誰の目にも明らかな成功を収め、その力が周囲を圧倒している状態。
まるで空を飛ぶ鳥さえも、その威厳に恐れをなして落ちてしまうかのような、凄まじい活気や権力の高まりを、
「飛ぶ鳥を落とす勢い」(とぶとりをおとすいきおい)と言います。
意味・教訓
「飛ぶ鳥を落とす勢い」とは、権力や人気、威光などが非常に盛んで、絶頂期にあることを意味します。
空を自由に飛んでいる鳥でさえ、そのあまりの勢いや気圧されるような雰囲気によって落ちてしまうだろう、という誇張された比喩から生まれた言葉です。
主に、個人や組織の勢いが最高潮に達し、飛躍的な進歩や成功を遂げている状態を指して使われます。
語源・由来
「飛ぶ鳥を落とす勢い」の明確な出典となる特定の物語はありませんが、古くから圧倒的な権勢を象徴する表現として使われてきました。
軍記物語の『平家物語』の中では、栄華を極めた平家一門の凄まじい権力を「飛ぶ鳥をも落とす」といった言葉で形容しています。この描写が、のちに現代のような慣用句として定着したと考えられています。
本来は「空を飛ぶ鳥を、その威光だけで射落としてしまう」という、現実にはあり得ないほどの強大な影響力を示した比喩表現です。
使い方・例文
目覚ましい活躍を見せる人物や、世間を席巻する流行、急成長を遂げる組織などを説明する際に用いられます。
ビジネスシーンだけでなく、スポーツや芸能、学校生活における活躍など、勢いのある存在全般に使用できる言葉です。
例文
- 彼はデビュー以来、飛ぶ鳥を落とす勢いで連勝を重ねている。
- 飛ぶ鳥を落とす勢いだった人気俳優も、今は舞台で活躍中だ。
- 新サービスの大ヒットで、あの会社は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
- 当時の彼女の人気は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いだった。
類義語・関連語
「飛ぶ鳥を落とす勢い」と似た、勢いがきわめて盛んな状態を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 破竹の勢い(はちくのいきおい):
竹が割れる時のように、猛烈な勢いで突き進み、誰にも止められないさま。 - 日の出の勢い(ひのでのいきおい):
朝日が昇る時のように、これからますます盛んになっていく力強い勢い。 - 旭日昇天(きょくじつしょうてん):
天に昇る朝日のように、勢いがきわめて盛んであることのたとえ。 - 昇竜の勢い(しょうりゅうのいきおい):
竜が天に向かって昇っていくような、凄まじい上昇の勢い。
対義語
勢いが衰え、全盛期を過ぎてしまった状態を表す言葉です。
- 落日の勢い(らくじつのいきおい):
沈む太陽のように、かつての勢いが失われ、滅びに向かっている様子。 - 見る影もない(みるかげもない):
かつての華やかさや勢いがすっかりなくなり、惨めな状態になっていること。
英語表現
「飛ぶ鳥を落とす勢い」を英語で表現する場合、波に乗っている状態や絶頂期を指す言葉を使います。
Riding high
成功して意気揚々としている、あるいは波に乗って絶好調であることを意味する慣用句です。
「絶好調である」「人気を博している」というニュアンスで使われます。
- 例文:
The young entrepreneur is riding high after her success.
(その若手起業家は、成功を収めて飛ぶ鳥を落とす勢いだ。)
In one’s heyday
その人の全盛期や、最も勢いがあった時期を指す表現です。
「飛ぶ鳥を落とす勢い」の絶頂期そのものを指す場合に適しています。
- 例文:
He was a superstar in his heyday.
(彼は全盛期、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いのスーパースターだった。)
まとめ
「飛ぶ鳥を落とす勢い」という言葉は、時代の寵児とも呼べる存在の輝きを鮮やかに描き出します。周囲を圧倒するエネルギーは、時に多くの人を惹きつけ、時に強い畏怖の対象ともなるでしょう。
今この瞬間に全力を尽くし、最高の結果を出している様子を肯定する、非常に力強い日本語の表現と言えるかもしれません。







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