意味
「豚もおだてりゃ木に登る(ぶたもおだてりゃきにのぼる)」とは、木登りなどできそうもない豚でさえ、おだてられれば木に登ってしまうというたとえで、ふだんは大したことのできない人でも、ほめて持ち上げられると、実力以上の力を出したり、調子に乗って柄にもないことをしたりするという意味です。
人を上手に褒めて動かすという肯定的な側面と、おだてにすぐ乗ってしまう人を揶揄する否定的な側面の両方で使われます。
語源・由来
福島県の会津地方などで使われていた地元の言い回しが由来とされています。
豚が木に登れないことから、「豚の木登り」は、できないことのたとえとして使われます。
このことわざは反対に、おだてればそのできないことまでしてしまう、と大げさに言っているわけです。
1970年代に放送されたテレビアニメ『タイムボカンシリーズ ヤッターマン』(タツノコプロ制作)の劇中で、「おだてブタ」という豚のメカが「豚もおだてりゃ木に登る〜」と言いながらヤシの木に登るギャグ演出が用いられました。
これは会津地方出身の笹川ひろし総監督が、地元で聞いた言葉をアイデアとして採用したものです。
このコミカルな表現が当時の視聴者を中心に大流行し、一般社会にも広くことわざとして定着しました。
使い方・例文
- 消極的な彼も皆で褒めたら成果を出した。豚もおだてりゃ木に登るだ。
- 豚もおだてりゃ木に登るで、少し褒められただけで彼は有頂天だ。
- 豚もおだてりゃ木に登る作戦で、彼を良い気分にさせて面倒な作業を任せよう。
類義語・関連語
「豚もおだてりゃ木に登る」と似た意味を持つ言葉には、以下のものがあります。
- 煽てと畚には乗り易い(おだてともっこにはのりやすい):
人は少しおだてられると、すぐにいい気になってしまうものであるというたとえ。 - 馬鹿と鋏は使いよう(ばかとはさみはつかいよう):
切れない鋏も使い方次第で役立つように、愚かな者でも使い手の扱い方次第で役に立つというたとえ。
英語表現
A little flattery goes a long way
直訳:少しのお世辞は遠くまで届く(大きな効果がある)。
意味:少し相手をおだてるだけで、気持ちよく動いてくれて大きな成果をもたらすという意味です。
If you want him to help you, try praising his skills. A little flattery goes a long way.
(彼に手伝ってほしいなら、その技術を褒めてみなさい。少しおだてるだけで、ずいぶん違いますよ。)
おだての波長に反応するメカ「おだてブタ」
「豚もおだてりゃ木に登る」と言うおだてブタは、『ヤッターマン』の第60話から登場したメカです。
多くは、悪役ドロンボー一味のボヤッキーが自分の作ったメカの性能を自慢し、リーダーのドロンジョが「さすがだねぇ」とおだてたところで、ヤシの木が飛び出し、おだてブタがそれに登ってこのせりふを言いました。
ボヤッキーは劇中で、おだての波長を感じ取って反応するメカだと説明しています。
そのボヤッキーは、総監督の笹川ひろし自身がモデルの一人だといわれています。
笹川は2000年に出した自伝の題も、『ぶたもおだてりゃ木にのぼる』としています。












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