目の前に並ぶと、どうしても手が伸びてしまう好物がある。
そんな夢中になる好みを表すのが、「目がない」(めがない)です。
意味
「目がない」とは、思慮分別をなくすほど、あるものが非常に好きであるという意味です。
単に好きというより、目の前にすると我を忘れて夢中になってしまう強い好みを表します。
食べ物や趣味など、親しみやすい対象について使われることが多い言葉です。
語源・由来
「目がない」は、物事を正しく見極める力としての「目」に由来する表現です。
「目が利く」「見る目がある」というように、日本語で「目」は物事の良し悪しを判断する力を指すことがあります。
好きなものを前にすると冷静な判断力を失ってしまうことから、その「目」がなくなってしまったかのような状態として、「目がない」という言葉が使われるようになったと考えられています。
使い方・例文
「目がない」は、あるものに対して強い好みを持っている場面で使われます。
- 祖母は昔から甘いものに目がない。
- 父は釣りに目がなく、休日はいつも川に出かける。
- 彼女は新しいもの好きで、流行のスイーツに目がない。
使うときの注意点
「目がない」には、「〜に目がない(大好きである)」という使い方のほかに、「見る目がない(判断力に欠ける)」という別の意味もあります。
文脈によって意味が大きく変わるため、前後の言葉から判断する必要があります。
類義語・関連語
「目がない」と同じように、強い好みを表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 目がくらむ(めがくらむ):
あるものに心を奪われ、正常な判断ができなくなること。 - 目じりが下がる(めじりがさがる):
好きなものを前に、思わず表情がゆるむこと。
英語表現
have a weakness for ~
「〜に対する弱点を持つ」という意味で、つい心を許してしまうほど好きなものを表す表現。
I have a weakness for chocolate cake.
(チョコレートケーキには目がない。)
「目」がつかさどる二つの能力
日本語における「目」は、単に物を見る器官としてだけでなく、物事を見極める判断力の象徴として扱われてきました。
「目が肥える」は経験を積んで良し悪しを見分けられるようになることを、「目が高い」は優れた鑑識眼を持つことを表します。
「目がない」はこの体系の中で、判断力という「目」が好きなものの前では働かなくなってしまう状態を表しており、「目」を使った数ある慣用句の中でも、感情と理性の関係を巧みに言い表した表現だといえます。






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