意味
「雀の涙(すずめのなみだ)」とは、ほんのわずかであることのたとえです。
主に、お金や量などが非常に少ないことを表す際に使われます。
決してゼロではないものの、期待していた量や必要な量には遠く及ばない、というニュアンスを含んでいます。
語源・由来
「雀の涙」の由来は、その名の通り「雀」という鳥の小ささにあります。
雀は私たちの身近にいる鳥の中でも特に小柄です。
その小さな雀がもし涙を流したとしたら、その量はどれほど小さいだろうか、という想像から生まれました。
小さくて身近な生き物を引き合いに出すことで、量の少なさをユーモラスかつ的確に表現した言葉です。
使い方・例文
「雀の涙」は、自分自身の所有物や受け取るものに対して「少ない」と謙遜したり、不満を漏らしたりする場面で使われます。
- 毎月貯金をしているが、まだ雀の涙ほどしかない。
- 今年のボーナスは雀の涙だった。
- 必死に勉強したが、点数は雀の涙ほどしか上がらなかった。
誤用・注意点
「雀の涙」は、他人の持ち物や成果に対して使うと失礼にあたるため注意が必要です。
たとえば、友人が苦労して得た収入に対して「あなたの給料は雀の涙ですね」などと使うと、相手を馬鹿にしているように聞こえてしまいます。
基本的には、自分自身のことや、身内のことに対してのみ使うのが無難です。
また、少ないことをいうのは量や金額で、物が小さいことや場所が狭いことには使いません。
小さな宝石を「雀の涙ほどの宝石」と言うのは誤りで、狭い庭なら「猫の額ほどの庭」と言います。
類義語・関連語
「雀の涙」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 蚊の涙(かのなみだ):
「雀の涙」と同じく、ごくわずかなことのたとえ。雀よりもさらに小さな蚊を引き合いに出している。 - 猫の額(ねこのひたい):
土地や場所の面積が非常に狭いことのたとえ。 - 九牛の一毛(きゅうぎゅうのいちもう):
非常にたくさんあるうちの、ごくわずかな部分のたとえ。
「雀の涙」が主に「量や金額」の少なさを表すのに対し、「猫の額」は「面積」の狭さを表すという違いがあります。
対義語
「雀の涙」とは対照的な意味を持つ言葉は以下の通りです。
- 掃いて捨てるほど(はいてすてるほど):
非常にたくさんあり、あり余っている様子。 - 無尽蔵(むじんぞう):
いくら取っても尽きることがないほど、極めてたくさんあること。
英語表現
「雀の涙」を英語で表現する場合、以下のような定型句が使われます。
a drop in the bucket
「バケツの中の一滴」という意味で、全体から見ればごくわずかな量であることを表す表現。
The money we raised is just a drop in the bucket.
(私たちが集めた資金は、ほんの雀の涙にすぎない。)
chicken feed
「鶏の餌」という意味で、少額のお金、はした金を表す表現。
He works hard, but he only gets paid chicken feed.
(彼は一生懸命働いているが、雀の涙ほどの給料しかもらっていない。)
明治の翻訳と辞典に出る「雀の涙ほど」
1907年(明治40年)に出たシェークスピア劇の翻訳『沙翁全集』に、「針の席に坐った程の嬉しさを、雀の涙程覚えまする」というせりふがあります。
うれしさがほとんど無いことを、「雀の涙程」と言い表した訳です。
その前年、1906年に出た熊代彦太郎編『俚諺辞典』も、「雀の涙ほど」の形で見出しに立て、「至て些少なる喩」(ごくわずかなことのたとえ)と説明しています。
今も「雀の涙ほどしかない」と言うように、「ほど」を付けて量の少なさを言う使い方は、明治から変わっていません。















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