四字熟語

十人十色

(じゅうにんといろ)

考え方や好みが人によってそれぞれ異なること。


8文字の言葉 / 「し・じ」から始まる言葉
十人十色 ことば
スポンサーリンク

意味

「十人十色(じゅうにんといろ)」とは、考え方、好み、性質、外観などが、人によってそれぞれ異なっていることを指します。

  • 十人(じゅうにん):数が多いことの例え。
  • 十色(といろ):十通りの性質やあり方の例え。

「十人は十の色(個性)を持っている」という言葉通り、多様性を肯定する際や、意見が一致しないことを当然の前提とする際に用いられます。

語源・由来

「十色」の「と」は「十」の和語の読みで、「十人寄れば十色」という形でも言います。

明治の小説にも使われており、夏目漱石『吾輩は猫である』には、猫の「吾輩」が、猫もそれぞれに違うと語る次の一節があります。

猫の社会に這入はいって見るとなかなか複雑なもので十人十色という人間界の語ことばはそのままここにも応用が出来るのである。
(『吾輩は猫である』1905〜06年)

使い方・例文

「十人十色」は、他者との違いを「個性」としてポジティブに捉える場面や、一般的な傾向を述べる場面で使われます。

  • 兄弟でも将来の夢は十人十色だ。
  • 意見が分かれるのは、十人十色の証拠である。
  • 十人十色なライフスタイルに合わせた提案をする。
  • 趣味の楽しみ方は、まさに十人十色と言える。

誤用・注意点

「十人十色」は多様性を認める言葉ですが、「バラバラでまとまりがない」という否定的な文脈で多用すると、嫌味に聞こえる場合があります。

また、数字の「十」を「百」に変えた「百人百様」も同じ意味で使われますが、これを混同して「百人十色」や「十人百様」とするのは誤りです。

スポンサーリンク

類義語・関連語

「十人十色」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 三者三様(さんしゃさんよう):
    考え方ややり方が、人によってそれぞれ異なっていること。
  • 千差万別(せんさばんべつ):
    多くのものが、種類や性質の上でそれぞれに違っていること。

「十人十色」と類義語の違い

「十人十色」「三者三様」「千差万別」は、いずれも「違い」を表しますが、対象やニュアンスが異なります。

語句主な対象ニュアンス・使い分け
十人十色
(じゅうにんといろ)
個人の好み・性格・価値観「みんな違って当たり前」という、個性を肯定する温かい響き。
三者三様
(さんしゃさんよう)
具体的な行動・やり方・選択その場にいる数人の「やり方」がバラバラであることを客観的に示す。
千差万別
(せんさばんべつ)
物事の状態・品質・人間全般人間に限らず、多種多様なバリエーションが膨大にあることを強調する。

対義語

「十人十色」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。

  • 千篇一律(せんぺんいちりつ):
    どれも同じようで、変化がなくおもしろみのないこと。
  • 画一的(かくいつてき):
    すべてが一定の型にはまっていて、個性のない様子。
  • 右へ倣え(みぎへならえ):
    自分独自の考えを持たず、他人の言動をそのまま真似すること。

英語表現

「十人十色」を英語で表現する場合、以下の表現が適切です。

So many men, so many minds

「人それぞれに考えがある」
「十人十色」の直訳に近い定型句です。

They all have different ideas; so many men, so many minds.
(彼らは皆違う考えを持っている。まさに十人十色だ。)

To each his own

「人それぞれ(の好みがある)」
相手の風変わりな趣味や、理解しがたい選択を「まあ、人それぞれだよね」と認める際の口語表現です。

I don’t like it, but to each his own.
(私は好きではないが、十人十色だ。)

『十人十色』の色は、色鉛筆の色ではない

「十人十色」の「色」は、色彩そのものではなく、姿かたちや種類を指します。
「色とりどり」「異色」「特色」などの「色」も同じ使い方です。

似た形の言い方に「三者三様」や「千差万別」があります。
「十人十色」と「三者三様」が人について言うのに対し、「千差万別」は物事についても使います。

スポンサーリンク

コメント

URLをコピーしました