手を焼く

『手を焼く』の文字サムネイル 個別解説
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何度言い聞かせても、思うようにいかない相手がいる。
そんな扱いにくさに手こずる様子を表すのが、「手を焼く」(てをやく)です。

意味

「手を焼く」とは、うまく対処できず、扱いに困り果てるという意味です。

相手や物事が思い通りにならず、手間ばかりかかって解決の糸口が見えない様子を表します。
単なる面倒さだけでなく、何度も試みて疲れ果てたニュアンスを含む言葉です。

語源・由来

「手を焼く」は、実際に手をやけどした経験を扱いにくさに重ねた表現です。

ここでの「焼く」は、あれこれと気を配って世話をするという意味で、面倒を見ることを表す「世話を焼く」の「焼く」と同じ使われ方です。
手をやけどすると、その後は熱いものに触れるのをためらい、扱いに慎重になります。
この、痛い思いをしてなかなか手が出せなくなる感覚が、思うようにならない相手への対処の難しさを表す言葉として定着しました。

使い方・例文

「手を焼く」は、人や物事への対応がうまくいかず困っている場面で使われます。

  • 反抗期の息子の扱いに手を焼いている。
  • 急増する苦情の対応に、窓口は手を焼いている。
  • 渋滞続きの現場は、いつも交通整理に手を焼く

類義語・関連語

「手を焼く」と同じように、思い通りにならない対応の難しさを表す言葉には、以下のようなものがあります。

  • 手に負えない(てにおえない):
    自分の力ではとても対応しきれないこと。
  • 匙を投げる(さじをなげる):
    あらゆる手を尽くしたが見込みがなく、対処するのをあきらめること。

「手を焼く」と「匙を投げる」の違い

どちらも対処の難しさを表しますが、あきらめの度合いが異なります。「手を焼く」は苦労しながらもまだ対応を続けている状態を、「匙を投げる」は対応そのものを断念した状態を表します。

語句対応の状態
手を焼く苦労しつつ対応を続けている
匙を投げる対応そのものを断念する

英語表現

have a hard time with ~

「〜に苦労している」という意味で、人や物事への対応に手こずる状況を幅広く表す表現。

We’re having a hard time with the new puppy.
(新しく迎えた子犬の世話に手を焼いている。)

be a handful

「片手にあまるほどの量」という意味から転じて、手に負えないほど手のかかる人や物事を指す口語表現。

Their toddler is quite a handful these days.
(あの家の幼児は、この頃なかなか手を焼く存在だ。)

「焼く」が示す2つの気の配り方

日本語には「焼く」を使った慣用句がいくつかありますが、その意味は文脈によって分かれます。
「世話を焼く」のように相手のために進んで気を配る場合と、「手を焼く」のように相手に振り回されて苦労する場合です。

どちらも根っこにあるのは、火を扱うときのように神経を集中させ、気をもみながら手をかけ続けるという同じ身体感覚です。
「手を焼く」は、その気配りが自分の思うようには実を結ばない、もどかしさの側面を切り取った表現だといえます。

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