種類や性質が極めて多く、色々なものが混在している状態。
このような状態を表すのが、「多種多様」(たしゅたよう)です。
意味
「多種多様」とは、物事の種類や性質が非常に多く、さまざまであるという意味です。
単に数が多いだけでなく、個々の様相が異なり、広がりを持っていることを強調する際に用いられます。
- 多種(たしゅ):種類が多いこと
- 多様(たよう):形や様子が色々であること
語源・由来
「多種」と「多様」という、類似した意味を持つ二つの熟語を重ねて状態を強調した言葉です。
近代以降の日本語で一般化した用法であり、複数の要素の違いと広がりを同時に示す表現として定着しました。
明治期の用例としては、地理学者の志賀重昂(しが しげたか)が1894年に刊行した『日本風景論(にほんふうけいろん)』にその記述が確認できます。
海外の人、談会(だんかい)ま秋間(しゅうかん)彩色の多種多様なる事に及ぶや
『日本風景論』志賀重昂
漢字それぞれの意味を組み合わせ、数や種類、そしてそれらが織りなす様相の豊富さを同時に提示する表現として成立しました。
使い方・例文
「多種多様」は、生物の分布や人々の価値観、商品の品揃えなど、対象の幅広さを提示する場面で使われます。
- 公園の池には、多種多様な水生生物が生息している。
- 地域の祭典には、年齢も職業も多種多様な人々が集まった。
- 図書館の棚には、多種多様なジャンルの本が並んでいる。
類義語・関連語
「多種多様」の類義語には、以下のような言葉が挙げられます。
- 千差万別(せんさばんべつ):
多くのものがそれぞれ違っており、一つとして同じものがない様子。 - 十人十色(じゅうにんといろ):
考え方や好み、性格などが、人によってそれぞれ異なっている状態。 - 種々雑多(しゅじゅざった):
色々な種類のものが、まとまりなく入り混じっている様子。
「多種多様」と「千差万別」の違い
「多種多様」は種類の豊富さに焦点を当てるのに対し、「千差万別」は個々の違いの大きさに重点を置きます。
| 言葉 | 意味 | 焦点 |
|---|---|---|
| 多種多様 (たしゅたよう) | 種類が豊富である状態。 | 種類の多さ。 |
| 千差万別 (せんさばんべつ) | 違いが激しい状態。 | 個別の差異。 |
対義語
「多種多様」の対義語には、以下のような言葉が挙げられます。
- 画一的(かくいつてき):
すべてが同じ様式に当てはめられ、個別の変化や個性がない様子。 - 単一(たんいつ):
ただ一つであること。種類が一つしかない状態。
英語表現
various
意味:さまざまな
- 例文:
The shop carries various kinds of bread.
その店は多種多様な種類のパンを扱っている。
diverse
意味:多様な
- 例文:
This school has a diverse student body.
この学校には多種多様な背景を持つ生徒たちがいる。
生態系における多様性と安定性の関係
生態系では、種の多様性が高いほど、環境変化に対する安定性が高まる傾向があります。
異なる特性を持つ種が共存することで、特定の変化によって一部の種が影響を受けても、他の種が機能を補完するためです。
この仕組みは「保険効果」と呼ばれ、気候変動や病害の影響を受けた際にも、全体の機能が維持されやすくなる要因となります。
多様な構成要素が存在すること自体が、変化への耐性を高める構造として働きます。








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