意味
「守株(しゅしゅ)」とは、古い習慣や過去のやり方にとらわれ、時代の変化に柔軟に対応できないという意味です。
偶然の幸運に味を占め、何の努力もせずに再び同じ幸運が訪れるのを待ち続けるという比喩から成り立っています。
主に、組織の旧態依然とした体制や、融通のきかない頑固な態度を批判的に表現する際に使われます。
語源・由来
中国の思想書『韓非子』の五蠹篇に記された故事に由来します。
宋の国の農夫が、畑の切り株に頭をぶつけて死んだ兎を偶然手に入れたことから、農作業をやめ、毎日切り株を見張って再び兎が来るのを待ち続け、国中の笑い者になったという話です。
この逸話から、「株を守りて兎を待つ(守株待兎)」という言葉が生まれました。
日本では、室町時代の連歌の書物に「株を守る」の形が見え、江戸時代前期には儒学者・中江藤樹の『翁問答』でも紹介されています。
北原白秋が作詞した童謡「待ちぼうけ」も、この話を歌にしたものです。


使い方・例文
「守株」は、変化を拒み、過去の成功体験から抜け出せない組織や人物の態度を戒める場面で使われます。
- 過去のヒット商品のマイナーチェンジばかりを繰り返すのは、守株の経営だ。
- 一度当たりが出た売り場にばかり宝くじを買いに行くのは、守株と言うほかない。
- 昔の指導法を今の生徒にそのまま当てはめるのは、守株のそしりを免れない。
類義語・関連語
「守株」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 守株待兎(しゅしゅたいと):
守株の故事をそのまま四字熟語にした言葉。古い習慣への固執や偶然の幸運をあてにする様子。 - 旧態依然(きゅうたいいぜん):
昔のままで、少しも進歩や発展がない状態。 - 因循姑息(いんじゅんこそく):
古い習慣ややり方に従うだけで、その場しのぎの対応をすること。
「守株」と「旧態依然」の違い
「守株」は、過去のやり方や成功体験に固執して変わろうとしない個人の頑固な態度や、組織の怠惰な姿勢を戒めるときに使います。
「旧態依然」は、組織の体質や社会制度など、変わらない環境そのものを批判するときに使います。
対義語
「守株」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
stick to one’s old ways
古いやり方に固執する様子。
Our company needs to innovate, but the management still sticks to its old ways.
(私たちの会社は革新が必要だが、経営陣はいまだに古いやり方に固執している。)
「守株」が笑ったのは農夫でなく為政者
「守株」の出典は、中国戦国時代の思想家・韓非による『韓非子』の五蠹篇です。
走ってきて株にぶつかり、首の骨を折って死んだ兎をたまたま手に入れた宋の農夫が、それ以来鋤を捨てて株を見張り続け、二匹目の兎を待ち続けたという話が語られています。
韓非がこの寓話を持ち出したのは、農夫を単に笑うためではありません。
当時の為政者の中に、昔の王が行った統治のやり方を、時代の変わった今の民にもそのまま当てはめようとする者がいることを、この農夫になぞらえて批判するためでした。
法や制度は時代の変化に合わせて見直すべきだというのが韓非の主張であり、「守株」はその主張を分かりやすく伝えるためのたとえ話として書かれています。













コメント