ことわざ 慣用句

歩く足には泥がつく

(あるくあしにはどろがつく)

物事を行えば、わずらわしいことや面倒な関わりが起きるのは避けられないということ。

異形:歩けば泥がつく

12文字の言葉 / 「あ」から始まる言葉
歩く足には泥がつく ことば
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意味

「歩く足には泥がつく(あるくあしにはどろがつく)」とは、物事を行えば、わずらわしいことが起きたり、面倒な関わりを持たなければならなくなったりするのは避けられないという意味です。

使われ方は二通りあります。
ひとつは「だから何もせずにじっとしているのがよい」という消極的な意味、もうひとつは「何事にも少々の災難はつきものだ」という意味です。

語源・由来

「歩く足には泥がつく」の由来は、未舗装の道を歩くという日常的な光景にあります。

かつて道が整備されていなかった時代、目的地へ向かって歩けば、どれほど注意を払っていても足元に泥が跳ね、着物や履物が汚れてしまうのは当たり前のことでした。
外に一歩踏み出せば必ず足に泥がつくことを、物事を行えば煩わしいことが付いてまわることにたとえた言葉です。

使い方・例文

「歩く足には泥がつく」は、何かを始めれば面倒が起きるから手を出さずにおこうと言う場面や、行動に伴う多少の面倒や災難は仕方がないと受け止める場面で用いられます。

例文

  • 斬新な企画を提案して反対派から叩かれたが、「歩く足には泥がつく」ものだと腹をくくっている。
  • 「歩く足には泥がつくというから、町内会の役員は引き受けずにおこう」と父は言った。
  • 店を広げれば取引先との付き合いも増える。「歩く足には泥がつく」もので、多少の面倒は覚悟のうえだ。
  • 地域活動を始めれば摩擦も起きるだろうが、「歩く足には泥がつく」と割り切って一歩を踏み出そう。

誤用・注意点

この言葉は、行動した人をたたえたり、失敗を「前進している証拠」と励ましたりする言葉ではありません。
何かをすれば煩わしいことが起きるという意味で、「だから何もせずにいるほうがよい」と控えめな態度を勧める場面でも使われます。

また、「犬も歩けば棒に当たる」は、行動すれば思わぬ災難に遭うという意味では「歩く足には泥がつく」と同じ趣旨の類句です。
ただし「犬も歩けば棒に当たる」には、行動すれば思わぬ幸運に出会うという意味もあり、この意味は「歩く足には泥がつく」にはありません。

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類義語・関連語

「歩く足には泥がつく」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 歩く足には塵が付く(あるくあしにはちりがつく):
    「泥」を「塵」にした形で、意味は「歩く足には泥がつく」と同じです。
  • 歩けば泥がつく(あるけばどろがつく):
    「歩く足には泥がつく」の短縮形で、意味は全く同じです。
  • 出る杭は打たれる(でるくいはうたれる):
    才覚を現す者や目立った行動をする者は、他から憎まれたり妨げられたりすることの例えです。
  • 触らぬ神に祟りなし(さわらぬかみにたたりなし):
    物事に関わり合わなければ、災いを招くこともない。余計な手出しをしない方が賢明であるという意味です。

英語表現

「歩く足には泥がつく」を英語で表現する場合、失敗やリスクの不可避さを説く以下の定型句が使われます。

He who makes no mistakes makes nothing

意味:「間違いを犯さない者は、何も作り出さない」
解説:物事を行えば失敗はつきものだと説く表現。

Don’t be discouraged by your error; he who makes no mistakes makes nothing.
(ミスをして落ち込むな。何もしない者は、何も成し遂げられないのだから。)

You can’t make an omelet without breaking eggs

意味:「卵を割らずにオムレツを作ることはできない」
解説:目的を達成するためには、多少の犠牲、混乱、あるいは「汚れ」は避けられないことを示す非常に一般的な比喩です。

There’s some criticism of the new system, but you can’t make an omelet without breaking eggs.
(新システムへの批判はあるが、変化に摩擦はつきものだ。)

土の街道では歩く足には泥がつくのが当たり前だった

「歩く足には泥がつく」という言葉には、かつての日本の路面状況が色濃く反映されています。

明治時代以前、街道の多くは土の道でした。
雨上がりはもちろん、晴れていても湿った場所があれば、着物の裾に泥が跳ねるのを防ぐことは困難でした。
そのため、旅人や町人は「泥がつく」ことを前提に、着物の裾を高く上げたりして工夫していました。

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