「どれも同じように見えて、つまらない」「またこのパターンか」と感じたことはありませんか?
「千篇一律(せんぺんいちりつ)」は、まさにそうした「代わり映えのなさ」を的確に表現する四字熟語です。
今回は、「千篇一律」の基本的な意味から、その構成、ネガティブな使われ方、類語や対義語まで、分かりやすく解説していきます。
もくじ
「千篇一律」の意味・教訓
「千篇一律」とは、多くの物事がどれも同じ調子で、変化や個性がなく、面白みに欠けることを意味します。
基本的には、「工夫がない」「独創性がない」「単調で退屈だ」といった、ネガティブな(批判的な)ニュアンスで使われる言葉です。
「千篇一律」の語源 – 漢字の構成
「千篇一律」は、元々、中国で詩や文章を批評する際に使われた言葉です。
- 千篇(せんぺん):千の詩篇。非常に多くの詩や文章のこと。
- 一律(いちりつ):一つの調子、一つのやり方。
つまり、「たくさんの詩文があるのに、どれもこれも同じような調子(スタイル)で作られている」と批判したことから、「変化がなくつまらない」という意味で使われるようになりました。
使用される場面と例文
主に、作品、アイデア、意見、やり方などが、個性に欠け、型にはまっていて退屈だと感じる場面で、批判的・否定的な意味合いで使われます。
例文
- 「最近のヒット曲は、どれも「千篇一律」なメロディーに聞こえる。」
- 「彼のスピーチはいつも「千篇一律」で、聞いている人を退屈させる。」
- 「どの店も似たような品揃えで、「千篇一律」な商店街になってしまった。」
類義語・言い換え表現
「千篇一律」と似た意味を持つ言葉を紹介します。
- 画一的(かくいつてき):
すべてが同じ様式で、個性や変化がないこと。 - 金太郎飴(きんたろうあめ):
どこを切っても同じ顔の金太郎飴のように、どれも同じで個性がないことのたとえ。 - 旧態依然(きゅうたいいぜん):
昔のままで、少しも進歩や変化がないこと。(変化のなさに焦点が当たる) - 単調(たんちょう):
変化がなく、同じ調子が続くこと。
対義語
「千篇一律」とは反対に、それぞれが異なっている、多様であることを示す言葉です。
- 多種多様(たしゅたよう):
種類や性質が非常に多く、さまざまであること。 - 千差万別(せんさばんべつ):
多くのものが、それぞれ違っていること。 - 十人十色(じゅうにんといろ):
考え方、好み、性格などが、人によってそれぞれ違うこと。(主に人に使う)
英語での類似表現
「千篇一律」の「単調でつまらない」というニュアンスに近い英語表現を紹介します。
monotonous
- 意味:「単調な」「変化のない」。
- ニュアンス:景色や音、仕事などがずっと同じ調子で退屈であることを表します。
- 例文:
He has a monotonous voice.
(彼は千篇一律な(単調な)声をしている。)
stereotyped / stereotypical
- 意味:「型にはまった」「陳腐な」。
- ニュアンス:独創性がなく、ありきたりなパターンにはまっている状態を指します。
- 例文:
The movie was full of stereotyped characters.
(その映画は千篇一律な(型にはまった)登場人物ばかりだった。)
cookie-cutter
- 意味:「(クッキーの型抜きのような)画一的な」。
- ニュアンス:個性がなく、どれも同じように作られていることを表す口語的な表現です。
- 例文:
They live in a row of cookie-cutter houses.
(彼らは千篇一律な(画一的な)家が並ぶ場所に住んでいる。)
まとめ – 「千篇一律」を避ける意識
「千篇一律」は、多くの物事が同じ調子で、変化や個性がなくつまらない、という否定的な状態を示す四字熟語です。
効率を求めると、物事は「千篇一律」になりがちかもしれません。しかし、この言葉は、私たちに「そこに個性や独創性はあるか?」と、立ち止まって考えるきっかけを与えてくれるようですね。





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