意味
「二匹目の泥鰌を狙う」とは、一度偶然手に入れた幸運に味を占め、同じやり方で再び利益を得ようとすることを意味します。
たまたま柳の下で泥鰌(どじょう)を捕まえたからといって、次もまた同じ場所にいるとは限りません。「一度の成功が次も続くとは限らない」という現実を教訓として伝えています。
語源・由来
「二匹目の泥鰌を狙う」は、古くからあることわざ「柳の下にいつも泥鰌はいない」に由来します。
ある男が柳の木の下でたまたま泥鰌を一匹捕まえました。
男は「ここは泥鰌が捕れる場所だ」と思い込み、連日のように柳の下で待ち構えましたが、二度と泥鰌が現れることはなかったという話が元になっています。
使い方・例文
創意工夫を怠り、過去の成功体験や他人の成功事例を安易になぞろうとする場面で使われます。
例文
- 大ヒット作の二匹目の泥鰌を狙うような、似た企画ばかりが目立つ。
- 兄の勉強法を真似して二匹目の泥鰌を狙ったが、結果は散々だった。
- 一度儲けたからと全財産を投じ、二匹目の泥鰌を狙うのは危うい。
類義語・関連語
「二匹目の泥鰌を狙う」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 守株(しゅしゅ):
古い習慣にこだわり、進歩がないこと。
切り株に激突した兎(うさぎ)を忘れられず、再び兎が来るのを待ち続けた男の故事に由来します。 - 二番煎じ(にばんせんじ):
一度使ったものの使い回しで、新鮮味や価値がないこと。 - 柳の下にいつも泥鰌はおらぬ(やなぎのしたにいつもどじょうはおらぬ):
一度うまくいったからといって、次も同じようにいくとは限らないという戒め。
対義語
「二匹目の泥鰌を狙う」とは対照的な意味を持つ言葉は、以下の通りです。
- 一度あることは二度ある(いちどあることはにどある):
物事は繰り返される傾向があるため、注意すべきだという教訓。
※「二度とない」という否定的な「泥鰌」に対し、「繰り返される」という肯定的な視点を持つ対句です。
英語表現
「二匹目の泥鰌を狙う」を英語で表現する場合、以下の定型表現が最もニュアンスとして近くなります。
Lightning never strikes twice in the same place
「稲妻は同じ場所に二度は落ちない」
幸運(または不運)というものは、同じ場所に続けて起こることはないという意味の格言です。
Don’t expect another miracle. Lightning never strikes twice in the same place.
(また奇跡が起きるとは思うな。二匹目の泥鰌を狙うような真似はやめるんだ。)
少ない事例から法則を作る心理
心理学者のエイモス・トベルスキーとダニエル・カーネマンは、1971年の論文「小数の法則への信念」で、少ない回数の結果にも全体の性質がそのまま現れるはずだと人が思い込みやすいことを指摘しました。
材料になったのは研究上の判断について心理学者に尋ねた質問紙の回答で、統計を扱い慣れた専門家でさえ、小さな標本、つまり調査のために抜き出した少数のデータを全体の縮図とみなしていました。
一度の成功をそのまま方法の良さの証拠と受け取る見方も、この枠組みで説明されます。
この研究は行動経済学の出発点の一つとなり、カーネマンは2002年にノーベル経済学賞を受けています。









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