慣用句

舌を巻く

(したをまく)

相手の言動があまりに優れていて、驚き感心すること。


5文字の言葉 / 「し・じ」から始まる言葉
舌を巻く ことば
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意味

「舌を巻く(したをまく)」とは、単なる驚きではなく、圧倒されて言葉も出ないほど強く感嘆することという意味です。
批判的な意味は含まず、相手への敬意がにじむ言葉です。

語源・由来

「舌を巻く」は、体の動きを使って心の動きを表した慣用句です。

舌を丸めてしまうと言葉を発することができなくなることから、あまりの驚きで声も出ない状態を表す言葉として使われるようになりました。

使い方・例文

「舌を巻く」は、相手の優れた技量や言動に強く感心する場面で使われます。

  • 新人の見事な手際に、ベテランたちも舌を巻いた。
  • 審査員が舌を巻くほどの完成度だった。
  • 彼の博識ぶりには、誰もが舌を巻く。

使うときの注意点

発音を強調するために舌を丸める「巻き舌」とは、まったく異なる言葉です。
「舌を巻く」は驚きや感心を表す慣用句であり、発声の技術を指すものではないため、混同しないよう注意しましょう。

類義語・関連語

「舌を巻く」と同じように、優れたものに強く感心する様子を表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 脱帽する(だつぼうする):
    相手の優れた実力を認め、素直に敬意を表すこと。
  • 感嘆する(かんたんする):
    深く心を動かされ、感心してため息をつくこと。

英語表現

be speechless with admiration

「感心のあまり言葉を失う」という意味で、あまりの見事さに驚嘆し声も出ない状態を表す表現。

The judges were speechless with admiration at her performance.
(審査員は彼女の演技に舌を巻いた。)

揚雄の「解嘲」にある「卷舌」は口をつぐむ意味

揚雄ようゆうは、紀元前53年に蜀しょくの成都で生まれた前漢末の学者です。
書物を好んで博識でしたが吃音があり、話すことよりも文章で身を立て、四十歳を過ぎてから都の長安に出て「甘泉賦かんせんのふ」などを献上しました。
やがて華やかな辞賦を小手先の技として退け、『論語』にならった『法言ほうげん』、『易経』にならった『太玄たいげん』という思想書を著しています。
その学問を人に笑われたときには、反論として「解嘲かいちょう」という文章を残しました。
その中に、『文選』に収められた本文で次の句があります。

欲談者卷舌而同聲

『漢書』揚雄伝の本文では、この句は「宛舌而固聲」となっています。
唐の李善りぜんの注は、世の中が人と違うことを嫌うので、話したい者も舌を巻いて口をつぐみ、人が言い出すのを待って同じことを言う、という意味に読んでいます。
驚きや感嘆を表す言葉として使われているわけではありません。

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