予想もしなかった出来事に、思わず言葉を失う。
そんな呆気に取られた表情を表すのが、「目が点になる」(めがてんになる)です。
意味
「目が点になる」とは、あまりの意外さに驚いて、あっけにとられるという意味です。
ショックや不快感というより、予想外の出来事に思考が止まってしまうような驚きを表します。
くだけた場面でよく使われる、比較的軽いニュアンスの言葉です。
語源・由来
「目が点になる」は、他の多くの慣用句とは異なり、比較的新しく生まれた表現です。
1960年代から1970年代にかけての漫画では、キャラクターが強く驚いたとき、目を小さな点だけで描く表現技法がしばしば用いられていました。
この絵の表現がそのまま言葉になり、1970年、漫画家の谷岡ヤスジが自作でこの目の描き方をしたことをきっかけに、ジャズピアニストの山下洋輔が「目が点になる」と口にしたのが広まるきっかけになったといわれています。
使い方・例文
「目が点になる」は、予想外の出来事に驚き、言葉を失う場面で使われます。
- 突然の告白に、彼女は目が点になった。
- あまりに突飛な発言に、会議室にいた全員の目が点になった。
- 予想外の値段を聞いて目が点になった。
使うときの注意点
「目が点になる」は1970年代の漫画表現に由来する新しい言葉のため、世代によって使用頻度に差があります。
文化庁の調査では40代・50代の使用率が高い一方、10代や70代以上では使用率が下がる傾向が見られ、あらたまった文章では避けた方が無難です。
類義語・関連語
「目が点になる」と同じように、強い驚きを表す言葉には、以下のようなものがあります。
- あっけにとられる:
意外な出来事に、驚いてぼんやりしてしまうこと。 - 呆気に取られる(あっけにとられる):
思いがけない事態に、驚いて何も手がつかなくなること。
英語表現
be dumbfounded
「唖然とする」という意味で、驚きのあまり言葉を失う状態を表すやや硬めの表現。
He was dumbfounded by the unexpected news.
(予想外の知らせに、彼は目が点になった。)
絵の記号が言葉になった珍しい例
「顔から火が出る」や「肝が据わる」など、古典に由来する多くの慣用句とは違い、「目が点になる」は漫画という新しいメディアの表現技法から生まれた言葉です。
驚いたときに目を点や渦巻きで描く、涙を大きな粒で描くといった漫画独自の記号表現は、読者の間で感情を伝える共通言語として定着してきました。
「目が点になる」は、そうした絵の記号がそのまま日常の話し言葉に取り込まれた、比較的珍しい成り立ちを持つ表現です。









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