意味
「奇々怪々(ききかいかい)」とは、常識では測れないほど、不思議で怪しさに満ちた様子をいいます。
「奇怪(きかい)」という言葉を重ねることで、その度合いが極限まで高まっていることを強調しています。
- 奇(き):普通ではない、珍しい、不思議。
- 怪(かい):あやしい、正体がわからず気味が悪い。
語源・由来
「奇々怪々」は、二字熟語「奇怪」の「奇」と「怪」をそれぞれ重ねて、意味を強めた四字熟語です。
心霊現象に限らず、あまりにも理不尽で不透明な社会情勢や、複雑に入り組んだ事件に対しても用いられます。
使い方・例文
「奇々怪々」は、単に「不思議だ」と言うだけでは足りないほど、不気味さや怪しさが際立っている状況で用いられます。
例文
- 白昼堂々、密室から宝飾品が消えるとは奇々怪々な事件だ。
- 調査を進めるほど奇々怪々な事実が次々と浮かび上がってきた。
- その古い屋敷には、奇々怪々な噂が絶えない。
類義語・関連語
「奇々怪々」と似た意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 奇怪千万(きかいせんばん):
この上なく怪しく、不思議であること。 - 複雑怪奇(ふくざつかいき):
事情が非常に込み入っていて、怪しく不可解なこと。 - 摩訶不思議(まかふしぎ):
人間の知恵では計り知れないほど不思議なこと。
対義語
「奇々怪々」とは対照的な意味を持つ言葉には、以下のようなものがあります。
- 至極当然(しごくとうぜん):
全くその通りであり、少しもおかしくないこと。 - 明白(めいはく):
疑う余地がなく、はっきりしていること。
英語表現
「奇々怪々」を英語で表現する場合、以下のような定型表現があります。
curiouser and curiouser
直訳は「ますます奇妙に」で、事態がどんどん不可解になっていく様子に使う表現。
ルイス・キャロル『不思議の国のアリス』(1865年)で、驚いたアリスが口にする言葉に由来する言い回し。
The case got curiouser and curiouser as the investigation went on.
(調査が進むにつれて、事件はますます奇々怪々になっていった。)
「奇々怪々」は『紅楼夢』の老婆の作り話の前置き
「奇々怪々」は、中国の清の時代の長編小説『紅楼夢』にも「奇奇怪怪」の形で出てきます。
第39回で、田舎から屋敷を訪ねてきた劉という老婆が、一家の長老である賈母に村の話を聞かせる場面です。
老婆は、春夏秋冬、風の日も雨の日も畑に出ていれば「什麼奇奇怪怪的事不見呢」(どんな奇奇怪怪なことだって目にしますよ)と語り、雪の朝に柴を抜きに来た娘の話を始めます。
作者はその直前の地の文で、老婆は話の種が尽きると「編出些話來講」(話をこしらえて語った)と書いています。
この回の題も「村姥姥是信口開河」(村の老婆は口から出まかせを言う)です。
老婆の口から出た「奇奇怪怪」は、聞き手を喜ばせるための作り話の前置きでした。










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