【特集】「謙虚」に関することわざ・慣用句・故事成語・四字熟語一覧

謙虚 【特集】ことわざ・慣用句・四字熟語
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自分の能力や立場におごることなく、控えめに相手を敬い、素直に学ぼうとする態度を示す「謙虚」さ。
古くから日本の美徳の一つとされ、また洋の東西を問わず、人間的な成長や良好な人間関係に不可欠な要素と考えられてきました。

このような謙虚な姿勢の大切さや、その対極にあるおごり高ぶること(傲慢)の愚かさを伝える言葉は、ことわざや四字熟語の中にも数多く含まれています。

「謙虚」に関連する言葉

「謙虚」というテーマに関連する、主なことわざや慣用句、四字熟語などを紹介します。

ことわざ

  • 実るほど頭を垂れる稲穂かな(みのるほどこうべをたれるいなほかな):
    稲が実を熟すほど穂先が垂れ下がるように、徳が深く、学問や人格が優れた人ほど、かえって謙虚であるというたとえ。
  • 能ある鷹は爪を隠す(のうあるたかはつめをかくす):
    本当に実力のある者は、それをむやみにひけらかしたりしないというたとえ。
  • 上には上がある(うえにはうえがある):
    自分より優れている者は、探せば必ずいるものだという戒め。慢心を戒め、謙虚さを促す言葉。
  • 大賢は愚なるが如し(たいけんはぐなるがごとし):
    本当に賢い人は、自分の知識や才能をひけらかさず、一見すると愚かな人のように見えるということ。
  • 大智は愚の如し(たいちはぐのごとし):
    「大賢は愚なるが如し」とほぼ同じ意味。本当に賢い人は、知識をひけらかさない。
  • 大巧は拙なるが若し(たいこうはせつなるがごとし):
    老子の言葉。本当に巧みな技術は、一見すると無駄がなく、かえって拙く見えるということ。才能を誇示しないさま。
  • 出過ぎた杭は打たれない(ですぎたくいはうたれない):
    能力がずば抜けて優れていると、かえって人から非難や嫉妬を受けなくなるという場合もあるが、文脈によっては謙虚さの重要性を逆説的に示すこともある。

慣用句

  • 頭が低い(あたまがひくい):
    人に対して謙虚である、へりくだった態度である。
  • 腰が低い(こしがひくい):
    人に対して謙虚で、丁寧な態度であること。
  • 一歩を譲る(いっぽをゆずる):
    相手を立てて、自分の主張や立場を譲ること。謙譲の精神。
  • 自分を空しゅうする(じぶんをむなしゅうする):
    我欲や先入観を捨て、心を空(から)にすること。謙虚に他者や物事を受け入れる姿勢。
  • 笠に着る(かさにきる):
    権力や地位のある人を頼んで威張る。謙虚さの対極にある態度への戒めとして関連。
  • お辞儀にも角がある(おじぎにもかどがある):
    丁寧にお辞儀をしているようでも、どこか相手を見下したり、敵意が感じられたりすること。表面だけでない謙虚さの重要性を示す。

四字熟語

  • 虚心坦懐(きょしんたんかい):
    心に何のわだかまりもなく、さっぱりとして素直な心で物事に臨むさま。謙虚に他者の意見を受け入れる態度。
  • 謙虚謙譲(けんきょけんじょう):
    おごり高ぶることなく、控えめで、他人に譲る態度であること。「謙虚」と非常に近い意味を持つ。
  • 温良恭倹(おんりょうきょうけん):
    穏やかで素直、うやうやしく、つつましいこと。孔子の人柄を評した言葉で、謙虚さを含む徳目。
  • 恭倹温良(きょうけんおんりょう):
    上記「温良恭倹」と同じ意味。
  • 韜光晦跡(とうこうかいせき):
    自分の才能や徳、地位などを隠して、目立たないようにすること。「能ある鷹は爪を隠す」に近い。
  • 深沈厚重(しんちんこうじゅう):
    度量が広く落ち着きがあり、重々しいこと。軽々しく才能や感情を表に出さないさま。
  • 卑躬屈膝(ひきゅうくっしつ):
    自分を卑下し、他人にこびへつらうこと。謙虚さが行き過ぎて、卑屈になることへの戒めとして関連。
  • 慇懃無礼(いんぎんぶれい):
    態度は非常に丁寧だが、内心では相手を見下していること。真の謙虚さとは対極にある態度。

故事成語

  • 三顧の礼(さんこのれい):
    劉備が諸葛亮を迎えるため三度も訪ねた故事から。目上の者が目下の者へ謙虚に礼を尽くして物事を頼むことのたとえ。
  • 鶏口牛後(けいこうぎゅうご):
    大きな組織の末端(牛後)にいるよりも、小さな組織でも長(鶏口)となる方が良いという考え方。文脈によっては、分相応の場所で謙虚に務めることの重要性とも解釈できる。
  • 国士無双(こくしむそう):
    国の中で並ぶ者がいないほど優れた人物。真に優れた人物は、しばしば謙虚さを併せ持つ。
  • 韋編三絶(いへんさんぜつ):
    孔子が易経を熱心に読み、綴じ紐が三度も切れたという故事。知を深めるほど謙虚になるという関連性。
  • 羹に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく):
    熱い吸い物でやけどをしたのに懲りて、冷たいなます(和え物)まで吹いて冷まそうとすること。過度な慎重さや卑屈さを表し、適度な謙虚さとの対比で用いられることがある。

その他の言葉

  • 謙譲(けんじょう):
    へりくだって、他人に譲ること。
  • 謙遜(けんそん):
    へりくだること。自分の能力や功績を控えめに評価すること。
  • 卑下(ひげ):
    自分を低くし、いやしめること。謙虚さと似ているが、ややネガティブなニュアンスを含む場合がある。
  • 自重(じちょう):
    軽率な言動を慎み、自分の品位や立場を保つこと。控えめな態度。
  • 恐縮(きょうしゅく):
    恐れ入って身が縮む思いであること。他者への敬意や謙虚さを示す際に使われる。
  • 恭謙(きょうけん):
    うやうやしく、へりくだること。
  • 恭敬(きょうけい):
    うやまいつつしむこと。
  • 敬虔(けいけん):
    敬いつつしむ態度。特に神仏など尊いものに対して使うことが多い。
  • 慇懃(いんぎん):
    非常に礼儀正しく、丁寧なさま。

まとめ – 謙虚に関連する言葉を学ぶ

「謙虚」に関連する言葉は、「実るほど頭を垂れる稲穂かな」のように、真の実力や徳を持つ人ほど謙虚であるという教えや、「虚心坦懐」のように素直な心で物事を受け入れる態度など、多様な視点を含んでいます。

また、「慇懃無礼」のように、表面的な丁寧さではなく、心からの敬意と謙虚さが重要であることも示唆しています。
これらの言葉は、単に控えめであることを推奨するだけでなく、他者への敬意を持ち、自分自身を客観視することの重要性を教えてくれます。
時代を経ても変わらない、人間関係や自己成長における大切な知恵が詰まっていますね。

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