意味
「臨機応変(りんきおうへん)」とは、決まった手順にこだわらず、状況の変化に合わせてやり方を変えることを意味する四字熟語です。
- 臨機(りんき):その時々の状況やタイミングに直面すること。
- 応変(おうへん):状況の変化に応じて、適切に対処すること。
語源・由来
「臨機応変」とよく似た言い回しは、中国の歴史書に出てきます。
南朝の歴史を記した『南史』には「臨機制変(機に臨んで変を制する)」、唐の歴史書『旧唐書』には「随機応変(機に随って変に応ずる)」という形があります。
どちらも、その場の成り行きを見て対処を決めるという意味で、「臨機応変」と同じ考え方を表しています。
使い方・例文
「臨機応変」は、仕事でのトラブル解決から日常のハプニングまで、予期せぬ事態に対して柔軟に対応する能力を肯定的に評価する場面で使われます。
- 大雨で電車が止まったが、臨機応変にレンタカーを手配して目的地へ向かった。
- 想定外の質問にも、彼はマニュアルに頼らず臨機応変な受け答えをした。
- 子育てに正解はなく、その日の体調や機嫌に合わせて臨機応変に対応するしかない。
類義語・関連語
「臨機応変」と似た意味を持つ言葉には、状況に合わせて考えや行動を柔軟に変える以下のような言葉があります。
- 機転が利く(きてんがきく):
状況に応じて、その場にぴったりと合う素早い判断や対応ができること。 - ケースバイケース:
個々の事例や状況に応じて、それぞれ別々のやり方で対応すること。 - 当意即妙(とういそくみょう):
その場にうまく適応して、即座に気の利いた対応や発言をすること。 - 融通無碍(ゆうずうむげ):
考え方や行動がどんな枠にも縛られず、自由でのびのびとしていること。
対義語
「臨機応変」と反対の意味を持つ言葉には、一つのルールや考え方に固執して柔軟性を欠く様子を表すものがあります。
- 杓子定規(しゃくしじょうぎ):
どんな場合でも、一つの基準や規則に無理にあてはめようとする、融通のきかない態度。 - 四角四面(しかくしめん):
物事がきちんとしすぎていて、真面目だが面白みがなく、堅苦しいさま。 - 画一的(かくいつてき):
すべてを同じ枠にはめ込み、個性や状況による違いを一切認めないさま。
英語表現
play it by ear
直訳:耳で聞いて演奏する
意味:事前に詳細な計画を立てず、その場の状況に合わせて臨機応変に行動するという表現です。
楽譜を見ずに、耳で聞き覚えた音を頼りに演奏することから来ています。
We don’t have a plan for tomorrow yet, so let’s play it by ear.
(明日の予定はまだ決まっていないから、臨機応変にいこう。)
flexible
意味:柔軟な、融通のきく。
人の性格や、計画・対応の柔軟性を表す一般的な単語です。
You need to be flexible when working with clients.
(顧客と仕事をする時は、臨機応変な対応が必要です。)
adapt to circumstances
意味:状況に適応する、変化に順応する。
少しフォーマルな表現です。
A good leader must be able to adapt to circumstances quickly.
(優れたリーダーは、素早く臨機応変に対応できなければならない。)
一字違いの「随機応変」、唐の太宗を勝たせた策
『旧唐書』で「随機応変」が使われているのは、戦の策を進言する場面です。
唐が建国されてまもないころ、李世民(のちの太宗)は、敵対する王世充を追い詰めていました。
そこへ、王世充を助けるために別の勢力の竇建徳が向かってきます。
このとき唐の武将の郭孝恪が李世民に進言したのが、次の策です。
請固武牢,屯軍汜水,隨機應變,則易為克殄。
(武牢を固め、汜水に軍を置いて、機に随って変に応じれば、たやすく打ち破れます)
李世民はこの策を採り、竇建徳を破って王世充を平定しました。
守りを固めておき、相手の出方を見て手を打つという、「臨機応変」と同じ意味の使い方です。















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