ロシアのことわざ(Пословицы – Poslovitsy)は、広大な国土と厳しい自然、そして歴史の変遷の中で育まれた人々の知恵と経験を映し出しています。
これらには、忍耐強さ、共同体意識、運命に対する独特の見方、そして素朴で力強い生活感覚が表現されています。
本記事では、ロシアで広く知られている30の有名なことわざを紹介し、その意味や背景を解説します。
ロシア文化への理解を深める手がかりとしてご活用ください。
ロシアのことわざの特徴
ロシアのことわざには、以下のような特徴が見られることがあります。
- 自然との結びつき:
厳しい気候や広大な自然(森、川、動物など)が、比喩として頻繁に用いられます。 - 集団主義と個人:
農村共同体(ミール)の伝統などから、集団での協力や相互扶助を重んじる言葉がある一方、個人の力や運命に対する達観を示す言葉も見られます。 - 忍耐と運命観:
厳しい環境や歴史的背景から、忍耐強さを説くことわざや、「なるようになる」といった運命観(アヴォーシ(авось)精神に通じる部分も)が表れることがあります。 - 実用性と教訓: 日常生活や労働に根ざした、実践的な教訓が多く含まれます。
- 簡潔さとリズム:
口承で伝えられてきたものが多く、覚えやすくリズミカルな表現が特徴的です。
人生・運命についてのことわざ
人生のあり方、運命との向き合い方、そして人間の性質についての洞察が含まれることわざ。
人生百年、学びも百年
Век живи — век учись.
(Vek zhivi — vek uchis’)
- 日本語訳:
一世紀生きよ、一世紀学べ。 - 日本の言い回し:
生涯学習 / 学びに終わりなし - 意味:
人は一生を通じて学び続けるべきである。学ぶことに終わりはない。 - 使い方:
生涯学習の重要性を説く時や、新しいことを学ぶのに年齢は関係ない、と励ます時に使います。 - 由来/文化的背景:
知識や学習を尊重する姿勢を示すことわざ。変化の激しい時代においても、常に学び続けることの価値を伝えています。
蒔かぬ種は生えぬ
Что посеешь, то и пожнёшь.
(Chto poseyesh’, to i pozhnyosh’)
- 日本語訳:
あなたが蒔いたものを、あなたは刈り取るだろう。 - 日本のことわざ:
因果応報 / 自業自得 / 蒔かぬ種は生えぬ - 意味:
自分の行いの結果は、良くも悪くも自分自身に返ってくる。原因があって結果がある。 - 使い方:
努力が報われることを示す時や、悪い行いが招く結果について警告する時に使われます。 - 由来/文化的背景:
農耕民族の経験則に基づいた普遍的な法則。聖書にも類似の表現が見られます。行いに対する責任を説いています。
神頼みだけでなく自らも動け
На Бога надейся, а сам не плошай.
(Na Boga nadeysya, a sam ne ploshay)
- 日本語訳:
神に希望を託せ、しかし自分自身もしくじるな(油断するな)。 - 日本のことわざ:
人事を尽くして天命を待つ - 意味:
神の助けを信じつつも、それに頼りきらず、自分自身でも最大限の努力や注意を怠ってはならない。 - 使い方:
信仰心と個人の努力・責任のバランスの重要性を説く時に使われます。 - 由来/文化的背景:
ロシア正教の信仰が根強い一方で、現実的な行動や自己責任を重んじる姿勢も示しています。
他力本願ではなく、自らの行動を促す言葉です。
愛は邪悪、山羊をも愛してしまう
Любовь зла, полюбишь и козла.
(Lyubov’ zla, polyubish’ i kozla)
- 日本語訳:
愛は邪悪だ、山羊(のようなろくでなし)さえも愛してしまうだろう。 - 日本のことわざ:
あばたもえくぼ / 恋は盲目 - 意味:
恋に落ちると、相手の欠点が見えなくなったり通常では考えられないような相手を好きになったりすることがある。愛の持つ不可解で強力な力。 - 使い方:
恋愛における盲目的な状態や意外な組み合わせのカップルについてユーモアや皮肉を込めて語る時に使われます。 - 由来/文化的背景:
愛の不可思議さや、時に理性を失わせる力をユーモラスかつ少し辛辣に表現したロシアらしいことわざです。
恐怖は目を大きくする
У страха глаза велики.
(U strakha glaza veliki)
- 日本語訳:
恐怖(を持つ者)の目は大きい。 - 日本のことわざ:
案ずるより産むが易し / 疑心暗鬼を生ず - 意味:
恐怖心にとらわれると、実際よりも物事を大げさに、恐ろしく感じてしまう。 - 使い方:
過度な心配や恐怖心を抱いている人に対して、落ち着くように諭したり、客観的な視点を促したりする時に使います。 - 由来/文化的背景:
恐怖という感情が人間の知覚に与える影響についての鋭い観察に基づいています。
真実は目に突き刺さる
Правда глаза колет.
(Pravda glaza kolet)
- 日本語訳:
真実は目を刺す。 - 日本の言い回し:
耳が痛い / 図星を指される - 意味:
自分にとって都合の悪い真実や、聞きたくない本当のことは、受け入れがたく、不快に感じるものだ。 - 使い方:
人が真実から目を背けたり、指摘されて不快感を示したりする状況を説明する時に使います。 - 由来/文化的背景:
真実が持つ、時に人を傷つける力についての洞察。自己欺瞞や現実逃避の心理を描写しています。
戦争は戦争の流儀で
На войне как на войне.
(Na voyne kak na voyne)
- 日本語訳:
戦争においては戦争のように(振る舞う)。 - 日本の言い回し:
非常時には常識は通用しない / ルール無用 - 意味:
厳しい状況や異常な状況下では、通常のルールや倫理観が通用しないことがある。
その状況に合わせた行動を取らざるを得ない。 - 使い方:
厳しい競争や困難な状況の中で、普段なら許されないような手段や行動が正当化される(あるいは、やむを得ないとされる)文脈で使われます。 - 由来/文化的背景:
戦争という極限状況を例にとり、状況が規範を決定するという現実主義的、あるいは運命論的な考え方を示しています。
トルストイの『戦争と平和』にも通じるテーマ性があります。
労働・知恵・学習についてのことわざ
ロシア人の労働観や、知識・学習に関する教訓が含まれることわざです。
労なくして池の魚も取れぬ
Без труда не вытащишь и рыбку из пруда.
(Bez truda ne vytashchish’ i rybku iz pruda)
- 日本語訳:
努力なしには、池から小さな魚一匹さえ引き出せない。 - 日本のことわざ:
労なくして益なし / 汗水流す - 意味:
どんなに些細なことであっても、成果を得るためには努力や苦労が必要である。 - 使い方:
努力の必要性を説く基本的な教訓として、子供にもよく教えられます。
楽して何かを得ようとする考えを戒めます。 - 由来/文化的背景:
農耕や漁労といった、自然から恵みを得るための労働に根ざした実感が込められています。
勤勉さを奨励する言葉です。
仕事は狼ではない、森へは逃げない
Работа не волк, в лес не убежит.
(Rabota ne volk, v les ne ubezhit)
- 日本語訳:
仕事は狼ではない、森へ逃げていきはしない。 - 意味:
仕事は(狼のように)どこかへ行ってしまうものではないのだから、急いで片付けなくても大丈夫だ。後でやればよい。 - 使い方:
仕事を急かされたり、仕事に追われたりしている状況で、「まあ、慌てずに」「後でやっても大丈夫さ」といったニュアンスでユーモラスあるいは開き直って使われることがあります。 - 由来/文化的背景:
勤勉さを奨励することわざが多い一方で、このような「急がなくてもいいさ」というニュアンスのことわざも存在するのがロシアらしいところ。
運命へのある種の達観(アヴォーシ精神)の表れとも解釈できます。
ゆっくり行けば、遠くまで行ける
Тише едешь, дальше будешь.
(Tishe yedesh’, dal’she budesh’)
- 日本語訳:
より静かに(ゆっくり)行けば、より遠くにいるだろう。 - 日本のことわざ:
急がば回れ / 念には念を入れよ - 意味:
物事を急いで進めるよりも、慎重に、着実に進めた方が、結局はより良い結果(遠くまで到達)につながる。 - 使い方:
焦って事を進めようとする人への戒めや、慎重さ、着実さの重要性を説く時に使います。
急げば人を笑わせる
Поспешишь — людей насмешишь.
(Pospeshish’ — lyudey nasmeshish’)
- 日本語訳:
急げば、人々を笑わせるだろう。 - 日本のことわざ:
急いては事を仕損じる - 意味:
慌てて物事を行うと、失敗したり、滑稽な間違いをしたりして、人々の笑いものになる。 - 使い方:
上記「Тише едешь…」と同様に、焦りや性急さを戒め、落ち着いて行動することの重要性を説く時に使います。 - 由来/文化的背景:
失敗をユーモラスに捉える視点が含まれています。慌てることのデメリットを分かりやすく示しています。
繰り返しは学習の母
Повторение — мать учения.
(Povtoreniye — mat’ ucheniya)
- 日本語訳:
反復は学習の母である。 - 日本の言い回し:
反復学習 / 繰り返し覚える - 意味:
物事を確実に身につけるためには、繰り返し学習し、練習することが最も重要である。 - 使い方:
学習や練習における反復の重要性を強調する時に使われます。 - 由来/文化的背景:
ラテン語の「Repetitio est mater studiorum」に由来する、ヨーロッパで広く知られる格言。
知識や技能の習得における基本的な原則を示しています。
七度測り、一度切れ
Семь раз отмерь, один раз отрежь.
(Sem’ raz otmer’, odin raz otrezh’)
- 日本語訳:
七回測って、一回切れ。 - 日本のことわざ:
念には念を入れよ / 石橋を叩いて渡る - 意味:
何か重要な決断や行動(特に後戻りできないこと)をする前には、十分に確認し、慎重に準備すべきである。 - 使い方:
軽率な判断や行動を戒め、事前の入念な準備や確認の重要性を強調する時に使います。 - 由来/文化的背景:
裁縫や木工など、一度失敗すると修正が難しい作業から生まれた比喩。慎重さを重んじる姿勢を示しています。
忍耐と労働はすべてをすり砕く
Терпение и труд всё перетрут.
(Terpeniye i trud vsyo peretrut)
- 日本語訳:
忍耐と労働は、すべてを粉々にすり砕くだろう。 - 日本のことわざ:
石の上にも三年 / 継続は力なり - 意味:
忍耐強く努力を続ければ、どんな困難な目標や障害も、やがては克服することができる。 - 使い方:
困難な状況でも諦めずに努力を続けることの重要性を説き、励ます時に使われます。 - 由来/文化的背景:
厳しい自然環境や歴史の中で培われたロシア人の忍耐強さや粘り強さを象徴するようなことわざです。
人間関係・社会についてのことわざ
人との付き合い方、友情、言葉の重みなどに関する教訓です。
古い友は新しい二人に勝る
Старый друг лучше новых двух.
(Staryy drug luchshe novykh dvukh)
- 日本語訳:
一人の古い友人は、二人の新しい友人より良い。 - 日本の言い回し:
旧交を温める / 長年の付き合い - 意味:
長年の付き合いがある信頼できる友人は、新しくできたばかりの友人よりも貴重である。 - 使い方:
古くからの友情の大切さや、信頼関係の価値を語る時に使われます。 - 由来/文化的背景:
時間とともに築かれる信頼関係や深い理解に基づいた友情を重んじる考え方を示しています。
百ルーブルより百人の友
Не имей сто рублей, а имей сто друзей.
(Ne imey sto rubley, a imey sto druzey)
- 日本語訳:
百ルーブルを持つな、むしろ百人の友人を持て。 - 日本のことわざ:
金は万能ではない / 友は一生の宝 - 意味:
お金よりも、多くの信頼できる友人を持つことの方が、人生においてずっと価値がある。 - 使い方:
物質的な豊かさよりも、人間関係や友情の重要性を強調する時に使われます。 - 由来/文化的背景:
相互扶助の精神が重要だった共同体社会の価値観を反映しているとも言われます。
人との繋がりの大切さを説いています。
言葉はスズメではない、飛び立てば捕まえられない
Слово — не воробей, вылетит — не поймаешь.
(Slovo — ne vorobey, vyletit — ne poymayesh’)
- 日本語訳:
言葉はスズメではない、一度飛び立てば捕まえられない。 - 日本のことわざ:
口は災いの元 / 覆水盆に返らず - 意味:
一度口から出した言葉は、取り消すことができない。言葉は慎重に選ぶべきである。 - 使い方:
不用意な発言や失言を戒める時に使われます。言葉の持つ重みと影響力への注意を促します。 - 由来/文化的背景:
言葉の不可逆性を、素早く飛び去るスズメに例えた巧みな比喩です。
沈黙は同意のしるし
Молчание — знак согласия.
(Molchaniye — znak soglasiya)
- 日本語訳:
沈黙は同意のしるしである。 - 日本の慣用句:
暗黙の了解 - 意味:
反論や異議が表明されない場合、それは同意しているとみなされることがある。 - 使い方:
会議などで反対意見が出なかった状況や、明確な意思表示がない場合の解釈として使われます。
ただし、必ずしも本心からの同意を意味するわけではありません。 - 由来/文化的背景:
ラテン語に由来する法的な格言が元になっているとも言われます。
コミュニケーションにおける沈黙の解釈の一つを示しています。
目から去れば、心からも去る
С глаз долой — из сердца вон.
(S glaz doloy — iz serdtsa von)
- 日本語訳:
目から離れれば、心からも消え去る。 - 日本のことわざ:
去る者は日々に疎し - 意味:
物理的に会わなくなると、その人のことを思う気持ちも薄れ、やがて忘れてしまう。 - 使い方:
距離が人間関係(特に恋愛や友情)に与える影響を示す際に使われます。 - 由来/文化的背景:
物理的な近さと心理的な繋がりの関係性を示す、普遍的な観察に基づいています。
味や色に仲間なし
На вкус и цвет товарищей нет.
(Na vkus i tsvet tovarishchey net)
- 日本語訳:
味と色に関しては、仲間(=同じ意見の人)はいない。 - 日本のことわざ:
蓼食う虫も好き好き / 十人十色 - 意味:
人の好みや美的感覚は様々であり、普遍的な基準はない。個人の好みを尊重すべきである。 - 使い方:
個人の主観的な好みについて議論しても仕方がない、という文脈で使われます。
家族・家庭についてのことわざ
家庭の大切さや、家族関係についての言葉です。
リンゴはリンゴの木から遠くには落ちない
Яблоко от яблони недалеко падает.
(Yabloko ot yabloni nedaleko padayet)
- 日本語訳:
リンゴはリンゴの木から遠くには落ちない。 - 日本のことわざ:
蛙の子は蛙 / 瓜の蔓に茄子はならぬ - 意味:
子供は親の性質や特徴(良い点も悪い点も)を受け継ぐものだ。 - 使い方:
親子間の類似性を指摘する際に非常によく使われます。
よその家も良いが、我が家が一番
В гостях хорошо, а дома лучше.
(V gostyakh khorosho, a doma luchshe)
- 日本語訳:
客としては(よその家にいるのは)良いが、家(自分の家)の方がもっと良い。 - 日本の慣用句:
我が家に勝る所なし - 意味:
他の場所で楽しく過ごしても、やはり自分の家が最もくつろげて安心できる場所だ。 - 使い方:
旅行や訪問先から帰宅した時などに、我が家の良さを実感して言う決まり文句のような表現です。 - 由来/文化的背景:
家庭や自分の居場所に対する愛着や安心感を示す、親しみやすいことわざです。
その他のことわざ
日常の様々な場面で使われる、興味深いことわざ。
空腹は叔母さんではない
Голод не тётка.
(Golod ne tyotka)
- 日本語訳:
空腹は叔母ではない。(叔母さんのように優しく待ってはくれない) - 日本のことわざ:
背に腹はかえられぬ - 意味:
空腹(=差し迫った必要性や困難)は、待ってくれない厳しい現実であり、何らかの行動を取らざるを得ない状況を作り出す。 - 使い方:
差し迫った必要に駆られて、普段ならしないような行動を取らざるを得ない状況を説明する時に使います。 - 由来/文化的背景:
「叔母さん」が親しみやすく、多少の無理を聞いてくれる存在として対比されていると考えられます。
空腹という生理的欲求の持つ抗いがたい力を示しています。
シチーとカーシャ、それが我らの食
Щи да каша — пища наша.
(Shchi da kasha — pishcha nasha)
- 日本語訳:
シチー(キャベツのスープ)とカーシャ(粥)、それが我々の食べ物だ。 - 日本の言い回し:
粗食 / 日常の糧 - 意味:
質素な食事が、我々(ロシアの庶民)の基本的な食べ物であり、それで十分満足だ。 - 使い方:
質素な生活や、伝統的なロシアの食生活について語る時に使われます。
素朴なものへの愛着や満足感を示す表現。 - 由来/文化的背景:
シチーとカーシャは、古くからロシアの庶民の食卓に欠かせない基本的な料理でした。
日本ではごはんと味噌汁といったところでしょうか。
質素倹約の精神や伝統的な生活様式への誇りを示す言葉です。
光るものすべてが金ではない
Не всё то золото, что блестит.
(Ne vsyo to zoloto, chto blestit)
- 日本語訳:
光るものすべてが金とは限らない。 - 日本のことわざ:
人は見かけによらぬもの / 見かけ倒し - 意味:
外見が立派でも、中身が伴っているとは限らない。物事の本質を見極めることが大切。 - 使い方:
英語のことわざにもありましたが、ロシアでも同様に、見た目の魅力に惑わされず、本質を見抜くことの重要性を説く時に使われます。 - 由来/文化的背景:
シェイクスピア由来の英語のことわざがロシア語にも入った、あるいは同様の考えが独自に存在したと考えられます。外見と実質の違いへの注意喚起です。
贈り物としてもらった馬の歯は見るな
Дарёному коню в зубы не смотрят.
(Daryonomu konyu v zuby ne smotryat)
- 日本語訳:
贈り物としてもらった馬の歯(の中)は見るな。 - 日本の慣用句:
貰う物は夏も小袖 - 意味:
贈り物に対して、欠点を探したり値踏みしたり文句を言ったりすべきではない。 - 使い方:
もらい物に対する感謝の気持ちや礼儀として使われます。 - 由来/文化的背景:
馬の年齢や健康を歯で見る習慣から来たヨーロッパ共通のことわざ。贈り物への感謝の気持ちを促します。
遅い方が、決してないよりまし
Лучше поздно, чем никогда.
(Luchshe pozdno, chem nikogda)
- 日本語訳:
決してないよりは、遅い方が良い。 - 日本のことわざ:
しないよりはまし - 意味:
全くやらないよりは、たとえ遅くなったとしても実行する方が良い。 - 使い方:
多くのヨーロッパ言語で見られることわざですが、ロシアでも非常に一般的。
行動を起こすこと自体の価値を認める実用的な考え方です。 - 由来/文化的背景:
タイミングを逃した場合でも、行動することの意義を肯定する、前向きなメッセージとして使われます。
用心する者を神は護る
Бережёного Бог бережёт.
(Berezhyonogo Bog berezhyot)
- 日本語訳:
用心深い者を、神は護る。 - 日本のことわざ:
備えあれば憂いなし / 転ばぬ先の杖 - 意味:
自分自身で注意深く、用心している人には、神のご加護もある。用心に越したことはない。 - 使い方:
危険を避けるための注意喚起や、慎重な行動を奨励する時に使われます。 - 由来/文化的背景:
上記「На Бога надейся…」と似ていますが、こちらはより「用心深さ」に焦点があります。
自己防衛の意識と信仰心が結びついた表現です。
二羽の兎を追う者は、一羽も捕らえられない
За двумя зайцами погонишься — ни одного не поймаешь.
(Za dvumya zaytsami pogonish’sya — ni odnogo ne poymayesh’)
- 日本語訳:
二羽のウサギを追いかけたら、一羽も捕まえられないだろう。 - 日本のことわざ:
二兎を追う者は一兎をも得ず - 意味:
同時に複数の目標を追求しようとすると、結局どれも達成できずに終わる。 - 使い方:
目標を絞り一つのことに集中することの重要性を説く時に使われます。
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