日本人なら知っておきたい!有名な慣用句50選

日本人なら知っておきたい!有名な慣用句50選 特集
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体の一部や身近な動物にたとえた言い回しから、暮らしの中で自然に使われてきた言葉まで、日本語には数多くの慣用句があります。
その中でも特によく使われる有名な慣用句を、意味と使用例をそえてジャンル別に50語、一覧で紹介します。

慣用句とは、言葉の組み合わせで別の意味になる表現

慣用句とは、二つ以上の言葉が結び付いて、元の言葉の意味とは異なる特定の意味を持つようになった表現のことです。
単独の文として使うのではなく、あくまで文の一部として組み込んで使う点が特徴です。

ことわざが教訓を伝える文として完結するのに対し、慣用句は状況や気持ちを言い表す働きをします。
「目」「顔」「手」「足」など、体の部位を使った表現が多いのも特徴の一つです。

有名な慣用句50選【一覧】

この記事で紹介する有名な慣用句50語を、テーマ別に一覧でまとめました。
気になる言葉の意味や使用例は、下の各項目でくわしく解説しています。

テーマ慣用句(全50語)
動物猫の額/雀の涙/馬が合う/犬猿の仲/猫の手も借りたい
気持ち気が置けない/肩の荷が下りる/肩を落とす/目がない/鼻につく/首を長くする/頭が下がる/二の足を踏む/頭を抱える/虫がいい
人との関わり足を引っ張る/一目置く/腹を割る/釘を刺す/顔に泥を塗る/鼻であしらう/口車に乗る/揚げ足を取る/腰が低い/木で鼻をくくる/足元を見る/口を挟む
体の様子手を焼く/鼻が高い/耳が痛い/足が出る/顔が広い/鼻にかける/足が棒になる/歯が立たない/舌を巻く/手に余る/目に余る/口を割る/口が堅い/口が軽い/足を洗う/目を光らせる/腕を磨く/顔が売れる
物事の様子油を売る/匙を投げる/瓜二つ/板につく/火に油を注ぐ

動物が出てくる有名な慣用句

猫の額(ねこのひたい)

  • 意味:
    土地や場所の面積が非常に狭いことのたとえ。
  • 由来:
    猫の額が狭いことから、場所や土地の面積が非常に狭い様子をたとえていう。
  • 使用例:
    うちの庭は猫の額ほどの広さしかないが、家庭菜園には十分だ。

雀の涙(すずめのなみだ)

  • 意味:
    ほんのわずかで、非常に少ない様子。
  • 補足:
    雀すずめが流す涙ほどのもの、という意味のたとえ。
  • 使用例:
    今年のボーナスは雀の涙ほどしかなく、正直がっかりした。

馬が合う(うまがあう)

  • 意味:
    気がよく合い、しっくりといくこと。
  • 由来:
    馬とその乗り手の呼吸がぴったり合うことから、人同士の相性の良さを表すようになったという説がある。
  • 使用例:
    彼とは初対面のときから妙に馬が合い、今では一番の相談相手だ。

犬猿の仲(けんえんのなか)

  • 意味:
    お互いに激しく憎み合い、非常に仲が悪い状態。
  • 使用例:
    あの二人は昔から犬猿の仲で、同じ部屋にいるだけで空気がぴりつく。

猫の手も借りたい(ねこのてもかりたい)

  • 意味:
    非常に忙しいため、誰でもいいから手伝いがほしい状況。
  • 使用例:
    繁忙期の店内は猫の手も借りたいほどの忙しさだった。

気持ち・心の動きに関する有名な慣用句

気が置けない(きがおけない)

  • 意味:
    遠慮や気づかいがいらず、心から打ち解けられること。
  • 使用例:
    学生時代からの気が置けない友人と、久しぶりに食事に行った。

肩の荷が下りる(かたのにがおりる)

  • 意味:
    責任や負担から解放されて、気持ちが楽になる様子。
  • 使用例:
    大きな契約がまとまり、ようやく肩の荷が下りた。

肩を落とす(かたをおとす)

  • 意味:
    がっかりして気力を落とし、肩が垂れ下がること。
  • 使用例:
    試験の結果を聞いた瞬間、彼は肩を落として黙り込んだ。

目がない(めがない)

  • 意味:
    思慮分別をなくすほど、あるものが非常に好きな様子。
  • 使用例:
    祖父は甘いものに目がなく、毎日のように和菓子を買ってくる。

鼻につく(はなにつく)

  • 意味:
    人の言動が、しつこくわざとらしく感じられて不快になること。
  • 使用例:
    何かにつけて自慢する態度が、周囲には鼻につくようだ。

首を長くする(くびをながくする)

  • 意味:
    期待しながら、今か今かとひたすら待ち焦がれる様子。
  • 使用例:
    子どもたちは遠足の日を首を長くして待っていた。

頭が下がる(あたまがさがる)

  • 意味:
    敬服し、深く感心する気持ちになること。
  • 使用例:
    毎朝欠かさず掃除を続ける姿には、心から頭が下がる。

二の足を踏む(にのあしをふむ)

  • 意味:
    危険や困難、失敗などを恐れて、先に進むのをためらう様子。
  • 使用例:
    独立には興味があるが、収入が不安定になることを考えると二の足を踏んでしまう。

頭を抱える(あたまをかかえる)

  • 意味:
    心配な事や悩み事があって、どうしたらよいか分からず困り果てること。
  • 使用例:
    予想外のトラブルが重なり、担当者は頭を抱えていた。

虫がいい(むしがいい)

  • 意味:
    自分に都合のよいことばかり考え、他人の事情を顧みない様子。
  • 使用例:
    得だけ持っていって責任は取らないとは、虫がいい話だ。

人との関わり・態度に関する有名な慣用句

足を引っ張る(あしをひっぱる)

  • 意味:
    他人の前進や成功をさまたげ、集団の足並みを乱すこと。
  • 使用例:
    一人だけ準備を怠り、チーム全体の足を引っ張ってしまった。

一目置く(いちもくおく)

  • 意味:
    自分より優れた相手の実力を認め、敬意を払う様子。
  • 由来:
    囲碁で実力の劣るほうが先に石を一つ置いて対局を始める作法から、相手の実力を認めて一歩譲る態度を表すようになった。
  • 使用例:
    彼の的確な判断力には、上司でさえ一目置いている。

腹を割る(はらをわる)

  • 意味:
    建前ではなく、心の奥にある本当の考えを打ち明けること。
  • 使用例:
    たまには腹を割って話し合おうと、彼は切り出した。

釘を刺す(くぎをさす)

  • 意味:
    約束違反や言い逃れができないよう、あらかじめ念を押す様子。
  • 由来:
    釘を打ちつける意から、相手が約束を破ったり言い逃れをしたりできないよう、あらかじめ念を押す意味で使われるようになった。
  • 使用例:
    遅刻だけはしないようにと、上司から念入りに釘を刺された。

顔に泥を塗る(かおにどろをぬる)

  • 意味:
    目上の人や恩人の名誉を傷つけ、ひどい恥をかかせる行為。
  • 補足:
    「顔に土を塗る」「顔に泥を付ける」とするのは誤りとされる。
  • 使用例:
    会社の看板を背負っているという自覚のない行動が、社の顔に泥を塗る結果になった。

鼻であしらう(はなであしらう)

  • 意味:
    相手の言葉にまともに取り合わず、冷淡に扱うこと。
  • 使用例:
    せっかくの提案を鼻であしらわれ、彼はすっかり気落ちした。

口車に乗る(くちぐるまにのる)

  • 意味:
    巧みな話しぶりに乗せられ、だまされたり言いくるめられたりする様子。
  • 使用例:
    販売員の口車に乗せられ、高額な商品を買わされてしまった。

揚げ足を取る(あげあしをとる)

  • 意味:
    相手の言葉じりや言い間違いをとらえて、なじったり皮肉を言ったりすること。
  • 由来:
    技を掛けようとした相手の足を取って倒すことから、人の言い間違いや言葉じりをとらえて非難したり、からかったりする意味で使われるようになった。
  • 使用例:
    些細な言い間違いの揚げ足を取るような真似はやめてほしい。

腰が低い(こしがひくい)

  • 意味:
    他人に対してへりくだり、謙虚で愛想がよい様子。
  • 使用例:
    社長でありながら、誰に対しても腰が低い人柄で慕われている。

木で鼻をくくる(きではなをくくる)

  • 意味:
    相手の相談や要求などに対し、ひどく無愛想で冷淡にあしらうこと。
  • 使用例:
    相談に行ったのに、木で鼻をくくったような返事しかもらえなかった。

足元を見る(あしもとをみる)

  • 意味:
    相手の弱みや不利な事情につけこみ、不当に高い代償を求めたりする行為。
  • 使用例:
    急いでいることを見抜かれ、足元を見られて高い料金を請求された。

口を挟む(くちをはさむ)

  • 意味:
    他人の話している途中に割り込んで話すこと。
  • 使用例:
    二人の話し合いに、部外者が口を挟むべきではない。

体にまつわる有名な慣用句

手を焼く(てをやく)

  • 意味:
    うまく対処できず、扱いに困り果てる様子。
  • 使用例:
    反抗期の息子の態度に、両親はすっかり手を焼いている。

鼻が高い(はながたかい)

  • 意味:
    誇らしく思い、得意な気持ちになること。
  • 使用例:
    息子が全国大会で優勝し、親として鼻が高い思いだった。

耳が痛い(みみがいたい)

  • 意味:
    他人の言葉が自分の弱点や過ちを突いていて、聞くのがつらい様子。
  • 使用例:
    先輩からの指摘は的確すぎて、正直耳が痛かった。

足が出る(あしがでる)

  • 意味:
    予算や収入を超えて、支出が多くなってしまうこと。
  • 使用例:
    旅先でつい土産を買いすぎて、予算から足が出てしまった。

顔が広い(かおがひろい)

  • 意味:
    交際範囲が広く、多方面に知り合いが多い様子。
  • 使用例:
    業界内で顔が広い彼に頼めば、きっと力になってくれる。

鼻にかける(はなにかける)

  • 意味:
    自分の能力や実績を得意げに自慢すること。
  • 使用例:
    成績が良いことを鼻にかける態度は、周囲の反感を買いやすい。

足が棒になる(あしがぼうになる)

  • 意味:
    長く立ったり歩いたりして疲れ果て、足の筋肉がこわばる様子。
  • 使用例:
    一日中歩き回ったせいで、帰るころには足が棒になっていた。

歯が立たない(はがたたない)

  • 意味:
    相手や物事の力量が自分をはるかに超え、まったく太刀打ちできないこと。
  • 使用例:
    全国レベルの選手を相手に、まったく歯が立たなかった。

舌を巻く(したをまく)

  • 意味:
    相手の言動があまりに優れていて、驚き感心する様子。
  • 使用例:
    若手社員の的確な提案に、ベテランたちも舌を巻いた。

手に余る(てにあまる)

  • 意味:
    物事が自分の能力以上で、うまく処置できないこと。
  • 使用例:
    一人で抱えるには手に余る案件だと感じ、上司に相談した。

目に余る(めにあまる)

  • 意味:
    程度がひどく、黙って見ていられないほどの様子。
  • 使用例:
    最近の彼の遅刻の多さは、さすがに目に余る。

口を割る(くちをわる)

  • 意味:
    隠していたことを白状すること。
  • 使用例:
    厳しい追及に耐えきれず、犯人はついに口を割った。

口が堅い(くちがかたい)

  • 意味:
    言うべきでないことを、むやみに他言しない様子。
  • 使用例:
    彼は口が堅いから、秘密を打ち明けても安心だ。

口が軽い(くちがかるい)

  • 意味:
    秘密や言ってはいけないことまで、すぐに人に話してしまうこと。
  • 使用例:
    口が軽い人に相談したせいで、噂があっという間に広まった。

足を洗う(あしをあらう)

  • 意味:
    好ましくない仕事や生活からきっぱりと離れ、まっとうな道に戻る様子。
  • 由来:
    汚れた足を洗って清めることにたとえ、好ましくない世界や生活から抜け出ることを表すようになった。
  • 使用例:
    彼はギャンブルの世界から足を洗い、地道に働き始めた。

目を光らせる(めをひからせる)

  • 意味:
    油断なく監視し、厳重に見張ること。
  • 使用例:
    警備員は不審な動きがないか、周囲に目を光らせていた。

腕を磨く(うでをみがく)

  • 意味:
    技能が上達するよう、訓練を重ねる様子。
  • 使用例:
    休日を利用して、料理の腕を磨いている。

顔が売れる(かおがうれる)

  • 意味:
    広く世間に知られ、有名になること。
  • 使用例:
    一度テレビに出演したことで、一気に顔が売れた。

物事の様子に関する有名な慣用句

油を売る(あぶらをうる)

  • 意味:
    むだ話などをして、仕事を怠ける様子。
  • 由来:
    江戸時代、髪油の行商人が客と世間話をしながら売っていたことから、仕事を怠けてむだ話をする様子を表すようになった。
  • 使用例:
    配達の途中で油を売っていたら、戻りが遅いと上司に叱られた。

匙を投げる(さじをなげる)

  • 意味:
    見込みがないと判断し、物事をあきらめて手を引くこと。
  • 由来:
    薬を調合する匙さじを投げ出すことから、医者が治療の見込みがないと病人を見放す様子を表すようになった。
  • 使用例:
    何度説得しても意見を変えない相手に、ついに匙さじを投げてしまった。

瓜二つ(うりふたつ)

  • 意味:
    二つのものの姿形が、非常によく似ている様子。
  • 由来:
    縦に二つに割った瓜うりのように、親子や兄弟などの顔かたちがよく似ていることのたとえ。
  • 使用例:
    あの姉妹は顔立ちが瓜うり二つで、初対面では見分けがつかない。

板につく(いたにつく)

  • 意味:
    経験を積んで、態度や振る舞いがその立場にしっくりと馴染んでいること。
  • 使用例:
    新人だった彼も、今ではすっかり店長としての振る舞いが板についてきた。

火に油を注ぐ(ひにあぶらをそそぐ)

  • 意味:
    勢いが激しいものにいっそう勢いを与え、悪い事態をさらに悪化させる様子。
  • 補足:
    燃えている火に油を注げばさらに激しく燃え上がることから、事態を悪化させるたとえとして使われるようになった。
  • 使用例:
    なだめるつもりの一言が、かえって火に油を注ぐ結果になった。

慣用句を作る素材|体・動物・道具に多いわけ

慣用句には、体の部位や身近な動物、日用の道具にたとえた表現が数多くあります。
いずれも誰もが見たり触れたりしたことのあるもので、そのたとえを借りて、気持ちや態度、物事の様子を短い言葉で言い表しています。
由来をたどると、「一目置く」のように囲碁の作法から出たものと、「猫の額」や「瓜二つ」のように身近な物事の形や様子にたとえたものの両方があります。
どちらも、暮らしの中で目にする具体的な光景を借りて、抽象的な気持ちや状況を分かりやすく伝えているのが共通点です。

使われる素材は身近なものが中心

素材代表例
体の部位顔が広い/鼻が高い/手を焼く/足を洗う
動物猫の額/雀の涙/馬が合う/犬猿の仲
道具・自然匙さじを投げる/瓜うり二つ/火に油を注ぐ/油を売る

体の部位を使った表現

顔・鼻・手・足といった体の部位は、誰もが持っていて、動きや様子を思い浮かべやすいものです。
「手を焼く」の困惑、「足を洗う」の決別、「鼻が高い」の誇らしさのように、気持ちや態度を表す慣用句にも多く使われています。
同じ「顔」を使った表現でも、「顔が広い」は交際範囲の広さを、「顔に泥を塗る」は名誉を傷つけることを表すなど、一つの部位からさまざまな意味の表現が生まれています。

動物・道具・自然を使った表現

猫や雀、馬といった生き物や、匙さじ・瓜うり・油などの道具や自然も、姿や動きを思い浮かべやすいものです。
「猫の額」は猫の額の狭さを借りて場所の狭さを、「瓜二つ」は二つに割った瓜を借りて顔かたちがよく似ていることを表しています。
「匙を投げる」のように、医者が薬を調合する匙を投げ出すという特定の場面から出た表現もあります。


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