にこやかな笑顔の裏で、何を考えているか分からない。
そんな心の底に潜む悪だくみを表すのが、「腹黒い」(はらぐろい)です。
意味
「腹黒い」とは、心の中に悪だくみを抱えていて、陰険で意地が悪いという意味です。
表向きは穏やかに見えても、内心では良からぬことを企んでいる人物を評する言葉です。
表と裏の顔の違いに対する、強い不信感や警戒心を含んでいます。
語源・由来
「腹黒い」は、「腹を割る」と同じく、心の働きが「腹」に宿るとされていた昔の身体観に由来する表現です。
本音や本心が宿るとされた腹の中が、清らかではなく黒く濁っている。
この、目には見えない心の汚れを色にたとえたことで、悪意や企みを内に秘めた人物を表す言葉として定着しました。
使い方・例文
「腹黒い」は、表向きの態度と裏腹に、悪だくみを持つ人物を評する場面で使われます。
- あの笑顔の裏には腹黒い計算があるらしい。
- 彼は腹黒いところがあり、油断ができない。
- 親切そうに見せて腹黒い魂胆を隠している。
類義語・関連語
「腹黒い」と同じように、内に秘めた悪意や企みを表す言葉には、以下のようなものがあります。
- 陰険(いんけん):
表に出さず、こっそりと意地の悪いことをする性質。 - 猫を被る(ねこをかぶる):
本性を隠して、おとなしそうに振る舞うこと。
「腹黒い」と「猫を被る」の違い
どちらも本性を隠す様子を表しますが、焦点が異なります。「腹黒い」は隠している中身が悪意そのものであることを、「猫を被る」はおとなしく見せかける演技そのものを表します。
| 語句 | 焦点 |
|---|---|
| 腹黒い | 隠している中身が悪意そのもの |
| 猫を被る | おとなしく見せかける演技 |
対義語
「腹黒い」とは反対に、本心を隠さず正直に語る様子を表す言葉があります。
- 腹を割る(はらをわる):
包み隠さず、本心を打ち明けること。
英語表現
have a hidden agenda
「隠された計画を持っている」という意味で、表に出さない裏の思惑や企みを抱えていることを表す表現。
I suspect he has a hidden agenda.
(彼は腹黒い魂胆を隠しているのではないかと疑っている。)
色で心の状態を語る日本語
日本語には、色を使って心の性質を表す言葉が数多くあります。
後ろ暗さのない様子を「潔白」と呼ぶのも、悪意を「黒」に、清らかさを「白」にたとえる発想の一部です。
目には見えないはずの心の中身を、誰もが直感的にイメージできる色の濃淡に置き換えることで、複雑な人柄の善悪を一言で伝えられるようにしているのが、こうした慣用句の巧みなところです。









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