意味
「千差万別(せんさばんべつ)」とは、「千」や「万」という数字で「無限に近い多さ」を象徴し、数えきれないほど多くの違いがあるという意味です。
- 千差(せんさ):千通りの違い。非常に多くの差異があること。
- 万別(ばんべつ):万通りの区別。多種多様に分かれていること。
語源・由来
「千差万別」は、宋代に編まれた禅の書『景徳伝灯録』(1004年)に、禅僧の問答の答えとして出てくる言葉です。
「千」と「万」という大きな数字を含む言葉を重ねることで、違いが計り知れないほど多いことを強調する構成になっています。
使い方・例文
「千差万別」は、個人の好みや性格、あるいは動植物の種類や現象の結果が一つひとつ異なっている場面で広く使われます。
- 「人の好みは千差万別で、何が一番かは決められない。」
- 「同じ練習をしても、上達の早さは千差万別だ。」
- 「世界には千差万別な文化があり、それぞれに魅力がある。」
類義語・関連語
「千差万別」と似た意味を持つ言葉には、個々の違いを尊重するニュアンスのものが多くあります。
- 十人十色(じゅうにんといろ):
考え方や好みが人によってそれぞれ違うこと。 - 三者三様(さんしゃさんよう):
やり方や考え方が人によって各々異なっていること。 - 多種多様(たしゅたよう):
種類が多く、様々に富んでいること。 - 種々雑多(しゅしゅざった):
色々な種類のものが、入り混じっていること。
対義語
「千差万別」とは対照的に、どれも同じで変化がないことを指す言葉です。
- 千篇一律(せんぺんいちりつ):
どれも同じ調子で、変化や個性がなく面白みに欠けること。 - 画一的(かくいつてき):
個々の特徴を無視して、すべてを一様に揃える様子。 - 金太郎飴(きんたろうあめ):
どこを切っても同じ顔が出る飴のように、どれも同じで個性がないこと。
英語表現
「千差万別」を英語で表現する場合、多様性や個別の違いを強調するイディオムが使われます。
Infinite variety
「無限の多様性」
物事が数えきれないほど多種多様であることを表す表現。
Nature shows infinite variety in its forms.
(自然の造形は、まさに千差万別だ。)
It takes all kinds to make a world
直訳は「世界を作るにはあらゆる種類が必要だ」。
「世の中には色々な人がいる」という、多様性を肯定的に捉える決まり文句です。
Some people like hot weather, but it takes all kinds to make a world.
(暑いのが好きな人もいる。人の好みは千差万別だ。)
千差万別は『景徳伝灯録』の禅問答で答えに使われた
『景徳伝灯録』巻第二十三には、ある禅師と僧との、次の問答があります。
問、至理無言、如何通信。
師曰、千差萬别。
(僧が「究極の道理には言葉が無いのに、どうやって伝えるのですか」と問うと、師は「千差万別」と答えた。)
同じ書の巻第二十五にも、「違いの無いこととは何か」と問われた禅師が、「千差万別」と答える問答が載っています。













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