人間の力で制御できるものではないから、焦らずに時機を待つのが良いということ。
  • 石の上にも三年(いしのうえにもさんねん):
    どんなにつらくても辛抱強く続ければ、いつかは報われるということ。
  • 人事を尽くして天命を待つ(じんじをつくしててんめいをまつ):
    自分にできる限りの努力をしたら、あとは結果を運命に任せて静かに待つこと。

対義語

「待てば海路の日和あり」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。

  • 善は急げ(ぜんはいそげ):
    良いと思ったことは、ためらわずにすぐ実行すべきであること。
  • 思い立ったが吉日(おもいたったがきちじつ):
    何かをしようと思ったら、その日を吉日としてすぐに始めるのが良い。
  • 機を見るに敏(きをみるにびん):
    状況の変化や好機を素早く見抜いて、すぐに行動に移すこと。

英語表現

「待てば海路の日和あり」を英語で表現する場合、以下の定型句が使われます。

Everything comes to him who waits.

  • 意味:「待つ者には、すべてがやってくる」
  • 解説:粘り強く待つことができれば、最終的には望む結果が得られるという意味で、日本語のニュアンスに最も近い表現です。
  • 例文:
    Don’t give up on your dream. Everything comes to him who waits.
    (夢を諦めないで。待てば海路の日和ありと言うでしょう。)

Patience is a virtue.

  • 意味:「忍耐は美徳である」
  • 解説:状況が変わるのを耐え忍ぶことそのものを高く評価する格言です。

まとめ

人生には、どれほど努力を重ねても、逆風が強すぎて一歩も前に進めない時期があるものです。
しかし、どんなに長い嵐であっても、永遠に吹き続けることはありません。

「待つ」という行為は、決して停滞ではありません。
来るべき好機に向けて、静かに力を蓄え、心を整えるための大切なプロセスです。
今はただ、明けない夜はないと信じて、穏やかな風が吹くその時を待つ余裕を持ちたいものです。

そのようなしなやかな強さを持つことで、運命の荒波も乗り越えていけることでしょう。

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