アフリカの有名なことわざ30選|知恵・共同体・自然観を学ぶ

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アフリカの有名なことわざ 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語

広大なサバンナ、熱帯雨林、そして悠久の歴史を持つアフリカ大陸。
文字を持たなかった多くの部族において、「アフリカのことわざ」は、生きるための知恵、自然の摂理、そして共同体の掟を次世代へ伝える「口承文学」として重要な役割を果たしてきました。

「子供一人を育てるには、村一つが必要だ」。
この有名な言葉に象徴されるように、アフリカのことわざには、個人よりも「繋がり(ウブントゥ)」を重んじ、自然と共生する力強い哲学が宿っています。

今回は、数あるアフリカの国々や部族(アカン族、ヨルバ族、スワヒリ語圏など)に伝わる言葉の中から、現代の私たちにも深い気づきを与えてくれる有名なことわざ30選を、英語訳とカタカナ読みを交えて解説します。

もくじ
  1. 【共同体・人間関係】「ウブントゥ(優しさ)」の精神
  2. 【自然・動物】サバンナの掟と知恵
  3. 【経験・知恵】長老(エルダー)の教え
  4. 【行動・忍耐】一歩ずつの前進
  5. 【特集記事】
    世界の有名なことわざ

【共同体・人間関係】「ウブントゥ(優しさ)」の精神

「私は、私たちがいるから、私である」。アフリカ哲学の根幹をなす、相互扶助と連帯の教えです。

子供一人を育てるには、村一つが必要だ

It takes a village to raise a child.
(イット・テイクス・ア・ヴィレッジ・トゥ・レイズ・ア・チャイルド)

子育ては親だけで完結するものではなく、祖父母、隣人、地域社会全体が関わり、見守ることで初めて健全な人間が育つ。
アフリカ全土で共有されている、共同体による教育の重要性を説く最も有名なことわざです。

速く行きたいなら一人で行け、遠くへ行きたいなら一緒に行け

If you want to go fast, go alone. If you want to go far, go together.
(イフ・ユー・ウォント・トゥ・ゴー・ファスト・ゴー・アローン。イフ・ユー・ウォント・トゥ・ゴー・ファー・ゴー・トゥギャザー)

短期的な成功なら独力でも可能だが、人生のような長い旅路や大きな目標を達成するには、仲間と協力し合うことが不可欠である。
ビジネスやチームビルディングの場でも世界中で引用される名言です。

腕輪一つでは、音は鳴らない

A single bracelet does not jingle.
(ア・シングル・ブレスレット・ダズ・ノット・ジングル)

「孤掌鳴り難し」
腕輪は複数重なって初めて美しい音色を奏でる。人間も一人では何もできず、他者と関わり、協力し合うことで初めて成果や調和が生まれるという意味です。

集団で川を渡れば、ワニに食べられない

Cross the river in a crowd and the crocodile won’t eat you.
(クロス・ザ・リバー・イン・ア・クラウド・アンド・ザ・クロコダイル・ウォント・イート・ユー)

「赤信号みんなで渡れば怖くない」とは違い、こちらは「団結こそが安全と生存の鍵である」というポジティブな教訓。
一人では危険な自然界の脅威も、コミュニティの結束があれば乗り越えられることを教えています。

ミルクと蜂蜜は色が違うが、同じ器で仲良く暮らす

Milk and honey have different colors, but they share the same house peacefully.
(ミルク・アンド・ハニー・ハヴ・ディファレント・カラーズ・バット・ゼイ・シェア・ザ・セイム・ハウス・ピースフリー)

肌の色、部族、考え方が違っても、互いを尊重し合えば平和に共存できる。
多様性を受け入れ、調和することの美しさを、日常の食材に例えた平和へのメッセージです。

家族は森のようなもの

Family is like a forest.
(ファミリー・イズ・ライク・ア・フォレスト)

「遠くから見ると密生して一つに見えるが、近づくと一本一本の木が独立している」。
家族は結束しているが、同時に個々の人格や生活も尊重されるべき存在だという、家族関係の絶妙なバランスを説いています。

友人を愛しなさい、しかし竹垣はそのままに

Love your friend, but keep the fence.
(ラヴ・ユア・フレンド・バット・キープ・ザ・フェンス)

親しき仲にも礼儀あり
どれほど親しい友人であっても、プライバシーや境界線(フェンス)を守ることは、良好な関係を長く続けるために必要不可欠です。

嘘には花が咲くかもしれないが、実はならない

A lie may have flowers, but no fruit.
(ア・ライ・メイ・ハヴ・フラワーズ・バット・ノー・フルーツ)

嘘をつくことで一時的に話が盛り上がったり(花が咲く)、その場を繕えたりするかもしれないが、最終的に信頼や成果(実)を得ることはできない。
誠実さの重要性を説く言葉です。

【自然・動物】サバンナの掟と知恵

ライオンや象、カメレオンなど、身近な動物たちの行動から学ぶ人生の教訓です。

象が戦う時、苦しむのは草だ

When elephants fight, it is the grass that suffers.
(ウェン・エレファンツ・ファイト・イット・イズ・ザ・グラス・ザット・サファーズ)

「鯨の喧嘩に海老の背が裂ける」。
権力者同士や大国同士が争う時、一番の被害を受けて踏みつけにされるのは、いつも弱い立場にある一般の人々(草)である。
ケニアなどで知られる、社会の不条理を鋭く突いた言葉です。

吠えるライオンは獲物を殺さない

A roaring lion kills no game.
(ア・ロアリング・ライオン・キルズ・ノー・ゲーム)

能ある鷹は爪を隠す
獲物を狩るライオンは音もなく忍び寄る。大声で吠えて威嚇ばかりしている者は、実際には何も行動せず、成果も上げられない。
口先だけの人への批判として使われます。

ライオンでさえ、ハエから身を守る

Even the lion protects himself from flies.
(イーヴン・ザ・ライオン・プロテクツ・ヒムセルフ・フロム・フライズ)

油断大敵
百獣の王ライオンであっても、小さなハエを追い払う努力は怠らない。
どれほど偉大な人物でも、小さな問題やリスクを軽視してはいけないという戒めです。

カメレオンは大地に合わせて色を変える

The chameleon changes color to match the earth.
(ザ・カメレオン・チェンジズ・カラー・トゥ・マッチ・ジ・アース)

郷に入っては郷に従え
大地がカメレオンに合わせて色を変えることはない。
環境や状況が変わった時、自分がそれに適応して変化することこそが生き残る道であるという、適応能力の重要性を説いています。

穏やかな海は、熟練した船乗りを育てない

Smooth seas do not make skillful sailors.
(スムース・シーズ・ドゥ・ノット・メイク・スキルフル・セイラーズ)

可愛い子には旅をさせよ
何も問題のない平穏な環境にいては、人は成長しない。
困難やトラブルこそが、人を強くし、技術を磨くための絶好の機会であるという励ましの言葉です。

根が深ければ、風を恐れる理由はない

When the roots are deep, there is no reason to fear the wind.
(ウェン・ザ・ルーツ・アー・ディープ・ゼア・イズ・ノー・リーズン・トゥ・フィア・ザ・ウィンド)

しっかりとした基礎、強い信念、あるいは家族や共同体との深い絆(根)があれば、どんな試練や逆境(風)が吹いても倒れることはない。
目に見えない土台作りの大切さを教えてくれます。

太陽が昇る前に走れ

Run before the sun rises.
(ラン・ビフォア・ザ・サン・ライズズ)

サバンナの動物たちは、太陽が昇りきる前の涼しい時間に活動します。
「早起きは三文の徳」。好機を逃さず、誰よりも早く行動を開始せよという教えです。

【経験・知恵】長老(エルダー)の教え

文字のない文化において「老人」は「図書館」でした。経験に勝る知識はないという教えです。

知恵はバオバブの木のようなもの

Wisdom is like a baobab tree; no one individual can embrace it.
(ウィズダム・イズ・ライク・ア・バオバブ・ツリー・ノー・ワン・インディヴィデュアル・キャン・エンブレイス・イット)

バオバブの巨木は、一人の人間が腕を回しても抱えきれない。
同様に、世界の知恵や真理はあまりに広大で、たった一人ですべてを知ることは不可能である。だからこそ、謙虚に他人から学び、協力する必要があるのです。

老人が座って見るものは、若者が立っても見えない

What the old man sees sitting, the young man cannot see standing.
(ホワット・ジ・オールド・マン・シーズ・シッティング・ザ・ヤング・マン・キャノット・シー・スタンディング)

亀の甲より年の功
若者は視力も良く体力もあるが、老人が長い人生経験を通じて培った「洞察力」や「予見力」には及ばない。
年長者への敬意を表す代表的なことわざです。

知識は庭、耕さなければ収穫できない

Knowledge is like a garden: If it is not cultivated, it cannot be harvested.
(ナレッジ・イズ・ライク・ア・ガーデン・イフ・イット・イズ・ノット・カルティヴェイテッド・イット・キャノット・ビー・ハーヴェステッド)

知識は持っているだけでは意味がない。
庭を手入れするように、常に学び続け、実践(耕作)して初めて、人生の役に立つ成果(収穫)が得られる。

質問する者は、答えを避けられない

He who asks questions cannot avoid the answers.
(ヒー・フー・アスクス・クエスチョンズ・キャノット・アヴォイド・ジ・アンサーズ)

「聞くは一時の恥」。
真実を知ろうと問いかければ、時に聞きたくない厳しい答えが返ってくることもある。
学ぶことには、真実を受け入れる覚悟が必要だという深い洞察です。

迷うことは、道を知ること

To get lost is to learn the way.
(トゥ・ゲット・ロスト・イズ・トゥ・ラーン・ザ・ウェイ)

失敗は成功のもと
道に迷うという失敗をして初めて、正しい道や地形を深く理解することができる。
間違いを恐れず挑戦することを肯定する言葉です。

愚か者は話し、賢者は聞く

The fool speaks, the wise man listens.
(ザ・フール・スピークス・ザ・ワイズ・マン・リッスンズ)

沈黙は金
愚かな人は自分の知識をひけらかそうと喋り続けるが、賢い人は他人の話に耳を傾け、そこから学ぼうとする。
傾聴の姿勢こそが知恵の源です。

【行動・忍耐】一歩ずつの前進

壮大な自然の中で生きるからこそ、焦らず着実に進むことの強さを知っています。

象を食べる最良の方法は、一口ずつ

The best way to eat an elephant is one bite at a time.
(ザ・ベスト・ウェイ・トゥ・イート・アン・エレファント・イズ・ワン・バイト・アット・ア・タイム)

千里の道も一歩から
象のように巨大で圧倒されるような課題も、一度には解決できない。
一口ずつ(少しずつ)着実に処理していけば、いつかは必ず完遂できるという、タスク管理の極意です。

忍耐強い者は、熟した果実を食べる

A patient man will eat ripe fruit.
(ア・ペイシェント・マン・ウィル・イート・ライプ・フルーツ)

果報は寝て待て
焦って青い実をとっても美味しくない。じっと待つことができる人だけが、最も美味しい成功(熟した実)を手にすることができる。

転んだ場所ではなく、滑った場所を見よ

Do not look where you fell, but where you slipped.
(ドゥ・ノット・ルック・ウェア・ユー・フェル・バット・ウェア・ユー・スリップト)

失敗したという「結果」を嘆くのではなく、なぜ失敗したのかという「原因(滑った場所)」に目を向けなさい。
同じ過ちを繰り返さないための、建設的な反省の促しです。

夜がどんなに長くても、日は必ず昇る

No matter how long the night, the day is sure to come.
(ノー・マター・ハウ・ロング・ザ・ナイト・ザ・デイ・イズ・シュア・トゥ・カム)

「明けない夜はない」
どんなに辛く長い苦難の時でも、永遠に続くことはない。必ず希望の朝が訪れる。
困難な状況にある人々を勇気づける、普遍的な希望の言葉です。

去年の夏のために、家は建てられない

You cannot build a house for last year’s summer.
(ユー・キャノット・ビルド・ア・ハウス・フォー・ラスト・イヤーズ・サマー)

覆水盆に返らず
過ぎ去った過去のために準備をしても意味がない。
過去を悔やむのではなく、これから来る未来(次の冬や夏)のために備えなさいという、未来志向の教えです。

地面から飛び立ち、蟻塚に降りた鳥は、まだ地上にいる

A bird that flies off the earth and lands on an anthill is still on the ground.
(ア・バード・ザット・フライズ・オフ・ジ・アース・アンド・ランズ・オン・アン・アントヒル・イズ・スティル・オン・ザ・グラウンド)

五十歩百歩
少しばかり上昇したつもりでも、本質的には変わっていない。
小さな変化や成功で満足してはいけない、あるいは見かけの変化に騙されてはいけないという戒めです。

【特集記事】
世界の有名なことわざ

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