「ボーナスが出たけれど、雀の涙ほどだった…」こんな風に、思ったより少なくてがっかりした時に使われる「雀の涙(すずめのなみだ)」。
とてもかわいらしい表現ですが、実際はどのような意味なのでしょうか。
今回は、「雀の涙」の基本的な意味から、その由来、使い方、類語や英語表現まで、分かりやすく解説していきます。
「雀の涙」の意味・教訓
「雀の涙」とは、ごくわずかな量、ほんの少しであることのたとえです。
小さくてかわいらしい雀(スズメ)が流す涙は、ほんの一滴にも満たないだろう、という想像から来ています。
給料やボーナスなどの金額や、数量が「取るに足りないほど少ない」ことを表す際によく使われる慣用句です。
「雀の涙」の語源
この言葉は、雀という鳥の小ささと、涙の量の少なさを組み合わせた、分かりやすい比喩表現です。
雀は私たちにとって最も身近な鳥の一種ですが、その小さな体から流れる涙は、たとえあったとしても目に見えないほどわずかでしょう。
このイメージから、「非常に少ない」というニュアンスを強調する言葉として使われるようになりました。
使用される場面と例文
金額や数量が非常に少ないことを表す時や、自分の貢献や贈り物を謙遜して「ほんの少しですが」と言う時などに使われます。
例文
- 「今月の給料は残業が少なく、「雀の涙」ほどだった。」
- 「「雀の涙」ほどの寄付ですが、何かの役に立てば幸いです。」
- 「会社全体の損失から見れば、彼のミスによる損害など「雀の涙」程度だ。」
類義語・言い換え表現
「雀の涙」と似た、「ごくわずか」という意味を持つ言葉を紹介します。
- 九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう):
たくさんの牛の中の1本の毛。非常に多くの中の、取るに足らない一部分。 - 大海の一滴(たいかいのいってき):
広大な海の中の1滴の水。非常にわずかなもののたとえ。 - 微々たる(びびたる):
非常にわずかであるさま。
対義語
「雀の涙(=ごくわずか)」とは反対に、非常に量が多いことを示す言葉です。
- 莫大(ばくだい):
非常に多いこと(特に金額や数量)。 - 山ほど:
物が非常にたくさんあること。 - 無数:
数えきれないほど多いこと。
英語での類似表現
「雀の涙」の「ごくわずか」というニュアンスに近い英語表現です。
a drop in the bucket / a drop in the ocean
- 直訳:バケツ(大洋)の中の一滴。
- 意味:「大海の一滴」と同じで、全体から見ればほんのわずかでしかない、という意味です。
- 例文:
My contribution is just a drop in the ocean.
(私の貢献など、雀の涙(大海の一滴)にすぎません。)
peanuts
- 直訳:ピーナッツ。
- 意味:(ピーナッツのように小さなもの、価値が低いものということから)「はした金」「ごくわずかな金額」。
- 例文:
He earns peanuts for all that hard work.
(彼はあれだけ一生懸命働いても、雀の涙ほどの給料しか稼いでいない。)
まとめ – ほんのわずかな量のたとえ
「雀の涙」は、雀が流す涙はごくわずかだろうという想像から、数量や金額が非常に少ないことを表す慣用句です。
期待していたものがあまりに少なかった時のがっかりした気持ちや、謙遜の気持ちを表す時など、様々な場面で使われる、日本語らしい比喩表現の一つですね。



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