意味
「盤石(ばんじゃく)」とは、大きな岩のようにどっしりとして揺るぎなく、簡単には崩れたり動じたりしないという意味です。
本来は「非常に大きく重い岩石」を指す言葉です。
そこから転じて、基礎がしっかりしていて簡単には崩れない組織の体制や、確固たる地位、他を寄せ付けない圧倒的な安定感などを表す比喩として使われます。
語源・由来
「盤石」は「磐石」とも書き、文字通り「大きく重い岩」を意味する言葉です。
大きく重い岩はびくともしないことから、きわめて堅固で揺るぎない様子のたとえとして使われるようになりました。
中国の古典には「盤石」とも「磐石」とも書かれていますが、「磐」は常用漢字に含まれないため、現在では「盤石」と書くのが一般的です。
使い方・例文
「盤石」は、組織の体制、事業の基盤、スポーツの試合運びなど、長期的な安定や圧倒的な強さが求められる場面で使われます。
- わが社の経営基盤は盤石だ。
- 彼は社内に盤石の地位を築き上げた。
- 相手に一切の隙を与えない、盤石な試合運びを見せた。
読み方についての注意点
「盤石」は「ばんじゃく」と読むのが現代の標準です。
「じゃく」は「石」の呉音(古い時代に伝わった漢字の読み)で、「ばんじゃく」が正しい読みです。
「ばんせき」という読み方もありますが、今はふつう「ばんじゃく」と読みます。
類義語・関連語
「盤石」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 金城鉄壁(きんじょうてっぺき):
非常に守りが堅く、他からの攻撃を寄せ付けないこと。 - 安泰(あんたい):
無事で安らかなこと。地位などが危なげない様子。 - 不動(ふどう):
他に影響されて動かないこと。揺るぎないこと。
「盤石」は「土台・基盤」に焦点が当たりますが、「金城鉄壁」はより「防御・守護」のニュアンスが強いという違いがあります。
対義語
「盤石」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
- 危急存亡(ききゅうそんぼう):
生き残るか滅びるかの瀬戸際にある、極めて危険な状態。 - 累卵の危うき(るいらんのあやうき):
卵を積み重ねた時のように、非常に不安定で崩れやすい様子。 - 砂上の楼閣(さじょうのろうかく):
土台がもろいため、長く維持することができない物事。
英語表現
「盤石」を英語で表現する場合、以下のような定型表現が使われます。
rock-solid
岩のように堅固な、非常に信頼できる、という意味の形容詞。
The team has a rock-solid defense.
(そのチームは盤石の守備を誇っている。)
unshakable
揺るぎない、動揺しない、という意味の形容詞。
He has an unshakable belief in his own success.
(彼は自身の成功に対して盤石な信念を持っている。)
『史記』の「盤石の一族」は劉氏のこと
『史記』の「孝文本紀」に、「盤石之宗」(盤石の一族)という言葉が出てきます。
紀元前180年、呂氏の一族が倒されたあと、重臣たちは劉邦の子で代王だった劉恒を皇帝に迎えようとしました。
側近の多くは罠を疑って反対しましたが、中尉の宋昌は迎えに応じるべきだと説きました。
宋昌は、劉邦が一族を各地の王に立て、その領地が犬の牙のように入り組んで互いを抑え合っていると述べ、「此所謂盤石之宗也」(これがいわゆる盤石の一族です)と続けます。
重臣が裏切ろうとしても、国中に根を張った劉氏は崩せない、という理由づけです。
代王はこのあと長安に入って即位し、文帝となりました。
「盤石」は2000年あまり前にも、揺るがない一族の基盤を言うたとえとして使われていました。









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