「立身出世」「衣錦還郷」「青雲の志」「鯉の滝登り」など、成功や出世を表す四字熟語・ことわざを集めました。
出世・名を上げる・成功・戒めなどの場面ごとに、四字熟語とことわざ・慣用句に分けて、読みと意味を紹介します。
最後に、成功や出世の意味で使うと誤解を招く言葉を、注意点とあわせてまとめました。
もくじ
出世する・立身を表す四字熟語
- 立身出世(りっしんしゅっせ):
社会で高い地位につき、世の中に名を知られるようになること。
「立身」は儒教の言葉、「出世」はもとは仏教の言葉で、出どころの違う二つを合わせてできた。 - 富貴利達(ふうきりたつ):
財産と高い地位を手に入れ、出世すること。
「利達」は利益と栄達(= 高い地位に進むこと)の意。『孟子』にある言葉。 - 白衣三公(はくいのさんこう):
官位のない庶民の身から、最高の位にまで上りつめること。
「白衣」は位を持たない人、「三公」は政治を担う最高位の三つの官職。中国の漢代に、公孫弘が位のない身から三公に上った故事から。 - 攀竜附鳳(はんりょうふほう):
すぐれた君主や有力者に付き従って、手柄を立てたり出世したりすること。
竜にすがり、鳳凰に取りつく意から。「はんりゅうふほう」とも読む。
名を上げる・故郷に錦を飾ることを表す四字熟語
- 功成名遂(こうせいめいすい):
立派な仕事をやり遂げ、それによって世間の評判も得ること。
ふつうは「功成り名遂げる」と訓読して使う。『老子』の言葉で、原文では、そのあと地位から身を引くのが天の道だと続く。 - 衣錦還郷(いきんかんきょう):
出世や成功を果たして、生まれ故郷へ帰ること。
錦(= 金糸・銀糸で模様を織り出した豪華な絹織物)を着て故郷に帰る意から。「錦を着て故郷へ帰る」「故郷へ錦を飾る」と同じ意味。 - 衣繍夜行(いしゅうやこう):
出世しても故郷に帰らなければ、誰にも知ってもらえないことのたとえ。また、せっかくのよさに誰も気づかず、張り合いがないこと。
刺繍をほどこした美しい衣を着て、暗い夜道を歩く意から。楚の項羽が故郷へ帰りたがって言った言葉で、同じ話から出た言葉に「錦を衣て夜行くが如し」がある。 - 名声赫赫(めいせいかくかく):
よい評判が世間に広まり、大いに高まっているさま。
「赫赫」は勢いが盛んな様子。「めいせいかっかく」とも読む。
出世の志・将来の見込みを表す四字熟語・言葉
- 青雲の志(せいうんのこころざし):
高い地位について名を上げたいと願う気持ち。また、人として徳を高め、立派になろうとする心。
「青雲」は雲の上の青空で、高い地位のたとえ。四字で「青雲之志」とも書く。 - 前途洋々(ぜんとようよう):
これから先の道が広々と開け、望みに満ちているさま。
若い人の門出を祝う言葉としても使う。 - 前途有望(ぜんとゆうぼう):
将来、成功したり出世したりする見込みが大いにあること。
「前途多望」ともいう。「前途有望な新人」のように、人を評して使う。 - 雌伏雄飛(しふくゆうひ):
先を見すえて、しばらく人の下で目立たない立場に耐え、やがて大きく飛び立って活躍すること。
「雌伏」はめんどりがおんどりに従って伏す意、「雄飛」はおんどりのように勢いよく飛ぶ意。
成功する・願いがかなう・栄えることを表す四字熟語
- 順風満帆(じゅんぷうまんぱん):
物事が何もかも思いどおりに、滞りなく進むさま。
帆いっぱいに追い風を受けて、船が快く進む様子から。「満帆」は「まんぱん」と読む。 - 大願成就(たいがんじょうじゅ):
大きな願いがかなうこと。
もとは、神仏に立てた大きな願いが、その力添えによってかなうことをいう。 - 心願成就(しんがんじょうじゅ):
心の中で神仏に祈っていた願いが、そのとおりにかなうこと。
「心願」は心の中で神仏にかける願いで、長年の望みが実った場面にも使う。 - 旭日昇天(きょくじつしょうてん):
朝日が空へ昇っていくように、勢いがきわめて盛んなさま。
「旭日昇天の勢い」の形でも使う。 - 栄耀栄華(えいようえいが):
富や地位を得て、華やかに栄えること。転じて、ぜいたくの限りを尽くし、おごり高ぶること。
悪い意味でも使うので、お祝いの言葉には向かない。「栄耀」は「えよう」とも読む。
成功・栄華のあとの戒めを表す四字熟語
- 栄枯盛衰(えいこせいすい):
栄えたり衰えたりすること。
人や家、国の勢いは移り変わり、いつまでも続くものではないことをいう。 - 盛者必衰(じょうしゃひっすい):
勢いの盛んな者も、いつかは必ず衰えるという世の定め。
仏教の無常の考えを表す言葉で、『平家物語』の冒頭の一節で広く知られる。 - 鳥尽弓蔵(ちょうじんきゅうぞう):
大きな手柄を立てた人も、役目が終わると用済みとして捨てられることのたとえ。
鳥を取り尽くせば、使い道のなくなった弓は片付けられる意から。
出世する・世に出ることを表すことわざ・慣用句
- 鯉の滝登り(こいのたきのぼり):
勢いよく立身出世することのたとえ。
中国の黄河にある急流「竜門」を登りきった鯉は、竜になるという言い伝えから。 - 登竜門(とうりゅうもん):
通り抜ければ出世や成功につながる、大事な関門。
竜門を登った鯉が竜になる言い伝えにちなみ、『後漢書』で、名高い政治家の李膺に認められることをこう呼んだことから。 - 身を立てる(みをたてる):
世の中で認められ、高い地位につくこと。
技術などを身につけて暮らしを立てる意味もあり、「料理人として身を立てる」はこちらの使い方。 - 世に出る(よにでる):
世間に認められ、出世して名が知られるようになること。
作品などが初めておおやけになる意味でも使う。
成功する・名を上げることを表すことわざ・慣用句
- 故郷へ錦を飾る(こきょうへにしきをかざる):
郷里を出た人が、出世や成功を果たして晴れやかに帰ってくること。
「故郷に錦を飾る」ともいう。四字熟語では「衣錦還郷」。 - 一花咲かせる(ひとはなさかせる):
一時的にせよ大きな成功を収め、華々しく活躍すること。
「一花」は、ひとときの栄えのたとえ。 - 日の目を見る(ひのめをみる):
それまで埋もれていたものや不遇だった人が、世に出て認められること。 - 実を結ぶ(みをむすぶ):
努力したことが成果となって表れ、成功すること。
もとは、植物が実をつけること。 - 有終の美を飾る(ゆうしゅうのびをかざる):
最後まで物事をやり抜き、見事な結果で締めくくること。
「有終」は終わりをきちんと全うすること。四字熟語では「有終之美」と書く。 - 驥尾に付す(きびにふす):
すぐれた人のあとについて行動し、自分も何かを成し遂げること。
自分のことをへりくだって言う言葉。「驥」は一日に千里を走る名馬で、名馬の尾につかまったハエが遠くまで行ける意から。 - 一家を成す(いっかをなす):
学問や芸術などの分野で、独自の流派や立場を築き、その道の権威と認められること。
独立して家庭を持つ意味もある。 - 洛陽の紙価を高める(らくようのしかをたかめる):
書いた本の評判が高く、よく売れることのたとえ。
晋の左思の作品を人々が争って書き写したため、都の洛陽で紙の値段が上がったという故事から。「市価」と書くのは誤り。
勢いに乗る・好機をつかむ・先頭に立つことを表すことわざ・慣用句
- 飛ぶ鳥を落とす勢い(とぶとりをおとすいきおい):
権力や人気がきわめて盛んで、絶頂にあるさま。
空を飛ぶ鳥さえ落としてしまうほどの威勢という意から。 - 得手に帆を揚げる(えてにほをあげる):
得意なことを生かせる好機がめぐってきて、張り切って事に当たること。
「得手に帆を掛ける」ともいう。 - 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす):
人より先に動けば、相手を抑えて優位に立てるということ。
『史記』にある言葉。 - 虎穴に入らずんば虎子を得ず(こけつにいらずんばこじをえず):
危険を引き受ける覚悟がなければ、大きな成果は手に入らないというたとえ。
虎の穴に入らなければ、虎の子は捕まえられない意。後漢の班超が部下を奮い立たせた言葉。 - 鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ):
大きな集団で人の後ろについて回るより、小さな集団でも先頭に立つほうがよいという教え。
「鶏口」は鶏のくちばし、「牛後」は牛の尻。略して「鶏口牛後」ともいう。
成功の心得を表すことわざ
- 運根鈍(うんこんどん):
成功するのに要る三つのもの。運に恵まれること、根気、それに鈍いと思えるほどの粘り強さをいう。
「運鈍根」ともいう。 - 失敗は成功のもと(しっぱいはせいこうのもと):
失敗しても原因を見直して改めれば、かえって成功に近づくということ。
「失敗は成功の母」ともいう。
成功のあとの戒めを表すことわざ
- 勝って兜の緒を締めよ(かってかぶとのおをしめよ):
うまくいったときこそ気をゆるめず、いっそう用心せよという戒め。
戦に勝っても兜を脱がず、緒を締め直して敵の反撃に備えよという意から。 - 亢竜悔いあり(こうりょうくいあり):
高い地位や富を手にしきった者は、身の処し方を誤ると悔いを残すということ。
「亢竜」は天高く昇りつめた竜で、あとは下るしかないことから。『易経』にある言葉。
成功・出世の意味で使うと注意が要る言葉
成功や出世の話題で目にすることがあっても、意味にずれや悪い含みがあったり、誤用されやすかったりする言葉です。
- 流れに棹さす(ながれにさおさす):
時流にうまく乗って、物事を順調に進めること。
流れに逆らう意味で使うのは誤り。文化庁の令和7年度の世論調査では、逆の意味で使う人が約7割(68.9%)にのぼり、本来の意味で使う人(22.7%)を大きく上回った。 - 白羽の矢が立つ(しらはのやがたつ):
多くの人の中から、ある役目に特に選び出されること。
選ばれることを表す言葉で、出世や昇進そのものの意味はない。もとは、神が生け贄に望む娘の家に白羽の矢を立てるという言い伝えから、犠牲者として選ばれることを言った。 - 怪我の功名(けがのこうみょう):
失敗や、なにげなくしたことが、思いがけずよい結果を生むこと。
「怪我」は過ちの意。狙って得た手柄ではないという含みがあるので、人の成功をほめるのに使うと、偶然のおかげだと言うことになる。 - 二匹目の泥鰌を狙う(にひきめのどじょうをねらう):
一度うまくいったやり方で、もう一度同じように利益を得ようとすること。
「柳の下にいつも泥鰌はいない」から出た言葉で、同じ手が二度通じるとは限らないという含みがある。前向きな抱負の言葉には向かない。 - 下剋上(げこくじょう):
下の地位の者が上の者に打ち勝ち、権力や地位を奪い取ること。
「下克上」とも書き、転じて格下が格上に勝つ意味でも使う。出世の意味で使うと、上の者を倒して取って代わるという中心の意味が抜け落ちる。 - 一山当てる(ひとやまあてる):
投機などで、一か八かの勝負に出て大もうけすること。
鉱山を掘り当てる意から。こつこつ積み上げた成功には使わない。 - 青は藍より出でて藍より青し(あおはあいよりいでてあいよりあおし):
教えを受けた弟子が、師をしのぐほどすぐれた人物になることのたとえ。
青い染料は藍草から採るが、もとの藍より青いことから。「出藍の誉れ」ともいう。師と比べて言う言葉で、出世や成功そのものを表すわけではない。





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