中学受験の国語では、ことわざに関する問題が頻繁に出題されます。
ことわざを正しく理解し、使いこなせるかどうかは、得点に大きく影響するだけでなく、文章全体の読解力を高める上でも非常に重要です。
「ことわざは数が多いから、覚えるのが大変…」と苦手意識を持っている人もいるかもしれません。
しかし、中学受験でよく出ることわざには一定の傾向があり、頻出度の高いものから効率よく覚えていくことが可能です。
今回は、中学受験の国語で必ずと言っていいほど出題される、最重要のことわざを厳選して紹介します。
意味や例文を確認するだけでなく、効果的な覚え方や、実際の入試問題の出題パターンも解説します。
ことわざをマスターして、国語の得点アップ、そして志望校合格を目指しましょう!
中学受験でよく出題されることわざ一覧
ここでは、中学受験で特によく出題されることわざを、ジャンル別に分けて紹介します。
各ことわざの詳しい意味や使い方は、リンク先の個別ページで確認してください。
動物が登場することわざ
- 猫に小判:江戸時代から使われる言葉で、人には貴重な小判も猫には価値がわからないように、値打ちのわからない相手には何を与えても無駄なことのたとえ。
- 豚に真珠:新約聖書のマタイ伝にある「豚に真珠を投げるな」という言葉に由来する表現で、「猫に小判」とほぼ同じ意味だが、日本ではなく西洋生まれの言い回し。
- 犬も歩けば棒に当たる:うろつく犬が棒でたたかれた江戸時代の経験からできた言葉で、本来は出歩くと災難に遭うという意味だったが、今では思わぬ幸運に出会うという逆の意味でも使う。
- 馬の耳に念仏:中国の詩人・李白の詩にある「東風の馬耳を射るがごとし」がもとといわれる言葉で、意見や忠告をどれだけ聞かせても全く効き目がないことを表す。
- カラスの行水:カラスが水浴びをするとすぐ切り上げて飛び去る様子から生まれた表現で、お風呂に入ってもすぐに出てしまう人をからかい気味に指す言葉。
- 猿も木から落ちる:木登りが得意な猿でも時には失敗して落ちることがあるという例えから生まれた言葉で、その道の名人でも思わぬ失敗をすることがあるという戒め。
- 鵜のまねをする烏:水に潜って魚を捕る鵜の真似をしても、烏には同じようにできないという情景から生まれた言葉で、自分の力量を顧みずに人まねをして痛い目に遭うことを指す。
- とんびに油揚げをさらわれる:空を飛ぶとんびが人の手にある油揚げを一瞬でさらう様子から生まれた表現で、大事にしていたものを思いがけず横から奪われることを指す。
- 虎の威を借る狐:中国の書物『戦国策』にある、虎に捕まった狐が「自分は百獣の王だ」とうそぶいて虎を従えたふりをした寓話に由来し、他人の権力をかさに着て威張る様子を表す。
- 飼い犬に手を噛まれる:大事に飼って世話をしていた犬が思いがけず飼い主の手に噛みつく光景から生まれた言葉で、目をかけてきた相手から不意に裏切られることを指す。
自然・天候に関する ことわざ
- 雨降って地固まる:雨が降ってぬかるんだ地面も乾けば以前より固く締まることから生まれた表現で、もめごとやトラブルの後は、かえって物事がうまく収まりやすいという教え。
- 焼け石に水:焼けて熱くなった石に少しの水をかけてもすぐ蒸発してしまう様子から生まれた言葉で、わずかな援助や努力では十分な効果が出ないことを指す。
- 月とスッポン:どちらも丸い形をしているのに、明るく美しい月と地味な甲羅のスッポンでは大きな差があることから生まれた表現で、外見は似ていても中身がかけ離れていることを表す。
- 風前の灯火:風の吹きすさぶ場所に置かれた灯火が今にも消えそうな様子から生まれた言葉で、危険がすぐそばまで迫り、物事が長く続かなそうな状況を表す。
- 付和雷同:雷が鳴ると万物がそれに応じて鳴り響くという古い中国の考え方に由来する言葉で、自分の考えを持たず、他人の意見や周囲の雰囲気にすぐ同調してしまうことを指す。
体の一部を使ったことわざ
- 頭隠して尻隠さず:危険を感じたキジが頭だけ草むらに隠し、長い尾を隠しきれずにいる様子から生まれた表現で、悪事や欠点の一部だけ隠して満足し、全体は隠せていない様子を指す。
- 目から鱗が落ちる:新約聖書にある、目が見えなかった人物の目から鱗のようなものが落ちて見えるようになったという逸話に由来し、あるきっかけで急に物事の真相がわかるようになることを表す。
- 口は災いの元:不用意な一言がもとで思わぬトラブルを招くことがあるという経験から生まれた言葉で、話す内容には常に気を配るべきだという戒めを表す。
- 耳にたこができる:同じ場所を繰り返しこすられた皮膚に「たこ」ができる様子を耳に見立てた表現で、同じ小言や話を何度も聞かされてうんざりする気持ちを表す。
- 鼻が高い:得意な気持ちになると自然と顔が上を向き鼻先が高く見えることから生まれた表現で、何かを誇らしく思い、少し得意げになっている様子を表す。
- 歯が立たない:硬い食べ物を噛もうとしても歯が立たず刃こぼれする様子から生まれた表現で、相手や物事が自分の実力をはるかに超えていてかなわないことを指す。
- 腹を割って話す:自分のお腹を割って中身をすべて見せるという大胆な例えから生まれた表現で、隠し事をせず本音を打ち明けて相手と向き合う様子を指す。
- 肩を並べる:二人が横に並んで肩の高さがそろう様子から生まれた表現で、実力や地位が近づき、互いに対等な立場に立てるようになることを指す。
数字の入ったことわざ
- 一石二鳥:17世紀のイギリスのことわざ「一つの石で二羽の鳥を落とす」を訳した四字熟語で、一つの行動によって同時に二つの利益を得られることを表す。
- 二度あることは三度ある:一度や二度起きた出来事は三度目も起こりやすいという経験則から生まれた言葉で、同じ失敗を繰り返さないよう用心を促す意味でも使われる。
- 百聞は一見に如かず:中国の歴史書『漢書』趙充国伝にある「百聞は一見に如かず」という言葉に由来し、人から百回話を聞くより自分の目で一度確かめる方が確実だという教え。
- 一期一会:茶道の心得として広まった言葉で、目の前の出会いは二度と同じ形では訪れないと考え、一つひとつの機会を大切にする心構えを表す。
- 十人十色:十人いれば好みや考え方も十通りあるという単純な数え方から生まれた表現で、人それぞれの個性や価値観の違いを尊重すべきだという考え方を表す。
その他の重要ことわざ
- 石の上にも三年:冷たい石も三年座り続ければ暖まるという想像から生まれたとされる言葉で、つらい状況でも辛抱強く続ければいつか報われるという教え。
- 急がば回れ:危険な近道より、遠回りでも安全な道を選ぶ方が結局は早く着くという昔の旅人の知恵から生まれた言葉で、急ぐときこそ確実な方法を選ぶべきだという教え。
- 転ばぬ先の杖:転んでけがをする前にあらかじめ杖を用意しておくという用心深さから生まれた表現で、失敗や事故が起きる前に手を打っておく大切さを表す。
- 情けは人の為ならず:鎌倉時代の軍記物語『曽我物語』に見える言葉で、人にかけた情けは巡り巡っていつか自分に返ってくるという意味だが、逆の意味に誤解されやすいので注意したい。
- 善は急げ:良いと思ったことは迷っているうちに機会を逃してしまうという経験から生まれた言葉で、迷いを捨ててすぐに行動へ移すことの大切さを表す。
- 覆水盆に返らず:中国古代の書物にある、出世した太公望がこぼした水を盆に戻せるかと去った妻に問うた故事に由来し、一度してしまったことは取り返しがつかないという教え。
- 絵に描いた餅:紙に描かれた餅がどれだけ美味しそうに見えても実際には食べられないことから生まれた表現で、計画や理想倒れで実現の見込みがないもののたとえ。
- 時は金なり:アメリカの政治家ベンジャミン・フランクリンの言葉「Time is money」を訳したことわざで、時間はお金と同じくらい貴重で無駄にしてはいけないという教え。
- 隣の芝生は青い:隣の家の芝生の方が自分の庭より青々として見えるという情景から生まれた表現で、他人の持ち物や境遇は実際以上に良く見えてしまう心理を表す。
- 果報は寝て待て:幸運や果報は人の力だけでどうにかなるものではなく、あせらず気長に待つのがよいという昔からの知恵を表した言葉。
ことわざの効果的な覚え方 – 3つのステップ
ことわざを効率よく覚えるための、3つのステップを紹介します。
- まずは意味を理解する:
ことわざの文字面だけでなく、そのことわざが伝えたい意味をしっかりと理解しましょう。今回紹介したリストのように、グループ分けして覚えるのも効果的です。 - 語源と例文で使い方を覚える:
ことわざが実際にどのように使われるのか、例文を通して確認しましょう。自分で例文を作ってみるのも良い練習になります。 - 繰り返し復習する:
一度覚えただけでは忘れてしまいがちです。カードや問題集などを活用して、繰り返し復習しましょう。
中学受験 ことわざ問題の出題例
実際の中学受験では、ことわざはどのように出題されるのでしょうか?
典型的な問題パターンをいくつか見てみましょう。
問題例1
次のことわざの意味として最も適切なものを選びなさい。
「猫に小判」
ア. 価値のあるものを大切にすること。
イ. 価値のわからない人に貴重なものを与えても無駄なこと。
ウ. どんなものでも役に立つこと。
エ. 努力すれば必ず報われること。
【解答】 イ
問題例2
次の文に合うことわざを書きなさい。
いくら注意しても効果がない。まさに、( )だ。
【解答例】 馬の耳に念仏
【問題例3】
次の会話文を読み、空欄に当てはまる最も適切なことわざを、後の選択肢から選びなさい。
Aさん:「サッカーの試合、うまくいかなかったけど最後まで全力で頑張ったよ!」
Bさん:「それは素晴らしいね! まさに( )だね。」
ア. 石の上にも三年
イ. 七転び八起き
ウ. 馬の耳に念仏
エ. 二兎を追う者は一兎をも得ず
【解答】 イ(七転び八起き)
問題例4
次の文中のことわざの使い方として、誤っているものを選びなさい。
ア. 彼はいつも自慢話ばかりしている。まさに「口は災いの元」だ。
イ. 努力が実って、志望校に合格できた。「石の上にも三年」だ。
ウ. 彼女は、初めてスキーをしたのに、とても上手に滑っていた。「猿も木から落ちる」とはこのことだ。
エ. 重要な書類をなくしてしまった。「覆水盆に返らず」で、もうどうしようもない。
【解答】
ウ (「猿も木から落ちる」は、名人が失敗することのたとえ。初めての人が上手なのは、このことわざには当てはまらない)
問題例5
次の二つの文が、ほぼ同じ意味になるように、( )に適切なことわざを入れなさい。
次の文とほぼ同じ意味になるように、( )に当てはまることわざを、後の選択肢から選びなさい。
- 一度失敗してしまったことは、もう元には戻せない。
- ( )。
ア. 雨降って地固まる
イ. 覆水盆に返らず
ウ. 急がば回れ
エ. 石の上にも三年
【解答】 イ
問題例6
(記述問題)
「情けは人のためならず」ということわざの意味を説明しなさい。
【解答例】
人に親切にすれば、その親切が巡り巡って、やがて自分に良い報いとなって返ってくる、という意味。
問題例7
(記述問題)
「急がば回れ」ということわざの意味を説明しなさい。
【解答例】
- 近道は工事中だった。急がば回れで、遠回りして行くことにした。
- 難しい問題は、急がば回れで、基礎からじっくりと復習したほうがいい。
まとめ
中学受験国語で頻出の「ことわざ」は、合否を分ける重要な要素です。
この記事で紹介した頻出ことわざをしっかり覚え、問題演習を繰り返すことで、国語の得点力を向上させることができます。
ことわざ学習を通して語彙力や読解力を高め、自信を持って入試本番に臨んでください。









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