「目」は、単に物を見る器官であるだけでなく、「目は口ほどに物を言う」とも言われるように、感情や意志が表れる場所とされています。また、「見る」という行為は、物事を判断したり、状況を把握したりする基本的な動作です。
「目が肥える」「一目瞭然」「画竜点睛」など、現代でも日常的に使われる表現から、「白眼視」のような古典に由来する故事成語まで、目にまつわる言葉は実に豊かです。
ここでは、「目」や「見る」に関連する、主なことわざ・慣用句・四字熟語・故事成語・漢語表現を紹介します。
もくじ
「目・見る」に関する ことわざ
- 目は口ほどに物を言う(めはくちほどにものをいう):
言葉で話すのと同じくらい、目はその人の感情や意志を豊かに表現するというたとえ。 - 目は心の鏡(めはこころのかがみ):
目はその人の心の状態を正直に映し出すものであるというたとえ。 - 二階から目薬(にかいからめぐすり):
遠回しで効果が期待できないこと、もどかしいことのたとえ。 - 目糞鼻糞を笑う(めくそはなくそをわらう):
自分も同じような欠点があるのに、他人の欠点をあざ笑うことのたとえ。 - 目には目を歯には歯を(めにはめをはにははを):
受けた害に対して、同じ程度の報復をすること。 - 生き馬の目を抜く(いきうまのめをぬく):
非常に素早く物事を行うこと。また、油断ならない抜け目のないさま。
「目・見る」に関する慣用句
鑑識眼・判断力に関するもの
- 目がない(めがない):
非常に好きであること。または、物事の良し悪しを見分ける力がないこと。 - 目が高い(めがたかい):
良いものを見分ける能力があること。 - 目が利く(めがきく):
良いものを見分ける能力がある。 - 目が肥える(めがこえる):
多くの良いものを見て、良し悪しを見分ける力が養われること。 - 見る目がある(みるめがある):
人や物の価値・将来性を見抜く能力があること。
驚き・感動の表現
- 目を疑う(めをうたがう):
見たことが信じられないほど驚くこと。 - 目を丸くする(めをまるくする):
驚いて目を大きく見開くこと。 - 目が点になる(めがてんになる):
驚きや呆れで、言葉が出ず、じっと見つめているさま。 - 目頭が熱くなる(めがしらがあつくなる):
感動や同情などで涙が出そうになること。 - 目から鱗が落ちる(めからうろこがおちる):
何かがきっかけで、急に物事の真相や本質がわかるようになること。(聖書の故事に由来) - 目が覚める(めがさめる):
迷いや思い込みから抜け出して、真実に気づくこと。
見る動作・注意に関するもの
- 目を光らせる(めをひからせる):
厳しく見張る、監視すること。 - 目を皿のようにする(めをさらのようにする):
目を大きく開けて、熱心に探したり見たりすること。 - 目を配る(めをくばる):
あちこちに注意を払うこと。 - 目が届く(めがとどく):
注意や監督が、すみずみまで行き渡ること。 - 刮目して見る(かつもくしてみる):
目を見開いて、注意して見ること。 - 目をそらす(めをそらす):
見ないようにする、関心を他に向けること。 - 目もくれない(めもくれない):
全く関心を示さず、見ようともしないこと。
状態・様子を表すもの
- 目の色を変える(めのいろをかえる):
興奮したり、怒ったりして表情を変えること。 - 目が回る(めがまわる):
非常に忙しいこと。または、めまいがすること。 - 目を引く(めをひく):
目立って人の注意を向かせること。 - 目に浮かぶ(めにうかぶ):
(見ていないのに)情景がはっきりと心に思い描かれること。 - 目にする(めにする):
(自分の意思とは関係なく)自然と見ること。 - 目処が立つ(めどがたつ):
物事が完成・実現する見通しがつくこと。
評価・態度を表すもの
- 大目に見る(おおめにみる):
人の過ちや欠点を、厳しくとがめずに許すこと。 - 白い目で見る(しろいめでみる):
冷淡な、あるいは敵意のある目つきで人を見ること。 - 長い目で見る(ながいめでみる):
現状だけで判断せず、将来どうなるか気長に見守ること。 - 目くじらを立てる(めくじらをたてる):
他人のささいな欠点や失敗を、大げさにとがめること。 - 目に余る(めにあまる):
あまりにもひどくて、黙って見ていられない。 - 目をつぶる(めをつぶる):
見て見ぬふりをする、我慢する。または、死ぬこと。 - 人目を気にする(ひとめをきにする):
他人が自分をどう見ているかを気にかける。
関係・距離を表すもの
- 目の上の瘤(めのうえのこぶ):
自分より優れていたり、邪魔になったりして、うっとうしい存在のこと。 - 目に入れても痛くない(めにいれてもいたくない):
非常に可愛く、大切に思うさま。 - 目と鼻の先(めとはなのさき):
距離が非常に近いことのたとえ。
「目・見る」に関する四字熟語
- 一目瞭然(いちもくりょうぜん):
一度見ただけではっきりとわかること。 - 岡目八目(おかめはちもく):
当事者よりも、そばで見ている第三者の方が物事の全体や利害得失がよくわかること。 - 虎視眈々(こしたんたん):
虎が獲物をじっと見つめるように、機会を狙って油断なく様子をうかがうこと。 - 眼光炯炯(がんこうけいけい):
目が鋭く光り、威厳や内面の充実が感じられるさま。 - 眼中無人(がんちゅうむじん):
自分のことしか目に入らず、他者を無視して勝手にふるまうこと。 - 衆目環視(しゅうもくかんし):
多くの人々が周りを取り巻いて見ていること。 - 明眸皓歯(めいぼうこうし):
ぱっちりとした目と白い歯。美しい女性の形容。
「目・見る」に関する故事成語
- 画竜点睛(がりょうてんせい):
最後の大事な仕上げのこと。これを欠くと全体が引き立たない。(竜の絵に瞳を描き入れたら飛び去った故事から) - 白眼視(はくがんし):
人を冷たい目で見ること、冷遇すること。(中国の阮籍の故事から) - 青眼(せいがん):
(「白眼視」の対義)人を好意的に迎える目つき。 - 刮目相待(かつもくそうたい):
目を見開いて相手の成長や変化に期待すること。(呉の呂蒙の故事から)
「目・見る」に関する漢語表現
- 慧眼(えげん):
物事の本質を見抜く、鋭い知恵の目。
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