意味
「虚心坦懐(きょしんたんかい)」とは、何のこだわりや偏見も持たず、素直でさっぱりとした心で物事に向き合うという意味です。
語源・由来
「虚心」は、思い込みを捨てて物事をそのまま受け入れる心のことです。
「坦懐」は、「坦」が平ら、「懐」が胸の内のことで、わだかまりのない、さっぱりした心を表します。
意味の近いこの二語を重ねた言葉です。
使い方・例文
「虚心坦懐」は、わだかまりを捨てて話し合う場面や、人の意見や批判を素直に受け止める場面で使われます。
- お互いの主張を一旦保留し、虚心坦懐に事実だけを確認しよう。
- 厳しい指摘であったが、自身の成長のために虚心坦懐に受け止めた。
- 長年対立してきた両社の社長が、虚心坦懐に話し合う場を設けた。
類義語・関連語
「虚心坦懐」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 明鏡止水(めいきょうしすい):
曇りのない鏡と静かな水面のように、心が澄み切って落ち着いている状態。 - 光風霽月(こうふうせいげつ):
雨上がりのさわやかな風と澄んだ月のように、心がさっぱりとしてわだかまりのない様子。
対義語
「虚心坦懐」と反対の意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
英語表現
with an open mind
意味:偏見を持たず、新しい意見を受け入れる素直な状態。
Please listen to my proposal with an open mind.
(私の提案を、虚心坦懐に聞いてください。)
『老子』の「心を虚しくする」は民を治める術
心を虚しくするという言い方は、『老子』第三章にも出てきます。
ただし、そこで心を空にされるのは、聖人に治められる民の側です。
是以聖人之治,虚其心,実其腹,弱其志,強其骨。常使民無知無欲。
『老子』第三章
「聖人の治は、其の心を虚しくして其の腹を実たし、其の志を弱くして其の骨を強くす。常に民をして無知無欲ならしむ」と読みます。
民の心からは知恵や欲を抜き、腹は食べ物で満たしてやる。
野心は弱め、体は丈夫にする。
そうして民をいつも知恵も欲も持たない状態に置く、という治め方です。
今の「虚心」は、自分から思い込みを捨てて物事に向き合う心です。
同じ「心を虚しくする」でも、『老子』第三章では治める側が民の心を空にし、今の「虚心」では自分で自分の心を空にします。













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