意味
「大願成就」は、社寺で願をかけていた人が、その願いがかなったときに口にする言い方として定着しています。
思いつきの望みではなく、長く抱え続けてきた願いにだけ使う点に重みがあります。
「大願成就する」と動詞の形でも使い、読みは「たいがんじょうじゅ」です。
- 大願(たいがん):仏が人々を救おうとする誓い。大きな願い。
- 成就(じょうじゅ):望みどおりに成し遂げられること。
語源・由来
「大願成就」の「大願」は、もともと仏教の言葉です。
仏や菩薩が、すべての人を迷いから救おうとして立てる誓いを「大願」と呼びます。
『続日本紀』の天平十五年(七四三年)の記事には、この語を使った次の一文があります。
菩薩の大願を発して、盧舎那仏の金銅像一躯を造り奉る
大きな仏像を造ろうという誓いを立てた、という意味です。
そこから「大願」は、人が神仏に立てる大きな願いも指すようになり、その願いがかなうことを「大願成就」と言うようになりました。
使い方・例文
「大願成就」は、長く願い続けたことがかなった場面や、社寺で祈願する場面で使われます。
- 十年通い続けた甲子園で、ついに大願成就を果たした。
- 病が癒えて、家族そろって大願成就の礼参りに出かけた。
- 第一志望の合格通知が届き、祖母は大願成就だと涙ぐんだ。
小説での使用例
『夏の闇』(開高健)
長く望んでいたことがかなうと相手に告げる場面で使われています。
これまでのように日本を憎めなくなるよ。大願成就するんだからね
類義語・関連語
「大願成就」と同じく、願いがかなうことを表す言葉には以下のようなものがあります。
- 心願成就(しんがんじょうじゅ):
心の中で神仏に祈っていた願いが、その通りにかなうこと。 - 満願成就(まんがんじょうじゅ):
祈願した日数が満ちて、願いがかなうこと。 - 一念通天(いちねんつうてん):
強い決意で一心に励めば、どんな困難も成し遂げられること。 - 初志貫徹(しょしかんてつ):
最初に心に決めた志や目標を、最後まで貫き通すこと。
「大願成就」と「心願成就」の違い
どちらも願いがかなうことを言いますが、願いの中身が違います。
「大願成就」は、人生をかけるような大きな願いに使います。
「心願成就」は、心の中に秘めた個人的な願いに使います。
| 語句 | 願いの大きさ | もとの意味 |
|---|---|---|
| 大願成就 (たいがんじょうじゅ) | 大きな願い | 仏が人々を救う誓い |
| 心願成就 (しんがんじょうじゅ) | 心に秘めた願い | 心の中で神仏にかける願 |
英語表現
a dream come true
長く抱いてきた望みがそのまま形になったことを言う表現。
Opening her own bakery was a dream come true.
(自分のパン屋を開くことは、彼女にとって大願成就でした。)
「たいがん」と「だいがん」
「大」の字は、漢音で「たい」、呉音で「だい」と読みます。
仏教の言葉は呉音で読まれることが多く、「大乗」「大日如来」はどちらも「だい」です。
ところが「大願」は「たいがん」と読むのが一般的で、「だいがん」と読まれることもあります。
四字にした「大願成就」は「たいがんじょうじゅ」と読みます。









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