意味
単におしゃべり好きというだけでなく、話す内容を選ばず軽々しく口にする不用意さを表します。
信頼を裏切りかねない、やや否定的なニュアンスで使われる言葉です。
語源・由来
「口が軽い」は、平安時代の文献にすでに見られる、たいへん古い言葉です。
10世紀ごろの漢字辞典『新撰字鏡』や、11世紀初頭に成立した『源氏物語』にも使用例が見られ、千年以上前から使われ続けてきました。
「軽い」という言葉には、重みや慎重さを欠いて軽率であるという意味があり、口から出る言葉に慎重さや重みがない様子を、そのまま「口が軽い」と表すようになりました。
使い方・例文
「口が軽い」は、秘密を守れず言いふらしてしまう人や行為を指す場面で使われます。
- 彼は口が軽いので、大事な話は聞かせない方がいい。
- 酒の席で、つい口が軽くなってしまった。
- 口が軽い人には、極秘の情報を任せられない。
類義語・関連語
「口が軽い」と同じように、話すべきでないことまで話してしまう様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 口車に乗る(くちぐるまにのる):
巧みな話術に乗せられ、うっかりだまされること。 - 秘密を漏らす(ひみつをもらす):
他人に知られてはいけない事柄を、うっかり話してしまうこと。
対義語
「口が軽い」とは反対に、秘密を守り安易に話さない様子を表す言葉があります。
- 口が重い(くちがおもい):
なかなか話そうとせず、秘密をよく守ること。
英語表現
have a big mouth
「大きな口を持っている」という直訳のとおり、言わなくていいことまでしゃべってしまう人を指す口語表現。
Don’t tell him; he has a big mouth.
(彼には話すな、口が軽いから。)
「軽い」と「重い」で測られてきた、口の信頼
「口が軽い」は、言葉を選ばずに何でも話してしまう様子を「軽い」という感覚で表した言葉である。
逆に、慎重に言葉を選び、容易には語らない人は「口が重い」と言われる。
この軽重の感覚は古くからあり、江戸時代の文献にもすでにこの言葉が見られる。
大事な話をどれだけ打ち明けられるかは、相手の口がどれだけ「重い」かによって測られてきた。
「口が軽い」は、そうした信頼の目安を、実際には測れない口の性質を重さという分かりやすい感覚に置き換えて表した言葉である。










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