「口・舌・話す」に関する ことわざ・慣用句・四字熟語一覧

「口・舌・話す」に関する ことわざ・慣用句・四字熟語一覧 特集
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「口」は、食事をする、話をする、感情を表現するなど、人間の生活に欠かせない重要な役割を持っています。そのため、「口」や「舌(した)」、「言(げん)」に関連する言葉は非常に多く、コミュニケーションのあり方や、言葉の重み、食事の様子など、多岐にわたる教訓や状況を伝えています。

「口は災いの元」「巧言令色」「蛇足」など、現代でも日常的に使われる表現から、「唇亡びて歯寒し」のような古典に由来する故事成語まで、口にまつわる言葉は実に豊かです。

ここでは、「口」や「舌」、「話す」に関連する、主なことわざ・慣用句・四字熟語・故事成語を紹介します。

「口・舌・話す」に関する ことわざ

  • 口は災いの元(くちはわざわいのもと):
    不用意な発言が、思いがけない災難を招く原因になるという戒め。中国五代の宰相・馮道が「口は禍の門、舌は身を斬る刀」と詠んだ漢詩が元になった言葉。
  • 良薬は口に苦し(りょうやくはくちににがし):
    身のためになる忠告は聞くのがつらいものだというたとえ。孔子の言葉を集めた『孔子家語』にある「良薬は口に苦けれど病に利あり」との一節が由来。
  • 人の口に戸は立てられぬ(ひとのくちにとはたてられぬ):
    世間のうわさ話は防ぎようがないということ。家の戸は閉められても、うわさを口にする人の心までは閉ざせないという比喩から生まれた言い回し。
  • 雄弁は銀、沈黙は金(ゆうべんはぎん、ちんもくはきん):
    雄弁も大切だが、時には沈黙している方が価値があるという考え方。19世紀の英国の評論家カーライルが著書で紹介し、世界に広めた言葉。
  • 口に蜜あり腹に剣あり(くちにみつありはらにけんあり):
    口ではうまいことを言うが、心の中では害意を抱いていること。中国唐代の宰相・李林甫の、笑顔の裏に隠した陰険な性格を評した言葉が由来。
  • 口も八丁手も八丁(くちもはっちょうてもはっちょう):
    話すことも、仕事の腕前も達者なこと。「八丁」はもともと大工道具を八つ使いこなす意で、転じて何事にも巧みな人を指す表現。
  • 言わぬが花(いわぬがはな):
    口に出して言うより、言わない方がかえって趣や価値があること。江戸時代の俳諧に用例があり、余韻を大切にする美意識の表れ。
  • 雉も鳴かずば撃たれまい(きじもなかずばうたれまい):
    余計なことを言わなければ、災いを招かずに済んだというたとえ。鳴き声で居場所を知られ、猟師に撃たれてしまう雉の習性になぞらえたもの。

「口・舌・話す」に関する慣用句

秘密・情報の管理

  • 口が堅い(くちがかたい):
    秘密を軽々しく口にしない性格。「堅い」は物が硬く開きにくい様子を表し、容易に開かない口のイメージを人柄にたとえた表現。
  • 口が軽い(くちがかるい):
    秘密や余計なことをすぐ話してしまう性格。「軽い」は言動が軽率で慎重さに欠けることを表し、抑えの利かない口を評した言葉。
  • 口が滑る(くちがすべる):
    言ってはいけないことを、うっかり話してしまうこと。足が滑るように、意思とは関係なく言葉が口から滑り出てしまう様子のたとえ。
  • 口を割る(くちをわる):
    (追及されて)秘密にしていたことを白状する。物や殻を割って中身を出すように、閉ざした口を開かせる様子の比喩。
  • 口裏を合わせる(くちうらをあわせる):
    前もって関係者同士が話す内容を打ち合わせ、食い違いがないようにすること。「口裏」は言葉の端々に表れる本心を指し、それをそろえるという意味の言葉。
  • 口止め(くちどめ):
    秘密や不都合な事実を漏らさないよう、あらかじめ言い含めておくこと。口を閉じさせて話を止める、という文字どおりの成り立ちを持つ表現。

話し方・態度

  • 口が重い(くちがおもい):
    無口で、なかなか話し始めないこと。「重い」は動きが鈍く進みにくい様子を表し、言葉がすぐに出てこない様子を重さにたとえた表現。
  • 口が減らない(くちがへらない):
    屁理屈や言い返しが多く、黙っていられないこと。「減る」は古語でひるむ・後ずさりする意で、負けてもなお言い返し続けることのたとえ。
  • 口がうまい(くちがうまい):
    話し方が巧みで、相手を納得させたり喜ばせたりするのがうまいこと。「うまい」は技量の高さを表す言葉で、話術の巧みさをそのまま評した表現。
  • 口が悪い(くちがわるい):
    言葉遣いが乱暴で、悪口や皮肉が多い。「歯に衣着せぬ」に近いが、こちらは相手を傷つける棘のある物言いを指すことが多い。
  • 口うるさい(くちうるさい):
    あれこれと細かい小言や文句を繰り返し言うこと。心配や愛情から出ることも多いが、言われる側には煩わしく響きやすい言い方。
  • 歯に衣着せぬ(はにきぬきせぬ):
    遠慮なく率直に物を言うこと。歯を衣で覆い隠さず、ありのままをさらけ出すという比喩から、率直な物言いを指す表現。

発言・干渉・行動開始

  • 口を挟む(くちをはさむ):
    他人の会話に横から割り込んで話すこと。物と物の間に何かを差し込む「挟む」のイメージを、会話への割り込みに重ねた表現。
  • 口を出す(くちをだす):
    他人の物事に干渉し、余計な意見を述べること。頼まれていないのに自分の口(意見)を前に出してしまう様子を表した言い方。
  • 口火を切る(くちびをきる):
    議論や行動などを、誰よりも先に始めること。火縄銃の発射に使う「口火」を点火することが、大きな動きの引き金になる様子が語源。
  • 口を揃える(くちをそろえる):
    多くの人が同じことを言うこと。バラバラだった発言が、まるで一つの口から出たかのように歩調を揃える様子を表した言葉。

食事・味覚

  • 口に合う(くちにあう):
    食べ物や飲み物が好みの味であること。「合う」はよく調和するという意味で、料理と口(好み)とがぴったり一致する様子のたとえ。
  • 口が寂しい(くちがさびしい):
    (間食など)何か食べたい、口に含みたい気分であること。会話や食事で口を動かす時間が長く途切れると、手持ち無沙汰に感じられる状態を指す言葉。
  • 舌鼓を打つ(したつづみをうつ):
    食べ物が非常においしいことに満足し、舌を鳴らすこと。満足して舌を上あごに打ち当てる音が、鼓を打つ音に似ていることが語源。
  • 舌が肥える(したがこえる):
    美味しいものを食べ慣れて、味の良し悪しを敏感に感じ取れるようになること。「肥える」は感覚が磨かれる意で、「目が肥える」「耳が肥える」と同じ使い方。

表現・反応

  • 開いた口が塞がらない(あいたくちがふさがらない):
    相手の言動や状況に、あまりにも呆れて言葉が出ないさま。あきれて開けたままの口が、そのまま閉じられなくなる様子を表す言い回し。
  • 口が酸っぱくなる(くちがすっぱくなる):
    同じことを何度も繰り返し忠告するさま。話しすぎて口の中に唾液がたまり、酸っぱいものを口にしたような感覚になることにたとえた言葉。
  • 口車に乗る(くちぐるまにのる):
    口先だけのうまい言葉にだまされること。弁舌の巧みさを車輪の回転にたとえた「口車」に、まんまと乗せられてしまう様子のたとえ。

舌の動き・能力

  • 舌を巻く(したをまく):
    相手の技術や知識などが非常に優れていることに、ひどく感心すること。中国の古典『漢書』に見える、驚きのあまり舌が丸まって声が出ない様子が語源。
  • 舌が回る(したがまわる):
    よどみなく、すらすらと話すこと。舌がなめらかによく動くほど、言葉が次々にすらすらと出てくる様子をそのまま言い表した表現。
  • 舌足らず(したたらず):
    言葉が十分でないこと。または、幼い話し方。舌の動きが未熟で発音が不明瞭な状態や、言葉数の足りない話しぶりを指す言葉。
  • 舌の根も乾かぬうち(したのねもかわかぬうちに):
    言った直後であるにもかかわらず、それと矛盾する言動をすること。舌はしゃべるたびに唾液で潤い、乾く間もないほど間を置かないさまのたとえ。
  • 二枚舌を使う(にまいじたをつかう):
    状況に応じて、矛盾したことを平気で言うこと。仏教で戒められる「両舌」、つまり二人に別々の話をして仲を裂く行いに由来するとされる語。

その他

  • 口を糊する(くちをのする):
    やっと生計を立て、暮らしていくこと。「糊」は粥を意味し、かさ増しできる粥をすすって食いつなぐ、貧しい暮らしぶりを表した言葉。

「口・舌・話す」に関する四字熟語

  • 悪口雑言(あっこうぞうごん):
    口にまかせて、さんざん悪口を言うこと。また、その言葉。「悪口」はもと仏教用語で人を傷つける言葉を指し、「雑言」ととりとめのない罵りが結びついた表現。
  • 異口同音(いくどうおん):
    多くの人が、口をそろえて同じことを言うこと。中国の歴史書『宋書』や仏典『法華経』に見える語で、大勢の意見が偶然にも一致する様子を表した語。
  • 巧言令色(こうげんれいしょく):
    言葉を飾り、表情を取り繕って相手にこびへつらうこと。『論語』の「巧言令色、鮮し仁」、つまり口先だけの者に誠実な心は少ないとの一節に由来する四字熟語。
  • 舌先三寸(したさきさんずん):
    口先だけで誠意のないこと。舌の先わずか三寸(約9センチ)ほどから出る、中身の伴わない上辺だけの言葉を皮肉った言い方。
  • 有言実行(ゆうげんじっこう):
    言ったことを必ず実行すること。古くからある「不言実行」をもじって作られた言葉で、発言に責任を持つ姿勢を評価する文脈で使われる語。
  • 不言実行(ふげんじっこう):
    あれこれ言わずに、黙って実行すること。『論語』に見える、行動が先にあってこそ言葉が意味を持つという考え方に通じる四字熟語。
  • 言行一致(げんこういっち):
    口で言うことと実際に行うことが一致していること。発言と行動の食い違いを戒める語として、古くから信頼の証とされてきた表現。
  • 侃々諤々(かんかんがくがく):
    正しいと思うことを、遠慮なく主張し、議論すること。「侃」はのびのびと臆さない様子、「諤」は厳しい直言を意味し、二字を重ねて勢いを強めた語。
  • 阿諛追従(あゆついしょう):
    口先でこびへつらい、相手の機嫌をとること。「阿諛」はおもねりへつらうこと、「追従」は媚びへつらうことを意味し、同義の語を重ねて強調した表現。
  • 甜言蜜語(てんげんみつご):
    相手を誘惑するような、甘く巧みな言葉。「甜」も「蜜」も甘さを表す漢字で、砂糖や蜜のように口当たりのよい言葉を二重に強調した四字熟語。

「口・舌・話す」に関する故事成語

  • 蛇足(だそく):
    余計な付け足し。中国の故事「画蛇添足」の略で、蛇の絵を早く描き終えた者が調子に乗り足まで描き足し、台無しにした逸話が由来。
  • 逆鱗に触れる(げきりんにふれる):
    目上の人をひどく怒らせること。中国の伝説上の竜は温厚だが、あごの下に一枚だけ逆さに生えた鱗に触れると激怒するという故事にちなむ言葉。
  • 三人成虎(さんにんせいこ):
    (「三人虎を成す」とも読む)根拠のないうわさでも、多くの人が言うと信じられてしまうというたとえ。町に虎が出たという嘘も、三人が言えば信じられるという中国の故事による。
  • 鶏口となるも牛後となるなかれ(けいこうとなるもぎゅうごとなるなかれ):
    大きな組織の末端にいるより、小さな組織でも長になる方がよいというたとえ。中国戦国時代、遊説家の蘇秦が小国の王に同盟を説いた言葉が由来。
  • 唇亡びて歯寒し(しんほろびてはさむし):
    密接な関係にある一方が滅びると、他方も危険になるというたとえ。晋が小国を攻めた際、「唇がなくなれば歯が寒くなる」と忠告した故事にちなむ言葉。

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