ことわざ 慣用句

梅は百花の魁

(うめはひゃっかのさきがけ)

梅がどの花よりも早く咲き、春の訪れを知らせること。先駆者の例え。


12文字の言葉 / 「う」から始まる言葉
梅は百花の魁 ことば
スポンサーリンク

意味

「梅は百花の魁(うめはひゃっかのさきがけ)」とは、梅の花が他のどの花にも先駆けて咲き、春の到来をいち早く告げるという意味で、物事の先駆者のたとえとしても使われます。
「百花(ひゃっか)」はあらゆる花のことで、「魁(さきがけ)」は集団の先頭に立つことや、物事の始まりを指します。

厳しい寒さに耐えていち早く花を咲かせる梅の姿から、転じて「先駆者」や「リーダー」としての気高さ、あるいは物事の始まりを象徴する言葉として使われます。

語源・由来

「魁」は、もとは羹あつものをくむ大きなひしゃくを指す字です。
頭の大きなひしゃくであることから「かしら」「さきがけ」の意味が生まれました。
ほかの花に先駆けて咲く梅を、この「さきがけ」の意味で「魁」と表しています。

「魁」には、北斗七星のうち、ひしゃくの水をくむ部分にあたる星を指す使い方もあります。
第1星だけを指す場合と、第1星から第4星までをまとめて指す場合があります。

使い方・例文

春の訪れを喜ぶ季節の挨拶としてはもちろん、勇気を持って新しいことに挑戦する人や、業界の先駆者を称える場面で用いられます。

  • 梅は百花の魁という言葉通り、庭の梅が咲き始めて春の気配を感じる。
  • 彼は梅は百花の魁のごとく、誰も手をつけていない新事業に真っ先に名乗りを上げた。
  • 厳しい不況下で新製品をヒットさせたあの企業は、まさに梅は百花の魁である。
スポンサーリンク

誤用・注意点

「魁」という言葉を、単なる「最初」という意味だけで使うと、この言葉が持つ「気高さ」が薄れてしまうことがあります。
この言葉は、単に順番が一番目であるという事実だけでなく、「厳しい環境(寒さ)に耐えて、周囲に希望(春)を与える」というニュアンスが含まれています。

そのため、単なる行列の先頭や、準備不足でフライングしたような場面で使うのは不適切です。
称賛の意を込めて使うのが、この言葉本来の品格を保つ方法と言えます。

類義語・関連語

「梅は百花の魁」と似た意味や、関連する情景を持つ言葉には以下のようなものがあります。

  • 暗香浮動(あんこうふどう):
    どこからともなく梅の香りが漂ってくる様子。春の兆しを感じる表現です。
  • 開路先鋒(かいろせんぽう):
    大軍の先頭に立って道を開くこと。転じて、物事の先駆者のことです。
  • 花の兄(はなのあに):
    どの花よりも先に咲くことから、梅の別称として使われます。
  • 春の先駆け(はるのさきがけ):
    春が来たことを真っ先に知らせる事象や植物のこと。

対義語

「梅は百花の魁」の「真っ先に咲く」という性質とは対極にある言葉を紹介します。

  • 大器晩成(たいきばんせい):
    立派な人物は、人より遅れて大成するということ。早く咲く梅に対し、じっくりと時間をかけて完成することを指します。
  • 花の弟(はなのおとと):
    多くの花が春に咲くのに対し、秋に咲く菊を指す言葉です。

新島襄は寒梅の漢詩で梅は百花の魁と詠んだ

同志社の創立者、新島襄にいじまじょうは、晩年に寒梅を詠んだ五言絶句を作っています。
詩は「庭上一寒梅 笑侵風雪開 不争又不力 自占百花魁」の4句です。
庭の一本の寒梅が笑うように風雪をおかして咲き、争いもせず力みもせずに、おのずからあらゆる花の先頭の座を占める、という内容です。

新島は明治21年(1888年)頃にも「真理似寒梅 敢侵風雪開」と、真理を寒梅にたとえた句を作っています。

スポンサーリンク

コメント

URLをコピーしました