ことわざ 慣用句

石橋を叩いて渡る

(いしばしをたたいてわたる)

非常に頑丈に見えるものでも、用心深く安全を確かめてから物事を進めることのたとえ。


12文字の言葉 / 「い」から始まる言葉
石橋を叩いて渡る ことば
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意味

「石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる)」とは、非常に頑丈に見える石の橋でさえ、叩いて安全を確かめてから渡るように、物事をきわめて用心深く慎重に進めることのたとえです。

たとえ確実だと思える状況であっても、決して油断せず、細部までリスクを確認する徹底した姿勢を指します。
堅実さを称える際に使われる一方で、あまりに慎重すぎて行動が遅い、あるいは決断力に欠けるといった、消極的な側面への皮肉として用いられることもあります。

語源・由来

木製の橋に比べて、石の橋は堅牢で壊れにくいものです。
その石橋ですら、さらに杖などで叩いて強度を確認してから渡るという具体的な動作が、極限の用心深さを表す比喩として自然に定着したと考えられます。

ことわざとしての歴史は古く、用心深さを表す言葉として現代まで受け継がれています。

使い方・例文

「石橋を叩いて渡る」は、仕事のプロジェクト、学校での準備、家庭での防犯など、あらゆる場面での慎重な振る舞いを描写する際に使われます。
「~タイプ」「~ような慎重さ」といった形で人の性質を表すことも多い言葉です。

例文

  • 石橋を叩いて渡る経営を続けてきたから、不況でも会社は揺るがなかった。
  • 受験票を三度確認してから家を出る彼女は、石橋を叩いて渡るような徹底ぶりだ。
  • 「石橋を叩いて渡るのもいいが、叩きすぎるな」と先生に諭された。

誤用・注意点

「石橋を叩いて渡る」は、必ずしも褒め言葉とは限らない点に注意が必要です。
相手に対して「あなたは石橋を叩いて渡る人ですね」と言うと、文脈によっては「小心者」「決断が遅い」という否定的なニュアンスで受け取られる可能性があります。

類義語・関連語

「石橋を叩いて渡る」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 念には念を入れる(ねんにはねんをいれる):
    注意した上に、さらに注意を重ねて確認すること。
  • 転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ):
    失敗しないように、前もって十分な準備や用心をしておくこと。
  • 備えあれば憂いなし(そなえあればうれいなし):
    普段から準備を整えておけば、いざという時に心配がないということ。
  • 浅い川も深く渡れ(あさいかわもふかくわたれ):
    簡単そうに見えることでも、油断せずに注意深く対処すべきだという戒め。
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対義語

「石橋を叩いて渡る」とは対照的な、大胆さや無謀さを表す言葉は以下の通りです。

  • 危ない橋を渡る(あぶないはしをわたる):
    危険を承知で、あえてリスクの高い行動を取ること。
  • 当たって砕けろ(あたってくだけろ):
    結果を恐れず、思い切って物事に挑戦してみること。
  • 清水の舞台から飛び降りる(きよみずのぶたいからとびおりる):
    大きな決断を、覚悟を決めて大胆に実行すること。
  • 猪突猛進(ちょとつもうしん):
    目標に対して、周囲を顧みず真っ向から突き進むこと。

英語表現

「石橋を叩いて渡る」を英語で表現する場合、以下の定型句がよく使われます。

Look before you leap

直訳は「跳ぶ前に見よ」で、慎重な行動を促す英語のことわざ。

You’d better look before you leap before starting a new business.
(新しい事業を始める前に、石橋を叩いて渡るように慎重になるべきだ。)

Better safe than sorry

直訳は「後で後悔するよりは、安全な方が良い」で、安全第一の考え方を示すフレーズ。

I’ll bring an umbrella just in case. Better safe than sorry.
(念のため傘を持っていくよ。石橋を叩いて渡るに越したことはないからね。)

南極越冬隊長の本の題は『石橋を叩けば渡れない』

1957年に日本の第1次南極観測隊で越冬隊長を務めた西堀栄三郎にしぼりえいざぶろうは、1972年に『石橋を叩けば渡れない』という本を出しました。
題は「石橋を叩いて渡る」をひっくり返したものです。

この本は、南極探検に挑んだ体験や、新しいことに取り組むときの心構えなどをつづったもので、2023年に新装版が出ています。

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