話し上手は聞き上手

スポンサーリンク
ことわざ その他
話し上手は聞き上手
(はなしじょうずはききじょうず)

14文字の言葉は・ば・ぱ」から始まる言葉

「あの人と話していると、なんだか楽しい」「つい、自分のことを話しすぎてしまった」

そんなふうに感じさせてくれる「話し上手」な人が、あなたの周りにもいませんか。
多くの人は、「話し上手」とは、面白い話をたくさん知っていたり、流暢(りゅうちょう)に言葉を操ったりする人だと思いがちです。

しかし、本当に会話が上手な人には、ある共通点があります。
それが「話し上手は聞き上手(はなしじょうずはききじょうず)」という言葉に集約されています。

「話し上手は聞き上手」の意味・教訓

「話し上手は聞き上手」とは、「本当に会話が上手な人は、例外なく人の話を聴くのも上手である」という意味の格言です。

これは、コミュニケーションの核心的な真実を示しています。
なぜ、聞くことが上手だと、話すことも上手になるのでしょうか。

  1. 相手のニーズを理解できるから
    人は皆、自分の話を聞いてほしい、自分を理解してほしいという欲求(承認欲求)を持っています。聞き上手な人は、まず相手の話に耳を傾け、相手が何を考え、何に興味があり、何を求めているのかを正確に把握します。
  2. 信頼関係を築けるから
    自分の話を真剣に聞いてもらえると、相手は「この人は自分を尊重してくれている」と感じ、安心感を抱きます。この信頼関係が、より深いコミュニケーションの土台となります。
  3. 的確な応答(話)ができるから
    相手のニーズや心情を理解しているため、聞き上手な人がする「話(応答)」は、独りよがりにならず、相手がまさに求めている言葉や、的を射た質問になります。

一方的に自分の話ばかりする人は、一見「話し上手」のように見えても、実際は「お喋(しゃべ)り」なだけであり、相手に満足感を与えることは難しいのです。

「話し上手は聞き上手」の使い方と例文

この言葉は、コミュニケーションの技術を語る上での教訓として、または特定の人を評価する際に使われます。

例文

  • 「私の悩み相談に乗ってくれた上司は、ただうなずくだけでなく質問が的確だった。まさに「話し上手は聞き上手」だ。」
  • 「営業成績トップの彼は、商品知識より顧客の愚痴を聞く時間を大切にしているそうだ。「話し上手は聞き上手」とは、このことだな。」
  • 「あなたは自分の話ばかりしている。もっと相手の話を聞くべきだ。「話し上手は聞き上手」というだろう。」

類義語・関連語

コミュニケーションにおける「聞く」ことの重要性を示す言葉です。

  • 沈黙は金、雄弁は銀(ちんもくはきん、ゆうべんはぎん):
    流暢に話すこと(銀)も大切だが、黙るべき時を知ること(金)、つまり相手の話を聞くことは、それ以上に価値があるというたとえ。
  • 相槌を打つ(あいづちをうつ):
    相手の話に合わせてうなずいたり、短い応答をしたりすること。「聞き上手」の基本的な技術の一つです。

関連する概念 – 傾聴(アクティブ・リスニング)

「話し上手は聞き上手」の実践的なスキルとして、「傾聴(けいちょう)」または「アクティブ・リスニング」があります。

これは、単に音を「聞く(Hearing)」のではなく、相手の感情や伝えたい本質にまで注意を向けて「聴く(Listening)」技術のことです。具体的には、相手の話を遮らず、うなずき(相槌)、相手の言葉を繰り返したり(オウム返し)、共感を示したりしながら、相手が話しやすい雰囲気を作ることを指します。

対義語

このことわざと直接的な対になる四字熟語やことわざはありませんが、反対の状態を示す言葉はあります。

  • 口は災いの元(くちはわざわいのもと):
    不用意な発言(相手の話を聞かずに発した言葉)が、災難を引き起こすという戒め。
  • 独りよがり(ひとりよがり):
    相手の立場を考えず、自分だけで良いと思い込んでいること。相手の話を聞かずに一方的に話す状態を指します。

英語での類似表現

「聞く」ことの重要性を示す、よく似た表現が英語にもあります。

Good talkers are good listeners.

  • 意味:「話し上手は聞き上手である」
  • 解説:日本語のことわざの、ほぼ直訳にあたる表現です。

Seek first to understand, then to be understood.

  • 意味:「まず理解することに努め、その次に理解されることに努めよ」
  • 解説:スティーブン・R・コヴィー博士の著書『7つの習慣』に出てくる有名な言葉です。「話し上手(理解されること)」であるためには、まず「聞き上手(理解すること)」でなければならない、という本質を捉えています。
  • 例文:
    The core of communication is to seek first to understand, then to be understood.
    (コミュニケーションの核心は、まず理解することに努め、次に理解されることに努めることだ。)

「聞き上手」になるためのコツ

「話し上手」になる第一歩として、「聞き上手」になるための簡単なコツを紹介します。

  • 相手の話を遮(さえぎ)らない
    自分が何か言いたくなっても、相手が話し終わるまで我慢します。
  • 適度に相槌(あいづち)を打つ
    「はい」「ええ」「なるほど」といった短い応答や、うなずきは、「あなたの話を聞いています」というサインになります。
  • 相手の目を見る
    適度に視線を合わせることで、関心を示します。
  • 相手の言葉を繰り返す(オウム返し)
    相手が言った重要な単語や最後の言葉を繰り返すことで、「ちゃんと聞いています」と伝わり、相手は続きを話しやすくなります。
  • 結論やアドバイスを急がない
    人は多くの場合、答えが欲しいのではなく、ただ話を聞いてほしいだけです。

まとめ – 「話し上手」への第一歩

「話し上手は聞き上手」とは、優れたコミュニケーターは、まず優れたリスナーである、という真理を突いた言葉です。

会話の達人への道は、多くの言葉を覚えることよりも、まず相手に真剣に関心を持ち、その言葉に深く耳を傾けることから始まります。相手が心地よく話せる「場」を作ることこそが、結果として自分自身を「話し上手」にする最短距離と言えるでしょう。

スポンサーリンク

コメント