意味
「新進気鋭(しんしんきえい)」とは、ある分野にまだ日は浅いながらも、勢いよく頭角を現し、これからの活躍が大いに期待されるという意味です。
年齢の若さを絶対条件とする言葉ではなく、その領域に新たに加わった人物や組織が放つ熱量に着目し、惜しみない称賛を込めて使われます。
- 新進(しんしん):新しくその分野に現れ、活躍すること。
- 気鋭(きえい):意気込みが鋭く、勢いが盛んなこと。
語源・由来
「新進気鋭」は、「新進」と「気鋭」の二語を組み合わせた言葉です。
「新進」は新たにその道に加わり頭角を現すこと、「気鋭」は意気込みが鋭く勢いのあることを意味し、二語を合わせて、新しく現れた優れた新人を評する言葉になります。
使い方・例文
「新進気鋭」は、目覚ましい活躍を見せ始めた人物や、勢いのある若手組織を評価・紹介する場面で使われます。
- 若くして活躍する彼は、まさに新進気鋭の作家だ。
- 美術展には、新進気鋭の画家たちの作品が並んでいた。
- 新進気鋭のベンチャー企業が、既存の業界地図を大きく塗り替えた。
類義語・関連語
「新進気鋭」と同様に、勢いのある若手や才能を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 旭日昇天(きょくじつしょうてん):
朝日が天に昇るように、勢いが非常に盛んな様子 - 後生畏るべし(こうせいおそるべし):
後から生まれてくる若者には無限の可能性があり、畏敬すべきであるという教え - 新星(しんせい):
新しく現れた、際立って優れた才能を持つ人物
「新進気鋭」と「旭日昇天」の違い
どちらも勢いのある様子を表しますが、その対象に決定的な違いがあります。
「新進気鋭」は新鮮な才能と将来性を持つ人物や組織に、「旭日昇天」は誰も止められない勢いのある運勢や状態に使います。
対義語
「新進気鋭」とは対照的に、熟練した立場や古い状態を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 泰山北斗(たいざんほくと):
その道で最も権威があり、尊敬を集める大家 - 旧態依然(きゅうたいいぜん):
昔のままで少しも進歩や発展が見られない状態 - 重鎮(じゅうちん):
その分野において重要な地位にあり、中心的な役割を果たす人物
英語表現
up-and-coming
将来の成功を予感させる、新進の才能や勢い。
She is an up-and-coming artist in this field.
(彼女はこの分野における新進気鋭のアーティストだ。)
rising star
急速に評価を高めている、昇り調子の人物。
He is a rising star in the world of classical music.
(彼はクラシック音楽界の新進気鋭だ。)
有島武郎『星座』の手紙に出てくる「新進気鋭の徒」
有島武郎の小説『星座』(1922年)では、「新進気鋭」が候文の手紙の中に出てきます。
札幌で暮らす青年・星野が、喀血して帰省する前に、英語を教えていたおぬいさんへ書き送った手紙です。
手紙には「明治維新の気魄は元老とともに老い候えば新進気鋭の徒を待って今後のことは甫めてなすべきものと信じ候」とあります。
維新を担った世代の気迫はその世代とともに衰えたので、これからの事業は新しく現れた勢いのある若者が担うべきだ、という主張です。
この一文の前で、星野は男女を問わず青年が惰眠をむさぼり雌伏(=力を蓄えてじっと機会を待つこと)していてよい時ではないと説いています。
「新進気鋭の徒」の「徒」は仲間・人々を表す字で、ここでは名の知れた特定の新人ではなく、これから世に出る青年たちをまとめて指しています。










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