意味
「言行一致(げんこういっち)」とは、口で言うことと実際の行動がぴったりと合っていることを意味する四字熟語です。
自分が主張したことや約束したことを、その通りに実行に移す誠実な姿勢を表します。
- 言行(げんこう):言葉と行い。
- 一致(いっち):二つ以上のものが、食い違いなくぴったり合うこと。
単に「嘘をつかない」というだけでなく、自分の発言に責任を持ち、それを現実のものにする強い意志が含まれます。
語源・由来
「言行一致」という語は、中国の宋代の書物に、言葉と行いを一致させるのに七年かかったという話の中に出てきます。
その根底にある思想は、古代中国の儒教、特に『論語』の中に強く見られます。
孔子は、言葉ばかりが立派で行動が伴わないことを極めて嫌いました。
『論語』憲問篇には、次の一節があります。
君子恥其言而過其行。
(君子は、自分の言葉が行いより立派になることを恥とする。)
日本の文学では、芥川龍之介の『侏儒の言葉』に「言行一致」と題した一章があり、書かれているのは次の一文だけです。
言行一致の美名を得る為にはまず自己弁護に長じなければならぬ。
(芥川龍之介『侏儒の言葉』1923〜27年)
使い方・例文
自分の発言を貫き通す人への称賛として使われるほか、座右の銘としても選ばれる言葉です。
ビジネスの場に限らず、家庭や学校など、約束が介在するあらゆる人間関係において用いられます。
例文
- 彼は常に言行一致を貫いており、クラスメートからの信頼が非常に厚い。
- 父は「早起きは三文の徳」と言い、自らも言行一致で毎朝誰よりも早く起きる。
- 掲げたスローガンを放置せず、言行一致の姿勢で改革を進めることが求められる。
- 言行一致を座右の銘にしているからには、自分の発言には責任を持ちたい。
類義語・関連語
「言行一致」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 有言実行(ゆうげんじっこう):
言ったことを必ず実行すること。 - 言動一致(げんどういっち):
言うこと(言)と行動(動)が矛盾なく合うこと。
対義語
「言行一致」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 言行不一致(げんこうふいっち):
言うことと行動が食い違っていること。 - 有言不実行(ゆうげんふじっこう):
立派なことを言うだけで、実際には何もしないこと。 - 口先だけ(くちさきだけ):
言葉だけで誠意がなく、実行が伴わないこと。 - 食言(しょくげん):
一度言ったことを飲み込むように、約束を破ったり前言を撤回したりすること。
英語表現
「言行一致」を英語で表現する場合、以下の定型句がよく使われます。
Practice what you preach
直訳は「自分が説教(主張)することを実践する」で、最も一般的な表現。
人に勧めていることを自分でも行う、つまり「言行一致」を指す。
If you tell others to be on time, you should practice what you preach.
(他人に時間を守れと言うなら、自分も言行一致であるべきだ。)
Walk the talk
直訳は「話した通りに歩く(行動する)」で、ビジネスシーンなどでよく使われる、「言ったことを実行に移す」というニュアンスの口語表現。
She is a great leader because she always walks the talk.
(彼女は常に言行一致の姿勢を見せるため、素晴らしいリーダーだ。)
『西国立志編』には「言行一致」の節がある
明治の初め(1870〜71年)に出た中村正直の翻訳書『西国立志編』には、「言行一致内外間ナカルベキ事」という節の見出しがあります。
イギリスの『自助論』を訳した本で、見出しは「言うことと行うことを一致させ、内と外にへだたりがあってはならない」という意味です。
その節は「言行一致内外間ナキハ、品行ノ信実ナル本質ナリ」(言行が一致し、内と外にへだたりがないことが、人柄の誠実さの本質である)と始まります。
ここでの「言行一致」は、言ったとおりに実行することにとどまらず、外に見せる姿と内心とが同じであることまで含んでいます。















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