跳ぶ前に見よ

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ことわざ 慣用句
跳ぶ前に見よ
(とぶまえにみよ)

7文字の言葉と・ど」から始まる言葉

新しい趣味を始めたり、大きな買い物を選んだりするとき。
目の前の魅力に惹かれて、つい後先を考えずに決断を下してしまいそうになる瞬間があります。
しかし、その一歩を踏み出す前に、冷静に周囲の状況や結果を予測することの大切さを説くのが、
「跳ぶ前に見よ」という言葉です。
勢いだけで行動せず、まずは足元を確かめるという、人間が本来持つべき知恵を象徴しています。

意味・教訓

「跳ぶ前に見よ」とは、物事を行う前に、あらかじめ結果や危険を十分に考慮すべきであるという教訓です。

後悔しないためには、実行に移る前に一呼吸置き、想定されるリスクや周囲の状況を冷静に観察する慎重さが不可欠であることを示しています。

語源・由来

「跳ぶ前に見よ」のルーツは、古代ギリシャの『イソップ寓話』に収められた「狐と山羊(やぎ)」という物語にあります。

井戸に落ちて困っていた狐が、喉の渇いた山羊を「ここの水はおいしいぞ」と騙して井戸に飛び込ませました。
狐は山羊の背中を足場にして脱出しましたが、取り残された山羊に対して「跳び込む前に、どうやって出るかを考えるべきだったな」と言い残して去ったエピソードが由来です。

この物語が英語のことわざ “Look before you leap.” となり、日本でもその訳語として広く定着しました。

使い方・例文

新しいプロジェクトへの参画や、生活環境を大きく変える決断を下す際、盲目的な熱狂を落ち着かせるための指針として使われます。

「跳ぶ前に見よ」は、単に臆病になることを勧めるのではなく、成功の確率を高めるための「観察」の重要性を伝えています。

例文

  • 跳ぶ前に見よ」の教訓に従い、契約書にサインをする前にもう一度すべての条件を確認した。
  • 山登りに行くなら、当日の天気だけでなくルートの険しさも「跳ぶ前に見よ」で事前に調べておくべきだ。
  • 転職を急ぐ彼に、まずは業界の将来性をじっくり見極めるよう「跳ぶ前に見よ」と助言した。

誤用・注意点

「跳ぶ前に見よ」を、チャンスを目の前にして迷っている人に対して「やめておけ」という意味で使うのは不適切です。
この言葉の本質は、行動を止めることではなく、「行動の前に確認をせよ」という手順の正しさを説く点にあります。

また、慎重になりすぎて結局何もできなくなる「石橋を叩いて壊す」ような消極的な状態を指す言葉ではないことにも注意が必要です。

類義語・関連語

「跳ぶ前に見よ」と似た意味を持つ、慎重さを重んじる言葉には以下のようなものがあります。

  • 石橋を叩いて渡る(いしばしをたたいてわたる):
    堅固に見える石の橋でも、叩いて安全を確かめてから渡るほど用心深く進むこと。
  • 転ばぬ先の杖(ころばぬさきのつえ):
    失敗しないように、あらかじめ十分な準備を整えておくことのたとえ。
  • 浅い川も深く渡れ(あさいかわもふかくわたれ):
    簡単なことだと思っても、油断せずに注意深く対処すべきであるという教訓。
  • 念には念を入れよ(ねんにねんをいれよ):
    注意した上に、さらに注意を重ねて間違いのないようにすること。

対義語

「跳ぶ前に見よ」とは対照的に、考えるよりも行動することを優先する言葉です。

  • 当たって砕けろ(あたってくだけろ):
    成功するかどうかわからなくても、迷わず思い切って実行してみること。
  • 善は急げ(ぜんはいそげ):
    良いと思ったことは、時期を逃さずすぐに行うべきである。
  • 案ずるより産むが易し(あんずるよりうむがやすし):
    事前にあれこれ心配するよりも、実際にやってみれば案外うまくいくものである。

英語表現

「跳ぶ前に見よ」を英語で表現する場合、以下の通りです。

Look before you leap.

  • 意味:「跳ぶ前に見なさい」
  • 解説:世界中で広く知られる英語のことわざで、日本語訳の直接の元となった表現です。
  • 例文:
    You should look before you leap before investing all your savings.
    (全財産を投資する前に、跳ぶ前によく見るべきだ。)

山羊の失敗に学ぶ

ちなみに、由来となったイソップ寓話の山羊は、ただ喉が渇いていただけで悪意はありませんでした。
しかし、狐の言葉を鵜呑みにして「出口を確認せずに」飛び込んだことが致命的なミスとなったのです。

現代の私たちの生活に置き換えれば、魅力的な宣伝文句や周囲の流行に流される前に、自分自身の目で「出口(結果)」があるかどうかを確認することの大切さを、この物語は時代を超えて訴えかけています。

まとめ

スピード感が求められる現代社会において、一呼吸置いて観察する「跳ぶ前に見よ」という姿勢は、時に古臭く感じられるかもしれません。
しかし、確かな準備と観察に基づいた一歩は、迷いのない力強い跳躍へとつながります。

新しい世界へ飛び出す勇気と同じくらい、その足元を見つめる冷静さを大切にしたいものですね。

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