ロシアの有名なことわざ32選|意味と文化的背景を解説

ロシアの有名なことわざ30選|意味・使い方・文化的背景を解説 特集
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「ロシアのことわざ」には、森の狼、キャベツのスープ、贈り物の馬など、ロシアの暮らしに身近なものがよく登場します。

「仕事は狼ではないから、森へ逃げたりしない(だから慌てるな)」というユーモラスな言葉から、「人生百年、学びも百年」という勤勉な教えまで。
ロシアの有名なことわざ32選を、意味・カタカナ読み付きで解説します。

【人生・運命】生き方の知恵

生き方や心の動きを言い当てた言葉です。
ロシア語には「アヴォーシ(運任せ・なんとかなるさ)」という言葉がありますが、ことわざには「神を頼みにしても、自分で抜かるな」のように運任せを戒めるものもあります。

人生百年、学びも百年

Век живи — век учись.
(ヴェク・ジヴィ・ヴェク・ウチース)

「一世紀生きよ、一世紀学べ」。
何歳になっても知らないことはある、生きている限り学び続けよ、という意味です。

蒔いた通りに刈り取る

Что посеешь, то и пожнёшь.
(シトー・パセエシ・トー・イ・パジニョーシ)

「因果応報」。
良い種を蒔けば良い実りが、悪い種を蒔けば悪い結果が待っている。
自分の行いは必ず自分に返ってくるという教えです。

神を頼みにしても、自分で抜かるな

На Бога надейся, а сам не плошай.
(ナ・ボーガ・ナジェイシャ・ア・サム・ニ・プラシャイ)

「人事を尽くして天命を待つ」
神様を信じて祈るのは良いが、それだけで助かると思ってはいけない。
自分自身でできる努力や注意を怠るなという、自立を促す現実的な教えです。

恐怖は目を大きくする

У страха глаза велики.
(ウ・ストラハ・グラザ・ヴェリキ)

「落ち武者は薄の穂にも怖おず」
怖がっている時は、風に揺れる薄の穂さえ敵に見えるように、物事が実際以上に恐ろしく、大きく見えてしまうものだ。

真実は目に突き刺さる

Правда глаза колет.
(プラヴダ・グラザ・コーリェト)

「耳が痛い」「図星」。
本当のことを言われるのはつらく、目を突かれたように痛い、という意味です。

生まれた所で役に立つ

Где родился, там и пригодился.
(グデ・ラジールシャ・タム・イ・プリガジールシャ)

人は生まれ育った土地でこそ役に立つ、という意味です。

狼を恐れるなら、森へ行くな

Волков бояться — в лес не ходить.
(ヴォルコフ・ボヤッツァ・ヴ・レス・ニ・ハジチ)

「虎穴に入らずんば虎子を得ず」
リスクを恐れていては、何も手に入れることはできない。
勇気を奮い立たせる言葉です。

【労働・仕事】焦らず、着実に

焦らず着実に進めという言葉、手を動かさなければ何も得られないという言葉、目標を一つに絞れという言葉を集めました。

仕事は狼ではない、森へ逃げたりしない

Работа не волк, в лес не убежит.
(ラボータ・ニ・ヴォルク・ヴ・レス・ニ・ウベジット)

「仕事は逃げないから、そんなに焦らなくてもいい(後でやればいい)」という意味の、冗談めかした言葉です。

労なくして、池の魚も取れぬ

Без труда не вытащишь и рыбку из пруда.
(ベス・トルダ・ニ・ヴィタシシ・イ・リプク・イズ・プルダ)

「労なくして益なし」。
池から小さな魚を釣り上げるような小さな成果でさえも、それ相応の努力なしには手に入らない。
地道な労働の大切さを説く教えです。

ゆっくり行けば、遠くまで行ける

Тише едешь, дальше будешь.
(ティーシェ・イェーデシ・ダリシェ・ブーデシ)

「急がば回れ」
静かに(ゆっくり)進む方が、結果としてより遠くまで到達できる。
着実な歩みが大きな成果を生むという教えです。

急げば、人を笑わせる(ことになる)

Поспешишь — людей насмешишь.
(パスペシーシ・リュデイ・ナスメシーシ)

「急いては事を仕損じる」
慌ててやると失敗し、周りの人から笑われるような無様な結果になるぞ。

繰り返しは学習の母

Повторение — мать учения.
(パフトレーニエ・マチ・ウチェーニヤ)

「習うより慣れろ」
一度や二度で覚えられるものではない。
何度も繰り返すこと(反復)こそが、知識や技術を身につけるための土台である。

七度測って、一度切れ

Семь раз отмерь, один раз отрежь.
(セム・ラス・アトメリ・アジン・ラス・アトレシ)

「念には念を入れよ」
布や木材は一度切ってしまったら元には戻らない。
だから、実行に移す前に慎重に何度も確認しなさい。

忍耐と労働が、すべてをすり砕く(克服する)

Терпение и труд всё перетрут.
(テルペーニエ・イ・トルド・フショ・ペレトルト)

「石の上にも三年」
どんなに困難な壁や障害も、忍耐強く働き続ければ、いつかは粉々に砕いて乗り越えることができるという教えです。

モスクワも一度には建たなかった

Москва не сразу строилась.
(マスクヴァ・ニ・スラズー・ストローイラシ)

「ローマは一日にして成らず」
モスクワの町も、一度に出来上がったわけではない。
大きな事は時間をかけて少しずつ成し遂げるものだ、という教えです。

二匹のウサギを追えば、一匹も捕まえられない

За двумя зайцами погонишься — ни одного не поймаешь.
(ザ・ドゥヴミャ・ザイツァミ・パゴーニシシャ・ニ・アドナヴォ・ニ・パイマエシ)

「二兎を追う者は一兎をも得ず」
欲張って二つの目標を同時に追いかけると、結局どちらも失敗する。
目標を一つに絞り、集中することの大切さを説いています。

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【人間関係・社会】友と言葉と恋

友・言葉・好み・恋をめぐる言葉です。

古い友は、新しい友二人より良い

Старый друг лучше новых двух.
(スタリ・ドルク・ルーチシェ・ノヴィフ・ドゥフ)

長い時間をかけて信頼関係を築いてきた古い友人は、新しくできた友人二人分(あるいはそれ以上)の価値がある。
新しい友より、長年の友を大切にせよという教えです。

100ルーブル持つより、100人の友を持て

Не имей сто рублей, а имей сто друзей.
(ニ・イメイ・スト・ルブレイ・ア・イメイ・スト・ドルジェイ)

お金(ルーブル)は使えばなくなるが、友人は一生の財産であり、困った時に助けてくれる。
お金よりも友人を大切にせよという教えです。

友は困ったときに分かる

Друг познаётся в беде.
(ドルク・パズナヨーツァ・ヴ・ビジェー)

本当の友かどうかは、困ったとき、苦しいときにこそ分かる、という意味です。
英語の A friend in need is a friend indeed. と同じ考えです。

言葉はスズメではない、飛び立てば捕まえられない

Слово — не воробей, вылетит — не поймаешь.
(スローヴァ・ニ・ヴァラベイ・ヴィリチト・ニ・パイマエシ)

「覆水盆に返らず」、「口は災いの元」
うっかり口を滑らせた言葉は、飛び去った鳥のように二度と取り戻せない。
発言する前によく考えろという戒めです。

沈黙は同意のしるし

Молчание — знак согласия.
(モルチャーニエ・ズナク・サグラシヤ)

何も言わないのは、反対していない(つまり同意している)とみなされる、という意味です。

目から去れば、心からも去る

С глаз долой — из сердца вон.
(ス・グラス・ダロイ・イズ・セルツァ・ヴォン)

「去る者は日々に疎し」
会わなくなると、どんなに愛していた人でも、記憶や感情は薄れていくものだ。

味や色に仲間はいない

На вкус и цвет товарищей нет.
(ナ・フクス・イ・ツヴェト・タヴァリシ・ニェト)

「蓼食う虫も好き好き」
味の好みや色の好みに関しては、「同志(仲間)」はいない。
好みは人それぞれで、議論しても無駄だという意味です。

恋は意地悪、山羊(ヤギ)でも好きになる

Любовь зла, полюбишь и козла.
(リュボフ・ズラ・パリュービシ・イ・コズラ)

「あばたもえくぼ」、「恋は盲目」。
恋に落ちると、相手がたとえ「山羊(=嫌なやつ、ろくでなしの比喩)」であっても愛してしまう。
山羊が出てくるのは、原文の зла(ズラ)と козла(コズラ)で韻を踏むためでもあります。

【日常・食】食卓と暮らしの言葉

ロシアの食卓の言葉と、日々の暮らしの教訓です。

シチー(スープ)とカーシャ(粥)、それが我らの食

Щи да каша — пища наша.
(シチー・ダ・カーシャ・ピーシャ・ナーシャ)

キャベツのスープ「シチー」と、穀物のお粥「カーシャ」。
ふだんの質素な食事で十分だ、という意味です。

白い深皿に盛った、刻んだキャベツと長ねぎの入ったスープにサワークリームをのせたもの
シチー(キャベツのスープ)
ガラスの器に盛った茶色いそばの実の粥に、バターのかたまりをのせたもの
カーシャ(そばの実の粥)
(写真:Laitr Keiows、Wikimedia Commons/CC BY-SA 3.0)

空腹は叔母さんではない

Голод не тётка.
(ゴーラト・ニ・チョートカ)

「背に腹はかえられぬ」
空腹は、パイを差し出してくれる優しい叔母さんとは違う。
空腹に迫られれば、人はふだんならしないことでもするという意味です。

贈り物としてもらった馬の歯は見るな

Дарёному коню в зубы не смотрят.
(ダリョーナム・カニュ・ヴ・ズビ・ニ・スモートリャト)

もらい物の馬の口を開けて、歯を見て年齢(価値)を確認するのは失礼だ。
贈り物は品物そのものの価値ではなく、相手の好意に感謝して受け取れ、という戒めです。
英語にも Don’t look a gift horse in the mouth. という同じ形のことわざがあります。

光るものすべてが金ではない

Не всё то золото, что блестит.
(ニ・フショ・ト・ゾラタ・シトー・ブリスチート)

見た目が華やかで立派でも、中身が伴っているとは限らない。
外見に惑わされず、本質を見抜くことの重要性を説いています。

朝は夜より賢い

Утро вечера мудренее.
(ウートラ・ヴェーチェラ・ムドレニェーエ)

大事なことは夜のうちに急いで決めず、一晩寝て朝に考えたほうがよい、という意味です。

よその家もよいが、わが家が一番

В гостях хорошо, а дома лучше.
(ヴ・ガスチャーフ・ハラショー・ア・ドーマ・ルーチシェ)

よその家でのもてなしも楽しいが、やはり自分の家がいちばん落ち着く、という意味です。
長く家を空けて帰ってきたときや、出先から帰る支度をするときに言う言葉です。
英語の There’s no place like home.(わが家にまさる所なし)と同じ気持ちを表します。

遅くても、しないよりはまし

Лучше поздно, чем никогда.
(ルーチシェ・ポズナ・チェム・ニカグダ)

やらないよりは、遅れてでもやった方がずっと良い。
タイミングを逃してしまったことを悔やむより、今からでも行動を起こすことを肯定する、前向きな言葉です。

用心する者を、神は護る

Бережёного Бог бережёт.
(ベレジョーナヴァ・ボーグ・ベレジョート)

「備えあれば憂いなし」
無茶をする者ではなく、慎重に行動し、自ら用心する者を神様は助けてくれるという教えです。

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