私たちの周りを見渡してみると、色、形、考え方など、驚くほど多くの「違い」に満ちています。
「多種多様(たしゅたよう)」は、まさにその状態を表す便利な四字熟語です。
今回は、「多種多様」の基本的な意味から、構成、具体的な使い方、さらには類義語や英語表現まで、分かりやすく解説していきます。
もくじ
「多種多様」の意味・教訓
「多種多様」とは、種類や性質が非常に多く、さまざまであることを意味します。
似たものが少なく、色々なものが混在している様子を表す言葉です。
物事、人々、意見、文化など、あらゆる対象の「豊富さ」や「幅広さ(多様性)」を示す際に広く使われます。
「多種多様」の語源 – 漢字の構成
「多種多様」は、それぞれの漢字が持つ意味を組み合わせることで、全体の意味を強めています。
- 多(た):数が多いこと。
- 種(しゅ):しゅるい。タイプ。
- 多(た):数が多いこと。
- 様(よう):ありさま。様子。様式。
つまり、「種類が多く、様子も多い」となり、そこから「非常に多くの種類があって、さまざまである」という意味が生まれました。
使用される場面と例文
ビジネスシーンから日常生活まで、非常に幅広く使われる言葉です。
人々のニーズ、商品のラインナップ、生物の種類、文化のあり方など、「バラエティに富んでいる」ことを表現したい時に用います。
例文
- 「現代社会では、人々の価値観も「多種多様」になっている。」
- 「その店は、「多種多様」なスパイスを取り揃えていることで有名だ。」
- 「インターネット上には、「多種多様」な意見があふれている。」
類義語・言い換え表現
「多種多様」と似た意味を持つ言葉を紹介します。
- 千差万別(せんさばんべつ):
多くのものが、それぞれ違っていること。違いに焦点が当たることが多い。 - 十人十色(じゅうにんといろ):
考え方、好み、性格などが、人によってそれぞれ違うこと。主に「人」に対して使う。 - 様々(さまざま):
種類や状態が色々あること。「多種多様」よりも日常的で、やや軽いニュアンス。 - 種々雑多(しゅじゅざった):
色々な種類が、まとまりなく入り混じっていること。ややネガティブなニュアンスを含む場合もある。
対義語
「多種多様」とは反対に、種類が少ない、または皆同じであることを示す言葉です。
- 画一的(かくいつてき):
すべてが同じ様式で、個性や変化がないこと。
※「多種多様な教育」の対義語として「画一的な教育」のように使われます。 - 単一(たんいつ):
ただ一つであること。種類が一つしかないこと。 - 千編一律(せんぺんいちりつ):
多くのものが皆同じで、面白みがないこと。ネガティブな意味で使われる。
英語での類似表現
「多種多様」のニュアンスに近い英語表現を紹介します。
various
- 意味:「さまざまな」「色々な」。
- ニュアンス:「多種多様」をシンプルに表現する最も一般的な形容詞の一つです。
- 例文:
We discussed various topics.
(私たちは多種多様な(さまざまな)トピックについて議論した。)
diverse
- 意味:「多様な」「異なった種類からなる」。
- ニュアンス:”various” よりも「異質性」や「多様性(diversity)」を強調する言葉です。
- 例文:
The store sells diverse products from all over the world.
(その店は世界中からの多種多様な(多様な)製品を販売している。)
a wide variety of …
- 意味:「非常に幅広い種類の~」。
- ニュアンス:「種類の豊富さ」を具体的に示すフレーズです。
- 例文:
They offer a wide variety of courses.
(彼らは多種多様な(非常に幅広い種類の)コースを提供している。)
まとめ – 多様性を受け入れる
「多種多様」は、種類や性質が非常に豊富で、さまざまである状態を示す四字熟語です。
現代は「多様性の時代」とも言われます。「多種多様」な価値観や文化が存在することを認識し、それを受け入れることが、より豊かな社会を築く上で大切になってきているのかもしれませんね。





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