意味
「気が置けない」とは、気をつかう必要がなく、うちとけて付き合えることです。
人や間柄について使う言葉で、「気が置けない友人」「気が置けない間柄」のように相手をほめる場面で使われます。
「気の置けない」という形でも使われ、どちらでも意味は変わりません。
- 気:心の動きや働き。
- 置く:物事をある所にとどめること。
語源・由来
「気が置けない」は、「気を置く」という言い方を打ち消したものです。
「気を置く」には「相手の気持を気づかう。遠慮する」と「気を休める。ほっとする」の二つの意味があり、打ち消されているのは前者のほうです。
相手に気づまりや遠慮を感じないさまをいう言葉で、田山花袋の『時は過ぎゆく』(1916年)に登場します。
本当に、気の置けない好い叔母さんですね
使い方・例文
「気が置けない」は、相手に構えずに過ごせる間柄を表す場面で使われます。
- 久しぶりに気が置けない仲間と飲んだ。
- 気が置けない店なので、つい長居してしまう。
- 彼女とは気の置けない付き合いが二十年続いている。
「気が置けない」、逆の意味に取る人が44.3%
文化庁の令和7年度「国語に関する世論調査」では、「その人は気が置けない人ですね」を「相手に対して気配りや遠慮をしなくてよい」の意味だと答えた人が47.4パーセント、「気配りや遠慮をしなくてはならない」と答えた人が44.3パーセントでした。
本来の意味のほうがわずかに多いものの、4割を超える人が逆の意味に受け取っています。
ほめ言葉として使ったつもりでも、誤解されることがあります。
平成24年度の調査では、本来の意味が42.7パーセント、逆の意味が47.6パーセントでした。
ただし令和2年度から調査の方法が変わっているため、二つの年度の数字をそのまま比べることはできません。
同じように受け取り方が分かれる言葉は、以下の記事にもまとめています。
類義語・関連語
「気が置けない」と同じく、隔てのない間柄を表す言葉には以下のようなものがあります。
- 腹を割る(はらをわる):
本心を隠さずに打ち明けること。 - 肝胆相照らす(かんたんあいてらす):
心の底まで打ち明け合って、深く付き合うこと。 - 水入らず(みずいらず):
身内だけで集まり、他人を交えないこと。
英語表現
easy to get along with
付き合いやすい人柄をそのまま指す言い方。
She is easy to get along with.
(彼女は気が置けない人です。)
feel at ease with
相手の前で身構えずにいられる状態を表すフレーズ。
He is someone I feel at ease with.
(彼は気が置けない相手です。)
逆の意味に取るのは「信用が置けない」に引かれるため
「気が置けない」が、逆の意味に取られてしまう原因は、「置けない」という語形にあると考えられています。
「信用が置けない」「信頼が置けない」のように、「〜が置けない」という形は否定的な評価を表すことが多くあります。
その並びに引かれて、「気が置けない」も「気を許せない」と読まれてしまいます。
もう一つは、打ち消される前の「気が置ける」という言い方を、日常ではあまり耳にしないことです。
対になる言い方になじみが薄いため、「置けない」だけが否定の語群のほうへ引き寄せられやすくなります。












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