「口・舌・話す」に関する ことわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

「口・舌・話す」に関する ことわざ・慣用句・四字熟語一覧 特集
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「口」は、食事をする、話をする、感情を表現するなど、人間の生活に欠かせない重要な役割を持っています。そのため、「口」や「舌(した)」、「言(げん)」に関連する言葉は非常に多く、コミュニケーションのあり方や、言葉の重み、食事の様子など、多岐にわたる教訓や状況を伝えています。

「口は災いの元」「巧言令色」「蛇足」など、現代でも日常的に使われる表現から、「唇亡びて歯寒し」のような古典に由来する故事成語まで、口にまつわる言葉は実に豊かです。

「口」や「舌」、「話す」に関連する、主なことわざ・慣用句・四字熟語・故事成語を紹介します。

「口・舌・話す」に関する ことわざ

  • 口は災いの元(くちはわざわいのもと):
    不用意な発言が、思いがけない災難を招く原因になるという戒め。
    「口は禍の門」とも言い、中国の仏教書『法苑珠林ほうおんじゅりん』にある「口は禍の門たり」の一節から出た言葉。
  • 良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし):
    身のためになる忠告は聞くのがつらいものだというたとえ。
    孔子の言葉を集めた『孔子家語』にある「良薬は口に苦けれど病に利あり」との一節が由来。
  • 人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ):
    世間のうわさ話は防ぎようがないということ。
  • 雄弁は銀、沈黙は金(ゆうべんはぎん、ちんもくはきん):
    雄弁も大切だが、時には沈黙している方が価値があるという考え方。
    西洋のことわざで、英語の「Speech is silver, silence is golden.」を訳した言葉。
  • 口に蜜あり腹に剣あり(くちにみつありはらにけんあり):
    口ではうまいことを言うが、心の中では害意を抱いていること。
    中国唐代の宰相・李林甫の、笑顔の裏に隠した陰険な性格を評した言葉が由来。
  • 口も八丁手も八丁(くちもはっちょうてもはっちょう):
    話すことも、仕事の腕前も達者なこと。
    「八丁」は八つの道具を使いこなす意で、物事に巧みなことを表す。
  • 言わぬが花(いわぬがはな):
    口に出して言うより、言わない方がかえって趣や価値があること。
  • 雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい):
    余計なことを言わなければ、災いを招かずに済んだというたとえ。
    鳴き声で居場所を知られ、猟師に撃たれてしまう雉の習性になぞらえたもの。

「口・舌・話す」に関する慣用句

秘密・情報の管理

  • 口が堅い(くちがかたい):
    秘密を軽々しく口にしない性格。
    反対の言い方は「口が軽い」。
  • 口が軽い(くちがかるい):
    秘密や余計なことをすぐ話してしまう性格。単に口数が多いことにも使う。
  • 口が滑る(くちがすべる):
    言ってはいけないことを、うっかり話してしまうこと。
  • 口を割る(くちをわる):
    (追及されて)秘密にしていたことを白状する。
    白状する意では、盗人仲間の隠語でもあった。
  • 口裏を合わせる(くちうらをあわせる):
    前もって関係者同士が話す内容を打ち合わせ、食い違いがないようにすること。
    「口を合わす」とも言う。
  • 口止め(くちどめ):
    秘密や不都合な事実を漏らさないよう、あらかじめ言い含めておくこと。
    「口止め料」の略としても使う。

話し方・態度

  • 口が重い(くちがおもい):
    無口で、なかなか話し始めないこと。
    反対の言い方は「口が軽い」。
  • 口が減らない(くちがへらない):
    屁理屈や言い返しが多く、黙っていられないこと。
    「減る」は負ける意で、道理に負けても、なお理屈を並べ立てることをいう。
  • 口がうまい(くちがうまい):
    話し方が巧みで、相手を納得させたり喜ばせたりするのがうまいこと。口先で人を丸め込むのがうまい意にも使う。
  • 口が悪い(くちがわるい):
    言葉遣いが乱暴で、悪口や皮肉が多い。
    「歯に衣着せぬ」に近いが、こちらは相手を傷つける棘のある物言いを指すことが多い。
  • 口うるさい(くちうるさい):
    あれこれと細かい小言や文句を繰り返し言うこと。
  • 歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ):
    遠慮なく率直に物を言うこと。
    「衣」は衣服のことで、「歯に絹着せぬ」と書くのは誤り。

発言・干渉・行動開始

  • 口を挟む(くちをはさむ):
    他人の会話に横から割り込んで話すこと。
  • 口を出す(くちをだす):
    他人の物事に干渉し、余計な意見を述べること。
  • 口火を切る(くちびをきる):
    議論や行動などを、誰よりも先に始めること。
    「口火を付ける」「口火を開く」とするのは誤り。
  • 口を揃える(くちをそろえる):
    多くの人が同じことを言うこと。示し合わせて同じことを言う意にも使う。

食事・味覚

  • 口に合う(くちにあう):
    食べ物や飲み物が好みの味であること。
  • 口が寂しい(くちがさびしい):
    (間食など)何か食べたい、口に含みたい気分であること。
  • 舌鼓を打つ(したつづみをうつ):
    食べ物が非常においしいことに満足し、舌を鳴らすこと。
    舌を鳴らして鼓のような音を出すことから。不満げに舌打ちをする意にも使う。
  • 舌が肥える(したがこえる):
    美味しいものを食べ慣れて、味の良し悪しを敏感に感じ取れるようになること。
    「肥える」は感覚が磨かれる意で、「目が肥える」「耳が肥える」と同じ使い方。

表現・反応

  • 開いた口が塞がらない(あいたくちがふさがらない):
    相手の言動や状況に、あまりにも呆れて言葉が出ないさま。
    あきれて開けたままの口が、そのまま閉じられなくなる様子を表す言い回し。
  • 口が酸っぱくなる(くちがすっぱくなる):
    同じことを何度も繰り返し忠告するさま。
  • 口車に乗る(くちぐるまにのる):
    口先だけのうまい言葉にだまされること。おだてに乗る意にも使う。

舌の動き・能力

  • 舌を巻く(したをまく):
    相手の技術や知識などが非常に優れていることに、ひどく感心すること。言いこめられたり威圧されたりして黙り込む意にも使う。
  • 舌が回る(したがまわる):
    よどみなく、すらすらと話すこと。発音をしっかりしてしゃべれる意にも使う。
  • 舌足らず(したたらず):
    言葉数が足りず、十分に言い尽くせていないこと。また、舌の動きが滑らかでなく、物言いがはっきりしないこと。
  • 舌の根も乾かぬうちに(したのねもかわかぬうちに):
    言った直後であるにもかかわらず、それと矛盾する言動をすること。
  • 二枚舌を使う(にまいじたをつかう):
    状況に応じて、矛盾したことを平気で言うこと。

その他

  • 口を糊する(くちをのりする):
    やっと生計を立て、暮らしていくこと。
    「糊」は粥のことで、粥をすするような貧しい暮らしを表した言葉。
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「口・舌・話す」に関する四字熟語

  • 悪口雑言(あっこうぞうごん):
    口にまかせて、さんざん悪口を言うこと。また、その言葉。
    「雑言」はいろいろな悪口のことで、同じような意味の語を重ねて強めた表現。
  • 異口同音(いくどうおん):
    多くの人が、口をそろえて同じことを言うこと。
    中国の歴史書『宋書』に見える語。
  • 巧言令色(こうげんれいしょく):
    言葉を飾り、表情を取り繕って相手にこびへつらうこと。
    『論語』の「巧言令色、鮮し仁」、つまり口先だけの者に誠実な心は少ないとの一節に由来する四字熟語。
  • 舌先三寸(したさきさんずん):
    口先だけで誠意のないこと。
    舌の先わずか三寸(約9センチ)ほどから出る、中身の伴わない上辺だけの言葉を皮肉った言い方。
  • 有言実行(ゆうげんじっこう):
    言ったことを必ず実行すること。
    古くからある「不言実行」をもじって作られた言葉で、発言に責任を持つ姿勢を評価する文脈で使われる語。
  • 不言実行(ふげんじっこう):
    あれこれ言わずに、黙って実行すること。
  • 言行一致(げんこういっち):
    口で言うことと実際に行うことが一致していること。
  • 侃々諤々(かんかんがくがく):
    正しいと思うことを、遠慮なく主張し、議論すること。
    「侃侃」も「諤諤」も、率直にものを言う様子を表す語。
  • 阿諛追従(あゆついしょう):
    口先でこびへつらい、相手の機嫌をとること。
    「阿諛」はおもねりへつらうこと、「追従」は媚びへつらうことを意味し、同義の語を重ねて強調した表現。
  • 甜言蜜語(てんげんみつご):
    相手を誘惑するような、甘く巧みな言葉。
    「甜」も「蜜」も甘さを表す漢字で、砂糖や蜜のように口当たりのよい言葉を二重に強調した四字熟語。

「口・舌・話す」に関する故事成語

  • 蛇足(だそく):
    余計な付け足し。
    中国の『戦国策』にある故事から。蛇の絵を早く描く競争で、最初に描き上げた者が足まで描き足したために負けた話。
  • 逆鱗に触れる(げきりんにふれる):
    目上の人をひどく怒らせること。
    『韓非子』のたとえ話から。竜は手なずければ乗ることもできるが、のどの下に逆さに生えた鱗があり、これに触れると必ず殺されるという。
  • 三人成虎(さんにんせいこ):
    (「三人虎を成す」とも読む)根拠のないうわさでも、多くの人が言うと信じられてしまうというたとえ。
    町に虎が出たという嘘も、三人が言えば信じられるという中国の故事による。
  • 鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ):
    大きな組織の末端にいるより、小さな組織でも長になる方がよいというたとえ。
    中国戦国時代、遊説家の蘇秦が小国の王に同盟を説いた言葉が由来。
  • 唇亡びて歯寒し(くちびるほろびてはさむし):
    密接な関係にある一方が滅びると、他方も危険になるというたとえ。
    『春秋左氏伝』にある話から。晋が虢かくを攻めるため虞ぐに軍の通過を求めた際、虞の家臣がこのたとえで反対したが聞き入れられず、虢も虞も晋に滅ぼされた。


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