ことわざ 慣用句

鳶に油揚げをさらわれる

(とんびにあぶらあげをさらわれる)

大切なものを不意に横から奪い取られること。

異形:とんびに油揚げをさらわれる/鳶に油揚げを攫われる

15文字の言葉 / 「と・ど」から始まる言葉
鳶に油揚げをさらわれる ことば
スポンサーリンク

意味

「鳶に油揚げをさらわれる(とびにあぶらあげをさらわれる/とんびにあぶらあげをさらわれる)」とは、自分が手にするはずだったものや、大切に持っていたものを、不意に横から奪い取られることのたとえです。

単に「盗まれる」というだけでなく、相手のすばやい動きに翻弄され、抵抗する間もなくあっけなく失ってしまうというニュアンスが含まれます。
また、思いがけず横取りされて、呆然とする様子を言うこともあります。

語源・由来

「とんびに油揚げをさらわれる」の語源は、身近な野鳥であるトビ(トンビ)の習性にあります。

トンビはタカ科の鳥で、非常に目が良く、高い空を旋回しながら地上や水辺の獲物を探します。
人間が手に持っている食べ物、特にキツネの好物であり供え物としても一般的だった「油揚げ」などを、一瞬の隙を突いて急降下し、鋭い爪でひったくっていく光景は古くからよく見られました。

このように、空中で獲物を狙っていた者に、予期せぬタイミングで大切なものを奪い去られる驚きと喪失感が、言葉の由来となっています。

空を舞うトビ
トビ(江ノ島)
(写真:sota、Wikimedia Commons/CC BY-SA 2.0)

使い方・例文

自分が主導権を握っていたはずの場面や、当然手に入ると思っていたものが他人の手に渡ってしまった状況で使われます。

  • 欲しかった商品を、とんびに油揚げをさらわれるように横から買われた。
  • 自分の手柄を、同僚にとんびに油揚げをさらわれるように横取りされた。
  • 最後の唐揚げを、妹にとんびに油揚げをさらわれるように食べられた。

誤用・注意点

この言葉は、あくまで「不意に横から奪われる」「あっけなく失う」という状況を指すものです。

そのため、単に相手の実力を称賛する場面や、正当な競争で負けただけの時に使うのは不適切です。

スポンサーリンク

類義語・関連語

「とんびに油揚げをさらわれる」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 出し抜かれる(だしぬかれる):
    相手に先を越されたり、意表を突かれたりして、利益やチャンスを奪われること。
  • 寝耳に水(ねみみにみず):
    予期せぬ出来事が突然起こり、ひどく驚くこと。
  • 足をすくわれる(あしをすくわれる):
    隙を突かれて、有利だった状況を急にひっくり返されること。
  • お株を奪われる(おかぶをうばわれる):
    その人の得意技や専売特許だったものを、他人がより鮮やかにやってのけること。

対義語

「とんびに油揚げをさらわれる」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 先んずれば人を制す(さきんずればひとをせいす):
    他人よりも先に手を打てば、有利な立場に立ち、相手をコントロールできるということ。
  • 漁夫の利(ぎょふのり):
    当事者同士が争っている隙に、第三者が苦労せず利益を横取りすること。

英語表現

「とんびに油揚げをさらわれる」を英語で表現する場合、以下の表現がニュアンスに近いです。

Have something snatched away from right under one’s nose

「鼻の先から何かをひったくられる」という直訳で、目の前にあったものを一瞬で奪われる様子を表します。

I had the contract snatched away from right under my nose by a rival company.
(ライバル会社に、とんびに油揚げをさらわれるように契約を取られた。)

鳶に油揚げをさらわれる、実際のトビは死骸を拾う鳥

トビは、生きた獲物を追う力よりも、死んだ魚や動物の死骸を見つけて食べる性質が強い鳥です。
繁殖期には小型の哺乳類やヘビなども捕らえますが、ふだんは落ちているものを拾う場面が多く見られます。

人の食べ物の味を覚えた個体は、背後の上空から急降下して手元のものを奪います。
神奈川県や千葉県鴨川市は、海辺で食べ歩きをしないよう住民や観光客に呼びかけています。

スポンサーリンク

コメント

URLをコピーしました